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TES大好き、もきゅがスカイリムの物語をお届けします

◆Chapter 2-38 謳われざる戦い〈中編〉

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※この話は、3分割した38話の中盤部分となります。
まだの方は下のリンクから先に前半部分をお楽しみ頂ければと思いますヾ(๑╹◡╹)ノ"
◆Chapter 2-38 謳われざる戦い〈前編〉
また、続きは下のリンクからお楽しみ頂けれます
◆Chapter 2-38 謳われざる戦い〈後編〉




イェアメリスたちがジェミノス達の襲撃に直面していたころ、王の宮殿にも騒ぎが起きようとしていた。


朝も早く、官吏達が登城して来るにはまだしばらくある。宮殿内は閑散としており、大広間にはわずかな衛兵と従士や私兵達しか留まっていない。一日の忙しさを予感させながらもふと気の緩む、そんな時間。


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死者の行進が猛威を振るう外とは対照的に、ここは別世界のごとく静穏であった。あの二人が現れるまでは。ローブを纏った怪しげな男たちが正面の扉から侵入してきたのである。数日前、イェアメリス達が門番を幻惑して押し通ってきたときも決して友好的とは言えない来訪であったが、今度の客はそれを通り越して、明らかに最初から敵対的であり看過できるものではなかった。


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乱暴な音を立てながら宮殿に入ってきたエランディルと側近ゼードは、ノルドの視線を浴びながら大広間の長テーブルの間をゆっくりと進んできた。奥の一段高くなった御座は無人である。ウルフリックはまだ居室から降りてきていなかった。


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彼はふと振り向くと、エランディルは自分たちが二人だけの侵入者になっていることに気がついた。
「ふむ、アッシュ・スポーンたちはまだ追いついていないか」


「我らが通った道は、崩してしまいましたからな。今頃まだ灰色地区を焼いているのでしょう」


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「では代わりに自分でするしかないな」エランディルは何やら呟く。すると通ってきた入り口の扉が炎に包まれた。


一瞬呆気に取られる衛兵達であったが、すぐに自分たちの仕事を思い出して誰何の声を上げる。それに呼応するかのように、広間に居た他の従士や私兵達も一様に席を立った。
エランディルとゼードは、すぐに取り囲まれてしまった。


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「火を! ショールにかけて、貴様がこの騒ぎの元凶か!」


「騒ぎ・・・? 本当に愚か者というのは救い難い」

青白い顔をした魔術師は苦笑とも付かぬ表情を見せた。ゼードの表情は仮面に隠れてうかがい知れぬが、こちらも軽く頷いて失笑をみせている。


「めでたい奴らですな。いま外で何が起こっているか知らぬのでしょう」


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自分たちが通ってきた扉は火に舐められ、オブリビオンの門のようになっている。満足的にそれを眺めたエランディルは、ふと眉をひそめると尋ねるようにゼードをみた。


「ショール? はて・・・奴ら、いまショールといったか?」
彼の楽しげな表情は、みるみる憤怒のそれに豹変していった。


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「許せぬ。偽りの神を崇めるなど、やはりノルドは根絶やしだ!」
青白い顔を紅潮させ、血管の刺青が禍々しく浮き上がった。


「どうやって入った。外の衛兵は何を・・・!」

二人に対し、ノルドたちが詰め寄る。ウルフリックによって集められ食客として禄を食んでいた腕利きの男たちだ。


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「話すのも面倒故、この場で表と同じ再現をしてやろう。街に何が起こったのか自らの身で理解するがよい」


「お待ち下さい。ここは我等に」
ゼードが主を制し、ノルドたちの前に立つ。心得ていますと言わんばかりの態度に、何か言いかけたエランディルは頷いてその場に留まった。


「吾は下賤なノルド共と交わることを好まぬ。広間の掃除は貴様たちに任せる」


エランディルは長テーブルの一つに腰をかけると、不貞不貞しくもその上に置かれたチキンのローストに手を伸ばした。「始めよ」


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ゼードは灰のようなものを周囲に撒き、続いて複雑な呪文を詠唱した。呆気に取られていたノルドたちは、灰からむくむくと起き上がるスケルトン達をみて漸く正気を取り戻した。城内の戦いが幕を開ける合図であった。


「ぬ! 死霊術か! 我らストームクロークを愚弄するとは・・・」


ゼードがマーラの目の池の氷室で見せた大量召喚術。しかし今回現れたものたちはそれぞれ手に武器を持っている戦闘用だ。


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中には数体、イェアメリス達が地下洞で遭遇したのと同じガーディアンクラスも混じっていた。


気色ばむノルドたちの言葉に鞘走りの音が重なる。骸骨兵と迎え撃つ従士、私兵。その中には、ノースウォッチを逃れたソラルド達グレイ・メーンの兄弟や、ヴィットラルドの姿もあった。


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エランディルはまるで劇を鑑賞でもするかのように、見物をはじめた。
スケルトンたちを放ったあとゼードは、首を二、三度大きく傾けてゴキゴキと鳴らした。凝った首肩をほぐす仕草の後、彼は何事か呟きはじめた。


「ケケケ・・・これは殺し甲斐がありそうじゃねぇか」
何もなかった死霊術師のすぐ横の空間から応えがある。彼は自身の顔の横に渦巻く、黒い霧のようなものに話しかけていた。


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「殺しは良いが啜(すす)るのは禁ずる。今回はお前の出番はない」


「なんだよ、少しぐらいはいいじゃねえか、な、相棒」
霧は不定形に揺らめきながらゼードと同じように戦うスケルトンと人間達を眺めている。ときおりその形は獣の顔を思わせるような姿を取り、意志があることを感じさせた。


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ゼードは肩をすくめると黒い影を嗜めた。
「仕方のない奴め。薬を使わねばならぬから・・・三人ぐらいにしておけ」


「ケケ、ありがとよ、相棒」


側近ゼードは自身の中に悪魔を飼っていた。いや、取り憑かせているというのが正確か。


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彼は取り憑いた悪魔に自身の生命エネルギーを与える代わりに定命を超える力を得ていたのである。悪魔と一心同体。自分の事を複数形で呼ぶのはそのためであった。


そんな不気味なやり取りがされている目と鼻の先では戦いが繰り広げられている。
さすがにウルフリックの直衞だけのことはあり、従士と私兵、衛兵達は良く戦い、スケルトン達に決して遅れは取っていなかった。


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「不味い。やはりノルドの味付けは口に合わぬ」


チキンを投げ出すと、エランディルは大広場で繰り広げられる戦いを横目に、ウルフリックの居るであろう建屋の見当を付け始めた。ゼードも同じように、スケルトンに護られながらしばらく乱戦を眺めていたが、主であるエランディルが動き出したのを見ると、自身も行動を開始した。


彼は倒れた衛兵の前にしゃがみ込むと、まるで衛生兵が怪我人を救護しているかのように、甲斐甲斐しく話りかける。


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「諸君、何をさぼっているのだ。おとなしく死んでいる場合ではないよ」そう言いながら何かの薬品をかけてゆく。

「起き上がってエランディル様のために働きなさい」


死体から白い煙が上り立つ。


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彼が使ったのは死者の行進を生み出す悪魔の薬、ロルカーンの涙だった。

倒れたノルドが次々とアッシュスポーンに変えられてゆき、死者たちの戦列に加わる。


戦いの様相は変わった。


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ノルドたちはスケルトンを倒して数を減らしていたが、こちらが一人倒れると敵が逆に一人増えるのだ。

しかも今の今まで味方であった仲間が敵として。


ノルドたちに焦りが生じ、その焦りが隙を生む。


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戦いの機微など意に介さぬアンデット達が、無機質にその隙に入り込み、数を頼んで傷を広げてくる。

しばらくすると、ストームクローク達はとうとう耐え切れずに崩れ始めた。


「我が主。ここは我々が片付けておきますゆえ、御身はウルフリックを追い詰めください」

大勢が決したとみると、ゼードは恭しく主に道を示した。


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「何体か借りるぞ」


エランディルの持つハートストーンの欠片が鈍く光を放つと、数体のアッシュ・スポーンが向きを変えて彼に従った。ノルドであった灰色の化け物は、これからかつての仲間を襲いに行くのだ。


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エランディルは上階に通じる入り口の一つに狙いを定めた。戦いはまだ終わっていないが、もはや彼を阻む者はいない。無人の野を征くがごとく、灰色の化け物を従えた狂えるアルトマーの魔術師は、王の居室目指して歩みを始めた。


ゼードはその姿に向かい恭しく礼をすると、霧に告げる。
「イェゾ。残りは食ってもよいぞ」


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飼い主の許可が下りた猟犬ばりに、黒い霧は喜びの雄叫びを上げると凝縮し、獣の形を取った。と言っても下半身はゆらめく陽炎のようであり、牙を持つ顔だけといった形状だが。


「我ら日陰者の忌み子、その時代がとうとう訪れる。まこと、言祝ぐべき日だ」
死霊術師の感極まる声に、ノルドたちの悲鳴が次々に重なる。


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こうして大広間は、生者と死者の断末魔に満たされてゆくのであった。




・・・




包囲を逃れたイェアメリスたちが飛び込んだのは、宮殿東翼の一室であった。大広間ほどではないがかなり開けたスペースにテーブルが並び、奥にはバーカウンター、そして別の壁面には武器ラックや個室の入り口が並んでいる。生活感の溢れる部屋だ。


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彼女たちはテルミンの話していた宮殿の大まかな配置から、いま居る場所が東翼の二階、衛兵詰所だと特定した。本来ならば兵たちがたむろしているはずの宿舎。飛び込めばただでは済まないはずだが、予想に反して彼女たち侵入者を迎えたのは静寂であった。


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衛兵たちは出払っているのか殆ど誰も居ない。そのことが十分緊急事態を物語っていた。


「くそっ!」
憤りの声が上がると、バーカウンターに向かって椅子が宙を飛んだ。アスヴァレンは蹴飛ばしただけでは事足りぬのか、次の標的を探していた。


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「くそっ!」
再び罵声を上げる錬金術師に、イェアメリスは寄り添った。


「あなたのせいじゃないわ」


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彼が怒りにまかせた行動をするのは珍しい。アスヴァレンはアルフレド達を危機の中置き去りにしなければならなくなったことを後悔していた。ジェミナスがいくら古代の盾の姉妹だとしても所詮はゾンビだ。アルフレドやテルミンが後れを取るとは思えない。しかし異形の左腕を持つウルーモルスと、更には死者の行進も加わってしまった。残された二人の戦いが絶望的なものであることは、口に出さずとも皆が分かっていた。


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「首を貫いたって言ったじゃない。誰だって普通は死んだと思うわ」


しかし彼は拳を握りしめていた。
「痛みを感じていない時点で気付くべきだった。オレのミスだ」


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怒りのはけ口として対峙した相手を始末し損ねて逆に仲間を危険に晒す、そんな醜態を演じてしまったことを、彼は呪っていた。
イェアメリス自身もアルフレド達を置き去りにせざるを得なかったことをまだ消化できていない。そんな状態ではどう声をかけても慰めにはならない。込み上げてくる苦いものと戦っていると、そんな逡巡を吹き飛ばすような気の抜けた声が部屋に響き渡った。着いてきたネッチが鳴き声をあげたのだ。


「ぷおっ」


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何事かと振り返ると、ネッチの子供は仮眠用のベッドが並んでいる部屋の片隅に漂ってゆく。釣られて目で追った彼女たちは、その先にポツンと取り残された男が一人、ベッドの上で半身を起こしてこちらを見ている事に気づいた。


なんとなく見覚えのある風体。彼女は金色の目を細め、そして思い出した。一人部屋にいた男は、ヨルグリム湖畔、竜の墓で助けた番人ヨランであった。


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「おおっ? あんた・・・吸血鬼の。それに、ちっこい嬢ちゃん」


ヨランはイェアメリスとブラッキーを見て驚きの表情を浮かべた。そして二人を何度も交互に見て、納得したように何度も頷く。

「二人揃ってるってことは・・・」


「ええ、あなたの忠告どおり、仲直りしたわ」


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「ねぇちゃん、忠告って?」


首を傾げるブラッキーには答えず、イェアメリスは身を乗り出した。
「それよりここはどこ? どうしてあなたが居るの?」


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「どこって、見ての通りの兵舎、衛兵の詰め所だろ。そっちこそなんだって窓から現れたりするんだよ」


「あたし達のことはいいの。今聞いているのはこっちよ」
置いてきた後ろを引きずるよりは遥かにマシだ。彼女はやや食い気味にヨランに突っかかった。


「相変わらず一方的だな・・・」


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彼はイェアメリスたちに救われ、ウインドヘルムの門までたどり着いた後、兵士の宿舎に滞在することを許されたという。こんな有事に見知らぬ者がよく入城を許されたと驚く彼女たちにヨランは頭をかいて白状した。


「ほら、俺達を連行したストームクロークの隊長、ハラシュとかいうやつ居ただろ。あいつ軍の物資を賭け事のカタに取られたとかで、失点を取り返す手柄を欲しがってたんだよ」


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彼はステンダールの番人として活動していたペイル南部の情勢に詳しかったため、情報提供者としてハラシュ隊長に取り入り、こうして寝床までせしめて居着いたのだという。


「ステンダールの正義にかけて、一度助けた怪我人をわざわざ放り出すことはないだろう? もっとも彼らの神はタロスだが」自らの折れた脚を指さしてみせている。イェアメリスが応急手当てした足の予後は順調のようだ。


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「あっきれた。要領良すぎるわ。あなた本当に番人?」


「元傭兵だからな」


「盗賊の間違いじゃなくって?」


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疑わしそうにヨランを見ていると彼は居心地悪そうに彼は身じろぎした。「それより、いったい何が起こってるんだ? なんでこんなに慌ただしい?」普段はこの詰め所は多くの兵が生活しているが、ほんの少し前に皆慌ただしく出動してしまったという。


「ウインドヘルムは襲撃を受けているの」


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そういった矢先、鈍い爆発音が聞こえて床と天井が揺れた。もう聞き慣れた音、アッシュ・スポーンの自爆音だ。耳を澄ますと、武器がぶつかる金属音が、そして戦いの叫び声がかすかに聞こえてくる。


「な、なんだ!」


イェアメリスは吸血鬼の感覚を総動員して、周囲の空気を感じ取った。


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「な、なぁ・・・」


「黙って!」


牢や尋問室、兵士の居室など、詰め所の出口はいくつもある。イェアメリスはその中の一つを示した。「この先にあるのは何?!」


「大広間だが・・・なぁ、おいって」ヨランは不安そうな表情のまま聞いてくる。


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「ごめんなさい、いま話している暇はないわ」大広間にエランディルたちが侵入したに違いない。彼女はまだろくに動けないヨランを諭した。「ここでじっとしていれば・・・運が良ければ助かるわ」前回とは違う。これから戦いに行こうというときに怪我人を担いでは行けない。


「ちょっと待てよ。運って?! 襲撃? 帝国軍か?!」


しかしそれには答えず、四人と一匹・・・子ネッチもついてきた・・・は叫びのする方を目指して、階段を駆け下りていった。


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イェアメリスたちが大広間についたとき、そこはすでに戦場と化していた。


二日前に滞在したときの、どこか張り詰めながらも意気を上げるノルド達の姿は跡形もない。あるのはただ騒乱そればかり。どこから湧いたのかスケルトンやアッシュスポーンがそこかしこに蔓延り、衛兵や従士、私兵たちと戦いを繰り広げている。


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広間にエランディルは見当たらない。代わりに玉座に一人の死霊術師が陣取り、殺戮劇を見下ろしていた。


ブラッキーがあっと、声を上げる。

仮面の死霊術師は氷室でエランディルと共に居た男だった。


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本来ウルフリックの座るべき座を占拠されてノルドたちも黙ってはいられない筈だが、彼らと玉座の間を死者たちが阻んでいる。

眼前の戦いを気怠げに眺めながら、だらしなく玉座に座った死霊術師は、しきりと何やらボソボソ呟いている。いや、呟いているのではない。玉座の斜め後ろに漂うなにものかと言葉を交わしているのだ。


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(あれは!)


イェアメリスたちは目を見張った。そこに居たのは、宮殿前広場で一瞬現れて彼女たちを驚かせた黒い影だ。ときおり意志ある獣の顎のような姿を象る。悪霊か何かだろうか。


「エランディルの前に、あのふんぞり返っている奴を始末しねぇとならなさそうだな」ベアトリクスが距離を図っている。どこからこの乱戦に飛び込んでやろうかウズウズした様子だ。


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ブラッキーの方も同じく戦闘態勢万全だ。
「このスケルトンと灰色のやつも邪魔だね」


「ああ、いいかげん見飽きたな」


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イェアメリスは防戦するノルドたちを見渡した。形勢は良くない。奥に行こうにも、このもつれた戦いをすり抜けていくことが可能だろうか。「アッシュ・スポーンがこんなに。いったいどこから・・・」


「現場調達だろう」隅に転がったストームクロークの戦死者を指さしたのはアスヴァレンだった。「こいつのように、運良く逃れられなかったのがあれらだ」


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運良く・・・というのが”黙って殺されたままの”という意味だと悟って彼女は声を震わせた。


「あたし達は、大丈夫よね?」


「ああ、化け物になることはないはずだ。だが俺のように意識を失うかもしれん、身体に触れないようにしろ」アスヴァレンはソリチュードでこの薬を直接摂取させられ、洗脳の後にエランディルの手駒にされた過去を思い出させた。


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「それよりもスケルトンだ」


錬金術師はゼードの呼び出した骸骨達の数を数えながら首をかしげている。

「話には聞いていたが、あの数は異常だな」なにか邪なアーティファクトなど、補助器具なくてはこう言った召喚は数体までが限度の筈だと彼は言った。


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「それにあの影はなんだ? ・・・自らに悪魔でも取り憑かせているのか?」


「取り憑くって、そんな」
イェアメリスは思わず自分の鳩尾に目をやった。かくいう自分も少し前まで呪いのヴィーシュクリールに取り憑かれていた身だ。それに闘技場での彼女は獣憑き(ベルセルカー)の異名で呼ばれてもいた。憑依という言葉にはどうしても反応してしまう。


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モロウウィンドでは祖先の霊を崇め、時には自らに降ろして守護とする習わしがあるとアスヴァレンは言っていた。


魔術か、神の仕業か、はたまた病んだ心の見せる幻覚か、原因は様々だが生き物に何かが取り憑くというのはそれほど珍しいことではないのかも知れない。しかしみていて気持ちの良い物ではない。ゼードの後ろに漂う悪霊は、戦場に現れるという不吉の先触れ、死の影とはまさにこのようなものだと言わんばかりの姿をしている。イェアメリスは嫌な予感がしてならなかった。玉座の死霊術師は野放しにしておくには危険すぎる。


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「何にせよ、潰しちまえばいいんだろ」
ベアトリクスが荒っぽい解決策を提案すると、早速飛び込もうとする。イェアメリスはそれを制すると剣を抜いた。


「あたしが行くわ」
彼女は先頭に立った。「もし薬が残っていたら・・・もし浴びせかけられたら・・・灰色になったあなたとは戦いたくないもの」


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「そういうお前の方は大丈夫なんだろうな。またへたりこんだり・・・」


彼女はベアトリクスの危惧を一笑に付した。
「こんなところで足踏みしていられない。さっきみたいな醜態はみせないわ」マーにロルカーンの涙は効かない。悪影響はあっても化物に変貌したりまではしないと告げる。


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「なら、鏃(やじり)はお前だ。俺たちは周りの奴らを叩き潰して隙を作る」


「あの霧は精神的な存在かもしれん。モヴァルスの例もある。何をしてくるか解らんから気をつけろ!」アスヴァレンはそう警告すると、自身も剣を抜いてベアトリクスに並んだ。


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イェアメリスたち新たな乱入者が、大広間の戦いに飛び込む。


今にもやられそうなストームクロークの前に躍り出ると、彼女はアッシュ・スポーンに切りつけて押しやった。できたスペースにベアトリクスとブラッキーが入り込むと、周囲を牽制する。
洞窟の時と違い、身体が軽い。摂取した血の効果はてきめんであった。アスヴァレンも加わって、戦列を維持する余裕が生まれると、イェアメリスは冷静に辺りを見回した。


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少し先ではノルドの生き残り達が戦っている。その一団は奮戦していたが、一人が倒されて動きによろめきが生じた。アッシュ・スポーンとスケルトン達がその一団に殺到しようとするとき、彼女は自分と玉座を結ぶ線が生まれたことを見逃さなかった。


イェアメリスは隙間からが飛び出すと、一直線に玉座へと向かう。少し遅れてブラッキーもそれに続いた。


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「あっ、おいっ! 迂闊に・・・」
ベアトリクスが声を上げたときには二人は玉座に向かって突進していた。


「なんだ、新手か?」
急に迫ってきた者達を見て、ゼードは護衛のスケルトン・ガーディアンを二体けしかけてきた。ガーディアンの一体は盾持ちの重装備だ。


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「ねぇちゃん、ちょっと下がって!」


ブラッキーは姉を守るように一歩先に出ると、わざとその二体の間に身を置いた。


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そして攻撃が振り下ろされる直前に後ろに倒れ込むようにバックステップする。


人間の戦士だったら躊躇するところだろう。しかし骸骨戦士たちには互いを慮る習性などない。イェアメリスの眼前で、標的を失ったスケルトンは派手な音を立てながら交錯した。


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「今だよ!」


一瞬生まれた隙を、姉は見逃さなかった。
妹の意図を汲んだイェアメリスはもつれたスケルトン・ガーディアンに脚をかけた。吸血鬼の身体能力が上乗せされた彼女には容易い。軽く跳躍すると玉座に肉薄する。


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「くそっ、これでも喰らえっ・・・」


防御を破られたゼードは咄嗟に氷魔法を放つ。


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「ぬぐっ!」

しかし呻き声を上げたのは彼の方だった。


放った氷の矢はイェアメリスに突き刺さることはなかった。スペルカウンターによってはじき返され、自らの身体に突き刺さったのだ。


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「終わりよ!」


闘技場仕込みの剣が突き出され、ゼードの胸を貫く。

イェアメリスの剣は、そのまま背後の玉座に突き当たって鋭い金属音を上げた。


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彼女は背後でブラッキーがガーディアンを屠ったのを感じると剣を引き抜いた。


玉座周辺での戦いに片が付いたのを見て、ベアトリクスが呆れたように呟いている。
「あっけねぇ・・・あいつら、もう殺しちまった」


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「そのようだな」


アスヴァレンも肩をすくめると女騎士に同意した。

「アルフが言ってた、なんだ・・・盾の姉妹といったか? まさにそんな感じだな」


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「これでもう広間のアンデットが増えることはないんだろ?」


「そのはずだ。まとめて消えてくれるといいが・・・」彼はそう言ったが、幻影とは違い既に召喚されてしまったスケルトンたちは消えもしなければ戦いを辞めもしなかった。そしてアッシュ・スポーン達が人間に戻ることも。
「そう楽をさせてはもらえんようだ」


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彼は女騎士と並び、制圧した玉座を横目で見ながら残りのアンデット達と対峙した。


玉座の前では、イェアメリスが倒したゼードを見下ろしていた。どんなに卓越した死霊術師といえども、生身の人間には変わらない。念動力で弾かれたり、ストーンフレッシュで阻まれたりするかとも思ったが、二手目を打たせない彼女の素早さには対応できなかったようだ。


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駆け寄ってきたブラッキーは、称賛の目で姉を見上げている。


「調子戻ったね! でも、姉ちゃんいつの間にこんな戦えるようになったのさ」


「えっと、これでもいちおう黒檀等級まで上がったのよ・・・」


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「黒檀って言ったらグランドチャンプの座を争う階級だろ? ホントに?」


まるで隠しごとを揶揄するような口調に、イェアメリスは少し頬を染めた。


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自分たちが無事である事を後ろの仲間たちに合図しながら、彼女は冗談めかして言う。

「でも、グランドチャンピオンはあそこにいる人が細切れにしちゃったから、勝敗無くなっちゃったじゃない」


「はは、そうだったね」


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少女も闘技場での救出劇を思い出しているようだ。鬼神の働きを見せたアスヴァレンによって、マスクロフトは文字通り細切れに”解体”されたのだった。

「それにしても、血の力ってすごいなぁ・・・。ボクも今度から、お腹すかせた吸血鬼には気をつけないと」


「んもう・・・なによそれ、あてつけ?」


「船で演じた魔女、すごかったじゃん」


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「あっ、あれはみんなが無理やり・・・」


頬を膨らませると、彼女は気を取り直して大広間を見渡した。ゼードを倒したとはいえ、謎の黒い魔物が居る。まだ戦いの最中だった。アスヴァレンとベアトリクスのところは大丈夫そうだ。彼女たちは、どこに加勢しようか考えている背後で、魔物の足元?から黒いものがモクモクと湧き上がり始めていたことに気付かなかった。


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離れた所からの方が良く見える。


「ブラッキー! メリス!」
アスヴァレンが警告の叫びを発したが、時既に遅く、黒い霧が二人を包み込んでゆく。


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「うわっ、なに?!」
黒い霧がゼードの死体から吹き出し、ブラッキーの声がかき消される。手を差し伸べようとしたイェアメリスも同じで、二人は揃って闇に飲まれてしまった。


「グゲ・・・ゼードの奴、こんなに簡単に死にやがって」


「だれ?!」


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ブラッキーは闇の中で左右を見た、が、当然なにも見えない。そんな中、声だけが聞こえる。


「ケケケ・・・俺様はイェゾ。おいチビスケ、力が欲しくはないか?」


語りかけてくる声に向かって、ブラッキーは尋ねた。
「お前、デイドラなの?」


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「ケッ、質問に質問で返すたぁ、生意気な奴だ。まぁいい」


「ボクなんて食べても美味しくないよ」


「食べるんじゃねぇ。食べる? いや、少しだけ命はもらうがな」

イェゾの声に微かな焦りがあるのをブラッキーは感じた。


「そうしねぇと俺様は死んじまうんだ。その身体に住まわせてもらう見返りに力を与えてやる」


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「イヤだよ、ボクはあんな骸骨なんか呼び出したくないし。デイドラの知り合いはもう間に合ってるって・・・」


「ゲゲ・・・おめぇに選択権はないんだよ。早くその身体に入らせろ。ほら」

そう言ってゼードの死体からから分離した悪霊のイェゾはブラッキーの身体に取り憑こうとした。


その途端、小さな火花が走る。イェゾは悲鳴を上げた。


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「なんダァ? 障壁? このチビ、俺様を拒もうってのか」


イェゾの悪態を聞くと、ブラッキーは闇の中その声に向き合った。何も見えないはずだが少女の目は精神体であるイェゾをしっかりと見据えていた。そして口を開く。しかしその口から出てきたのは、少女の姿にはまるで似つかわしくない、老人のようなしわがれた声であった。


「ホ、ホ・・・余の大事な目をくれてやるわけにはゆかぬ」


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弾かれたようにイェゾを構成する霧が揺らいだ。
「お前は・・・まさか知識の悪・・・」


「すれ違う妹は余の物じゃ。まだまだ面白いものを見せてくれる予定ゆえ。おぬしの席はないぞ・・・ホホ」


その声を聞くと、イェゾはまるで苦いものでも吐き出すかのように、霧の中からブラッキーを放り出した。


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「クソっ、この小娘はダメだ。・・・ならもう一方を・・・。エルフは好みじゃねぇが選んじゃいられねぇ・・・」

ブラッキーに取り憑くのをハルメアス・モラに阻まれた悪霊は、今度は同じく取り込んだイェアメリスに標的を定めた。


イェアメリスもまた、ブラッキーと同じように上下の感覚がない闇に囚われていた。すぐ側に玉座が有ったはずだ。それに掴まり平行と保とうとするが、伸ばした手は空を切ってしまう。無重力状態のように回転を始めた身体を止めることができず、彼女は闇の中を漂った。
モラグ・バルの陵辱門に引きずり込まれる前に漂っていた空間を思い出させられる。しかしこの空間には出口らしきものは見当たらなかった。


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「オイ、女。ここから出たいか?」


「だれ、あなた!」


「イェゾだ。俺と契約しろ。そうすればここから出してやる」


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悪魔は囁く。「生命力をもらう代わりに、力をやろう。お前の中に住まわせろ」


イェアメリスは漂ったまま、周囲の闇に向かって反論した。
「おあいにく様・・・あたしはもう死人なの。モラグ・バルにすべて持って行かれてしまって、吸い取る生命なんて残ってないわ」


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「ゲゲ・・・構わねぇよ。吸血鬼に命はねぇだろうが、人から奪った分があるだろ。それを少し分けてくれりゃぁいいんだ。ゲゲ・・・オメェだって生きるために命を啜るんだろ」


かつて彼女を蝕んだ呪い・・・ヴィーシュクリールは犠牲者の魂、魄エネルギーを掠め取って生きる寄生体だった。吸血鬼はモラグ・バルに捧げた魄エネルギーを他者の血から補って生きている。この悪魔も似たようなものなのかも知れない。普通であれば恐怖すべき場面で、イェアメリスはやけに冷静に分析している自分を感じていた。


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しかし悪魔は引き下がらなかった。
霧が凝縮して彼女を押し包み、全身の毛穴から無理やり押し入ろうとする。彼女は上下も分からない無重力の中で身をよじって抵抗した。


「やだっ! 来ないで!」


「イヤだね。もう諦めな。一緒になろうぜ」


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霧がさらに濃くなる。すると悪魔の侵入に抵抗するようにイェアメリスの身体が光を帯びた。その熱量にイェゾがひるむのが感じられる。続いて、イェアメリスはヒステリックな怒声を聞いた。


「無礼者!」


聞こえたと思った声は、自分の口から発せられていた。
イェアメリスの口から出た口調は明らかに普段の彼女の声とは異なっている。自分の口を借りて誰かが話している?!


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声の勢いに圧されたように霧が揺らめく。悪魔は不思議な力に阻まれていた。
イェゾと謎の女の声、不可視の存在たちが自分を巡ってせめぎ合っているように感じられ、彼女は全身に鳥肌が立つのを感じた。ここまで冷静だったイェアメリスは、恐怖が背筋に這い寄ってくるような感覚に囚われた。


「妾の先約に割り込もうとは許しがたい。消えよ!」


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女の声が一喝すると、イェゾの声から余裕がなくなってきた。


「先約だと?! クソっ、クソっ、どうして・・・誰か代わりを探さねぇと・・・」
イェゾは強力な悪霊であったが、ニルンにおいては召喚されたデイドラとは違い他者に取り憑くことでしか生きることができない。そしてその依り代から遠く離れて移動することもできなかった。


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謎の声は自分を助けてくれたのだろうか? 誰だかはっきり分からないが、仄かな懐かしさと底知れぬ恐ろしさがない交ぜになった声を彼女は知っているような気がした。


(あなた・・・、もしかして・・・)


イェアメリスは自分を助けてくれた声に、闇の中で尋ねた。それを発したのは自分自身だから、心の内に問うたと言ってもよい。しばしの沈黙。そして再び自分の口から声が出る。


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(シッ、口にしてはダメよ。せっかくできた縁が逃げてしまうわ。奇跡ですもの。大事に育まなくっちゃ・・・)


イェアメリスを包んでいた光はより強固なものとなり、イェゾの闇を炙り始めた。やがてそれに耐えられなくなったかのように、イェゾは彼女を吐き出した。




・・・




「おい、これ、ヤバいやつじゃねぇのか?」


二人は黒い霧に飲まれてなかなか出てこない。
アッシュ・スポーンとスケルトンの残党に阻まれながらも、玉座まであと少しというところまで近づいたベアトリクスは、黒い霧を前にアスヴァレンに問いかけた。


「中のあいつら、大丈夫だろうな?」


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手を伸ばしかけて止める。二人のように吸い込まれてしまうかもしれない。

すると、いきなり霧の中からブラッキーが転がり出てきた。


「ブラッキー、無事か?」


少女は身体のあちこちを触ってみた挙げ句、頷いた。「無事・・・だと思う」


「メリスは? まだ中か?」


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そう言うや否や、今度はイェアメリスが吐き出されてきた。呆然としている彼女は、自分に呼びかけるパートナーの声でようやく我に返った。そして彼女はブラッキーが同じように脱出できているのを見て胸を撫で下ろした。


「中では何があったんだ?」


「真っ暗で何も見えないんだよ」姉妹は交互に頷いてみせる。ブラッキーは少し興奮したように説明した。「へんなお化け?が出てきて乗り移ろうとしたんだけど、身体からはじき出されちゃったんだ」


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「メリス、お前もか?」


イェアメリスは話題を自分に振られて言葉に詰まった。

別の存在が現れて命拾いしたなどとどうして言えよう。そしてその存在が、狼の女王のように思えたなどと・・・。


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沈黙が長くても変に思われる。彼女は慌てて取り繕った。

「え、ええ。良く覚えていないのだけど、とにかく悪霊はあたし達には入れなかったみたい」


「よく分からんが・・・とにかく無事で良かった」


そんなわずかな時間の間に、彼女たちの眼前で、霧は力をなくしていった。


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二人が持つ謎の斥力に阻まれたイェゾは、苦しみに揺らいでいた。


実体を以て召喚されるデイドラなどとは違い、悪霊や霊魂は依り代がなければ数分と留まることができない非常に不安定な存在だ。霧の悪魔は必死に取り憑く先を求めたが、このように危険な黒い霧に、自ら好んで近寄ろうとするものなどいなかった。


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イェアメリス達がしばらく見守る中、イェゾを構成する黒い靄はやがて霧散してしていった。念のためアスヴァレンが生命探知と死体探知を試すが、反応したのはゼードの死体だけであった。


悪魔イェゾはどこだか分からないが間違いなく、その属するオブリビオンに旅立ったようだ。


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主を失ったアンデット達は明らかに勢いを削がれ、逆にノルドの生き残り達は勢いづいていた。こうなれば時間の問題だ。彼女たちが手を下すまでもないだろう。戦いから少し退いて息を整えていると、私兵だろうか、数人のノルドがこちらに近寄ってくる。


「ブラッキーじゃないか! それにあんたたち、助かったよ」


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声をかけてきたのは、ソラルド・グレイ・メーンであった。横には兄のアヴルスタインと、仲間の戦士ヴィットラルドもいる。サルモールに公然と楯突いてノースウォッチ砦を脱走し、ホワイトランに戻ることが危険になった彼らは、流れ着いたイーストマーチでストームクロークに参加していたのであった。


話しかけてきたアヴルスタインはブラッキーから順に目を走らせるが。やがて身を強張らせると黙り込んでしまった。


グレイ・メーンの男は混乱していた。
見たことのない女騎士はともかく、ノースウォッチ砦で自分たちを助けてくれたブラッキーと、その自分たちを阻んだダンマーの男が一緒にいるのだ。


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「アスヴァレン、だったな? お前はいったい・・・」


アスヴァレンはソラルド救出の仲間だったはずだが、集合場所に現れなかっただけではなく、砦の中でサルモールと共に脱出の妨害をしてきた過去がある。洗脳されたゆえの行動とはいえ、事情を知らない彼らにしてみれば、この錬金術師は裏切り者にしか見えなかった。


「ショールの髭にかけて、どう言うことだ? 錬金術師」


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睨みつけていても解決しないと思ったのか、彼は問いただしてきた。
それに対しアスヴァレンは素直に頭を下げた。


「あの時は済まなかった」


横で聞いていたイェアメリスは、自分が謝らなければと口を開きかけたが止められてしまった。


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アスヴァレンがサルモールに操られる羽目になったのは、そもそも彼女が原因だった。彼女が呪いによってサルモールに使役されていることを黙っていたせいだ。


しかし今それを言ってもアヴルスタイン達の混乱に更に拍車をかけるだけだ。


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「お前たちを救う作戦の筈が、サルモールの術中に嵌められ逆に危険に晒してしまった。アズラにかけて、申し開きの言葉もない」


「裏切ったのではない、と。タロスにかけてあんたは・・・味方、と思っていいんだよな?」


「ああ、今は正気だ。お前たちの父親の剣、スカイフォージの鋼に誓って、敵ではない」


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彼はそう言うと、これまで苦楽を共にしてきたエオルンドの剣を掲げて見せた。


「ここに来たのはこの襲撃を企てたサルモールの魔術師を止めるためだ」


「・・・」


そう言うと錬金術師は押し黙った。自らの引き起こしたエリンヒルでの出来事を噛みしめているのだろうか。


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アヴルスタイン達はしばし顔を見合わせた。そして兄の代わりに返事を返してきたのは弟のソラルドであった。


「俺は信じるよ」


「ソラルド!」
グレイ・メーンの兄はまつろわない様子だが、弟の方は素直に感謝の意を見せた。


「アニキ、実際いま今こうして助けてもらったわけだしな」


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広間を見渡すと、戦いは助力を受けて劣勢を覆したノルドの勝利で終わりかけている。もう大丈夫だとみたソラルド・グレイ・メーンはイェアメリスに聞いてきた。
「あんたイェアメリス、だったな。イドラフさんは元気か? それにアルフレド達も」


「ええ、イドラフさんは今カイネスグローブにいるわ。仲間と一緒に、帝国軍から住人を避難させる協力をしているの」


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そこまで言ってイェアメリスは言い澱んだ。「でも、テルミンとアルフさんは・・・」


「アルフがどうかしたのか?」


イェアメリスは伏し目がちに、大広間の向こう側、外に繋がる扉を指し示した。エランディル達に放火された炎を消し止めようと、ストームクロークたちが何人か集まっている。


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「アルフさんたちは・・・あたしたちを進ませるために残ったの。あの向こうに」
イェアメリスは厳しい現実を告げるのを躊躇った。「もう・・・間に合わないかもしれない、でも、せめて、せめて遺体だけでも・・・」


「遺体とか言うな! あいつが死んだってのか!」
激情家のアヴルスタインが怒鳴り声を上げる。


「・・・」


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イェアメリスが小さくなっているのを見て、アヴルスタインは声を落とした。
「す、すまない。怒鳴って悪かった」


「もう一人奥に行ったはずだ。その男が元凶だ。俺たちはそいつを止めに来た」


「誰だそいつは」


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「エランディル・・・サルモールの急進派で、人を化け物に変える薬をつくってノルドを殺戮し・・・」


アスヴァレンが説明している間、イェアメリスは再び吸血鬼の感覚を総動員して、宮殿の内部を探る。西棟の上層で騒ぎが移動しているのが感じられる。アスヴァレンの腕に手を添えると、錬金術師は話を中断して頷いた。時間を無駄にはできない。最後の戦いを終わらせなくては。


「行きましょ、エランディルはきっとこの先にいるわ」


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アヴルスタイン達に後の始末を頼むと、彼女たちはエランディルを追い始めた。




・・・




作戦室は軍議の途中で放り出され、卓上の地図はところどころ焼け焦げている。数日前に訪れてウルフリックと話した部屋を足早に通り過ぎると、彼女たちは石造りの廊下に出た。その廊下にも事切れた衛兵が転がっている。


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宮殿内でエランディルを追うのはたやすかった。なぜなら、彼が通った後には必ず死がまき散らされていたからだ。

前に訪れた作戦室、そしてその奥扉から繋がる西棟の通路。エランディルはウルフリックを探しながら宮殿内を奥へ奥へと進んでいったようだ。


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その通過した後に残されるのは死と恐怖。辛うじて生き残った者達は、彼女たちに助け起こされると、炎に包まれた城の中を、背後にアッシュスポーンを引き連れて闊歩する魔術師のことを異口同音に説明した。その様は、物語でしか読んだことの無い、かつてタムリエルに恐怖をまき散らした虫の王マニマルコを彷彿とさせるものであったと。


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生存者から得た情報では、宮殿西棟のほとんどは死者の行進に蹂躙されてしまったが、ウルフリックはまだ生存しており、配下に守られながら後退を続けているとのことだった。その証言を頼りに、イェアメリス達はウルフリックを追って建物の奥へと進んだ。


「ここもやられた後のようね」


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連れてきた側近たちは次々とイェアメリスたちによって排除されてゆく。しかしエランディルにはなかなか追いつけない。彼は残してきた者たちがどうなっているかなどまるで関心がない様子で、奥へ奥へと進んでいた。ヴィだけでなく、ゼードもジェミノスもウルーモルスも、彼にとっては最初から使い捨ての道具に過ぎなかった。


イェアメリスたちが覗き込んだ寝所は既に制圧され、数名の死体と血のり、火の手でおおわれていた。ここにもウルフリックは居ない。より奥の方に逃れたようだ。


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ベアトリクスが尋ねてくる。

「ウルフリックを助けるつもりなのか?」


「たぶん・・・」


「多分? なんとも煮え切らない答えじゃねぇか」


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「だって、あたしの目的はエランディルだもの。ウルフリックに関しては・・・エランディルと戦うのだから自動的にそうなると思う、それだけよ」


「ストームクロークに肩入れしているってわけじゃねぇんだな」


「それなら帝国軍にまで警告に行ったりしないわ」


「ちがいねぇ」

ベアトリクスはイェアメリスと関わらなければ、自分も陣地で化け物になって死んでいただろうとうそぶいた。「まぁ、どんな形でも生は生、死は死。あそこで死ななかった俺はお前の剣になるってアカトシュの野郎が定めたのかもな」


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イェアメリスは金色に輝く目を女騎士に向けた。「正直、何が正しいことなのか、あたしには判断がつかないの。ウルフリックにしても、ここでアッシュ・スポーンに襲われて命を落とすのが彼の本来の運命かもしれないでしょ?」


「まぁな。だが俺たちは神じゃぁない。憎い相手、卑劣な野郎を倒しに行く、それ以上の理由が必要か?」


「あなたの言うとおりだわ。知っている人がエランディルのような男の手で死ぬことが気にくわない、きれいごとでも、それで充分よね」


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しかしどうも解せない、これだけの破壊を尽くしてまで、どうしてサルモールはウルフリックに執心するのだろう。


大使館にいるとき、彼女はサルモール幹部達がこのストームクロークの首謀者について言及するのを何度か耳にしたことがある。
ストームクロークが戦えば戦うほど、仮想敵国である帝国の力は弱体化する。そのためサルモールが裏から手を回して敵であるストームクロークを援助している・・・そんな噂がまことしやかに囁かれている。そしてその一部は事実であった。


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テュリウス将軍は直接的軍事行動でストームクロークの外縁部であるペイルを攻略しつつ、情勢にかこつけての東帝都社のウインドヘルム撤退、その後のホワイト川河口封鎖など、イーストマーチへの経済制裁を進めていた。
彼女はこれまで旅してきた先々でストームクロークの困窮を見てきた。それがどれほど効果を発揮したかは、北伐軍が迫る今、ウルフリックの領地がこの首都ウインドヘルム中心の僅かしか残っていないことからも明らかだ。


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しかし、ストームクロークも手をこまねいていたわけではない。様々な無名の商社や旅商人を使ったり、そしてドーンスターの鉱山を失った後には海賊と結託したりしての瀬取りなど、苦心しながらも資源の確保に努めてきた。
サルモールはこの裏ルートに相当量の物資を提供していたのだ。ウルフリックはそのことをどこまで知っているのだろう。まさか本人が直接サルモールと繋がって・・・そこまで考えてイェアメリスは否定した。


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ずる賢いグーンラウグならまだしも、事を成すに当たって敵と繋がる手段を採るほど彼は擦れっ枯らしてはいない。ウルフリック本人がそれをしてしまっては、彼の神性とカリスマ性は失われてしまうだろう。ウルフリックは言っていた。ストームクロークは民意の器なのだと。彼はまだ真っ直ぐさと熱い怒りを滾らせていた。


一方のエレンウェンもストームクロークをうまく利用してやろうとしていた。仮に彼女とウルフリックに何らかの繋がりがあったとしても、今が精算の時期とも思えない。そうなるとサルモールがこれほど執拗にウルフリックを排除しようとする理由が彼女にはますます分からなくなった。


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急先鋒はエランディルだ。彼のことであるから定命の理とは関係のないところで、彼の独善的な思考論理でそうしているのかもしれない。


「メリス、どうした。ボーッとしているぞ」


ベアトリクスに再び指摘され、彼女は顔を上げた。そうだ、今は考えているときではない。帝国、ストームクローク、サルモール、三者の思惑なんてどうでもいいことだ。なんのためにアルフレドとテルミンが自分を行かせたのか。戦いを終わらせるためだ。そのためにここまで来たのだ。


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ウルフリック達はどこまで後退を続けたのだろう。宮殿の奥を進むイェアメリスたちは、西棟から見慣れぬ区画へと足を踏み入れていた。通路の壁は変わらず石でできているが、少し埃を被っている。普段使われていない建屋なのかもしれない。




・・・




古びた通路の中で断末魔の叫びが上がる。
ウルフリックが後退する時間を稼ぐために、決死の覚悟で通路に残ったストームクローク戦士の叫びだ。何組かに別れて通路に陣取り、迫り来る死者の行進を食い止めようとしている。しかし必死の抵抗も空しく、どの一隊も刈り取られる麦穂のごとく壊滅させられてゆく。


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エランディルはその中から数人を選んではロルカーンの涙を与え、気まぐれにアッシュスポーンとして蘇らせ自らの戦列に加えてゆく。ウルフリックに近づくにつれて損耗するどころか逆に人数を増して迫ってくる彼の軍勢は、ノルドたちにとって悪夢に等しかった。


最後の隊が蹂躙されると、エランディルは通路から開けた場所に出た。古の時代、ウインドヘルムがまだ王都であったころ使われていた部屋の一つ。使われなくなって久しい晩餐会の会場で、彼はとうとうウルフリックを補足した。


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「フフ、奥へ奥へと逃げ込むとは、救い難い。尤も、そうせざるを得なくさせたのは吾であるが・・・」灰色の魔物たちを引き連れアイレイドの王を自称するサルモールは、残された抵抗者たちを眺めて笑った。


レイロフ、ガルマル、ヨルレイフ、ウーンファースといったウインドヘルムの幹部、そして僅かな手勢が行く手を阻む。彼らはウルフリックを守ろうと陣を組み、誰何した。


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「貴様、何者だ?」


「吾はエランディル。この地にはびこるノルドの害虫どもを根絶する者なり」
進退窮まったノルド達を、エランディルは芝居じみた仕草で見回した。


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「知らぬな・・・いや、まて。イェアメリス達の言っていたエルフの狂人か!」


「フン、ノルドの猿は礼儀を知らぬと見える。自らの身分が奴隷であったことをもう忘れたようだ。アイレイドの王を前にして頭が高い」


「黙れエルフ。我らの戦いに水を注した代償は払ってもらうぞ」


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ガルマルが怒気を含んだ声で返すが、不利なことは隠しようもない。含み笑いを一つ見せると、エランディルは手勢として連れてきたアッシュ・スポーンをけしかけた。


長らく忘れられていた古の大広間で、塵と埃を巻き上げながら戦いが始まった。


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「下がられよ」


付き従う宮廷魔術師ウーンファースは主人を庇うようにその前に立つと、杖を振りあげファイアボルトを放った。


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射線上に立っていたアッシュ・スポーンが一体爆散し、その煽りを受けてエランディルのマントが激しく揺らぐ。しかしエルフは唇をゆがめるとあざけりの声を上げた。


「これがノルドの魔術か、下らん」


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彼は煩わしそうに埃を払うと、手にしたハートストーンを一つ握りつぶした。すると灰色の化け物が召喚され、破壊された分の穴を埋める。新たな敵はアッシュ・スポーンの人間的な姿とは異なり、細かい岩石や灰が身体のまわりを旋回しているゴーレムのようであった。


「薬で生み出すだけが能ではないのだよ。これがもう一つの姿、アッシュ・ガーディアンだ」


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その化け物は口から灰を吹き出すと宮廷魔術師に襲いかかった。ウーンファースは防御呪文でそれを防ぎ、周囲の兵達が剣で対応する。ノルドたちはガーディアンを抑え込むことに成功したかに見えた。するとエランディルは更に三体、アッシュ・ガーディアンを呼び出して見せる。


「どうなっておるのじゃ。奴のマジカは無尽蔵か?!」
灰のゴーレムが放つ熱波が周囲の空気を焼き、埃が焦げ臭い煙を昇らせ始める。


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最初の一体が従士にとどめを刺され崩れ落ちる。すると死に際に小爆発を起こして炎を放った。高熱のせいで着火しやすくなっていた絨毯や木の柱に引火し、広間には瞬く間に火が広まってゆく。


ウルフリックの左右にはガルマルとレイロフが陣取り、それぞれが指揮する数名の部下達と共に敵を退けている。良く戦うこれらの兵はストームクロークの最精鋭たちだ。

しかし灰色の軍団のほうが数が多い。彼らは通常の魔術師の常識を超え、詠唱もせずに次から次へと手勢を呼び出すエランディルに押され、苦戦していた。


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守りの要のウーンファースはシールドスペルを展開しながら焦りの色を浮かべていた。

相手の火力は高く、召喚も無尽蔵に行ってくる。防御から反撃に転ずることができないのだ。


「貴様らは帝国軍と雌雄を決しようとしていたようだが、どうだね? その矢先に見ず知らずの相手に殺される気分は」


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ノルドたちは奮闘するが、守りはどんどん削られてゆく。ウルフリックは絶望的な状況に自ら剣を取り、ヨルレイフまでもが慣れない武器を振り回している。いつの間にかガルマル、レイロフとも引き離されていた。


「くっ・・・」


「指導者の貴様が暗殺されたらノルドはどうなるのだろうなぁ。考えるだけで心が弾む。そろそろいいだろうか? 偽りの神タロスへの祈りは済んだかね、ンン?」


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エランディルは炎の中、劇を楽しむかのように部屋の中を闊歩した。


「初対面で名残は惜しいが、吾は忙しい。まだ街のノルドを殺し終えていないのだ。ジェミノス達に任せてきたが、吾も戻って手伝ってやらねば。さぁ、ではそろそろ死ね」
エランディルの手に稲光が浮かび上がる。彼はマジカで帯電させた致死の球体をウルフリックめがけて放った。


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「させないわ!」


部屋の入り口から声が響くと、人影が飛び込んできた。ウルフリックは迫り来る雷の魔法を前にして、その人物に釘付けになる。

現れたのはエルフの吸血鬼、イェアメリスであった。


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ウルフリックの前に身を投げ出すように飛び込んだイェアメリスは、手を伸ばすとエランディルの放った電撃の弾を掴んだ。

ジュッという肉の焦げる匂いと同時に手が燃え上がる。しかし構わず握りつぶすと、彼女は腕を振ってその火を払い落とした。そして身を起こすとエランディルの前に立った。


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「む・・・貴様」


吸血鬼の力で焼かれた腕はすぐに復元を開始する。イェアメリスは剣の握り具合で手の回復を確認しながらエランディルを睨みつけた。突然の乱入者に、ウルフリックもエランディルも動きを止めたままだ。そして最初に口を開いたのはノルドの王だった。


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「ショールよ! ソブンガルデから戦乙女を遣わされたか」
ウルフリックが思わず発した言葉を聞き流すと、彼女は吐き捨てた。


「そんな都合のいいものじゃないわ」


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油断なく相手との距離を測っていると、遅れて仲間が駆け込んでくる。彼らはアッシュスポーンの発した火の中を突っ切ると、イェアメリスと並んで、ウルフリックを守るようにエランディルと対峙した。


「吸血鬼が火中に突っ込むなんて、無茶すぎるよ」
ブラッキーの抗議に、アスヴァレンも大きく頷いて同意する。しかし無鉄砲さはイェアメリスの専売特許であった。

宿敵を前にイェアメリスの冷え切った身体は、血が沸騰するような感覚に震えていた。


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「エランディル!」


呼びつけて、再び腹に力を込める。


「エランディル! ・・・とうとう追い詰めたわ!」


黒衣の死霊術師はすごい剣幕をみせる吸血鬼の娘を見ると、少し驚いたような表情を浮かべた。


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「誰かと思えばイェアメリスではないか。奴隷の娘よ、焼け死んでおらなかったか」


「ええ、おかげさまでね。日光浴は中止になったの」


するとエランディルはいやらしい目でイェアメリスを嘗め回した。
「バウラーに回収に行かせたが、自分で歩いてくるとは手間が省けた。自ら再び繋がれに来たのだな。待っておれ、待っておれ。ウルフリックを始末したら剝製にしてやろう」舌なめずりの音が聞こえてきそうな表情だ。


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「趣味の悪さは相変わらずね。逆にあなたをアバガルラスに沈めてあげる」


「まったく、口の減らぬやつよ。だが、ああぁ・・・その強気を手折ることが媚薬のように吾が心を震えさせる。興が乗ってまいった。あ、穴だ・・・穴を選ばせてやろう。内臓を抜くのは上の口からにするか、それとも下が良いか? 剥製・・・早く剥製にして鑑賞、鑑賞ぉを・・・」


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「黙れよ変態!」


聞いていられなくなったブラッキーが、イェアメリスを押しのけて進み出た。こいつがエランディル・・・。姉を散々苦しめた相手を前に少女は怒りに身を震わせ、今にも掴みかからんばかりの勢いだった。勝手な妄想に陥りかけていたエランディルはその声に我を取り戻すと、不思議そうな顔をした。


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「・・・しかし、宮殿の門はジェミノスに守らせていたはずだが。どうやって入った? 大広間にもゼードとイェゾを残していたはずだが・・・」


ブラッキーは嫌味たっぷりに答えた。
「ねぇ、青白いおっさん。あんたが思っているのが、もし大広間で偉そうにしていた奴のことなら居眠りしてるよ。玉座が心地よすぎて、もう二度と・・・そう、永遠に起き上がりたくないんだってさ」


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「なに?」
エランディルの目尻がピクリと痙攣する。
「ゼードの奴、イェゾまで宿していながら負けたというのか」


「いいからおっさんも、もう死になよ、手伝ってあげるからさ」


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「下郎め。まぁよい、ゼードを倒したところで、吾に敵うと勘違いでもしたか?」


「勘違いかどうか、思い知らせてやるよ!」


返事は強力な魔法であった。
エランディルは手のひらに火球を呼び出すと、一行に向かって放つ。エクスプロージョンだ。


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「危ない!」


避ける間もなく彼女たちは爆発に巻き込まれるが、寸でのところでイェアメリスのスペルカウンターにより難を逃れた。逆流する爆風にエランディルが飲まれる。


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「ブラッキー、挑発しすぎよ」


「だって、腹立つじゃん。ねぇちゃんをあんなにいじめやがって・・・」


イェアメリスは妹の吐露した胸の内に微笑みを返すと、すぐに真面目な顔に戻った。


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新たに入った邪魔に対してエランディルはどうしたものかと値踏みしている。彼の目はウルフリックとイェアメリスの上を何度も行き来していた。ノルドたちが互いを助け起こそうとしているのを視界の端に捕らえると、イェアメリスは時間稼ぎを試みた。


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「なぜこうまで執拗にウルフリックを狙うの?」


北伐軍とストームクロークを共倒れさせるのがサルモールの最善手の筈。しかしその両者の陣地に自ら乗り込んでまで殺戮を巻き起こしてしまっては衝突の勢いを削ぐことになってしまう。エランディルの行動はサルモールの利にならない様に思えてならなかった。


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かつての部下の問いかけに、青白いエルフの魔術師は首をかしげた。


「なぜウルフリックを追うか、だと? お前たちはここがどこだか分からぬのか? ウインドヘルム・・・ウインドヘルムだぞ」エランディルの表情が疑問から怒りに変わってゆく。「ここは汚らしいノルド共の祖先が、我ら高貴なマーの兄弟を奴隷としてうち立てた都だぞ!」


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”帰還の歌 第19巻 - イルガーメットの2番目の物語”にも、捕虜となったエルフがウインドヘルム建築のため石を作り出す作業に当たらされたとある。彼らは街の建設中に、ノルドたち征服者との戦いに倒れた数と同じぐらい命を落としたという。


「吾には聞こえるのだ。極寒の地下牢に繋がれ、食事も満足に与えられずにただただ石を積むことを強いられた兄弟の苦悶が。都が完成した際、人柱としてそのまま地下に封じられ、忘れ去られたマー達の叫びが」


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アイレン女王が率いた第一次サルモールより現在まで、彼らの教義において八大神は容認されてきた。しかし自らアイレイドの末裔を称するエランディルのような一部の極右派はそれさえも認めず、八大神の成立こそがマンに破れたマーの汚点だとまで考えている。
彼らはシェザール(ロルカーン)の陥穽により自らを神の子と錯誤した奴隷の女王アレッシアにより、神アーリエル(アカトシュ)がマーから奪われたと信じて疑わなかった。


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「吾は誓ったのだ。シェザールの陥穽に連なるマンどもは存在そのものが罪深い。ゆえにことごとく死なねばならぬ。我らから奪われし神を取り戻すため、アレッシアの血脈、それを受け継ぐタロスの血脈、そしてシェザリン(ドラゴンボーン)などと言う咎人の残滓どもはすべて排除抹殺するのだ!」


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エランディルが独自の宗教観を語り始める間、イェアメリスは立て直しを図ろうと仲間に耳打ちした。


「ここは守りにくいわ」

彼女の言うとおり、かつての広間は開けすぎていて数の多い敵に有利だった。


アスヴァレンは出口を確保するレイロフたちを振り返った。
「通路に下がるぞ」


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このままここに居ても炎に撒かれてしまう。錬金術師は部屋を見渡すと広間の隅、入ってきたのと反対側の通路を指した。「あそこだ。敵の数を制限しながら後退するんだ」


「しんがりってヤツだね」


「ああ、やれるか? 魔法はメリスが防げ」


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力強く頷く姉妹に笑みを返すと、アスヴァレンは女騎士に言い含めた。
「ベアトリクス、ウルフリックを頼む」


「マジかよ」女騎士は肩をすくめた。「・・・ふぅ、まさか北伐軍の突撃隊長さまがターゲットその人の護衛につくとはな。タロスも驚いてエセリウスから降りてくるんじゃねぇ?」


「アズラにかけて、降りてこられるなら今すぐ降りてきてもらいたいぐらいだ」


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「・・・」


切れ味の悪い冗談を交わす彼らの後ろで、守られる男ウルフリックは黙り込んでいる。


「あんだよ! 悟ったような目で見てるんじゃねぇ、てめぇの命だぞ。大将なんだろ?」


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微妙な表情でまじまじと自分たちを見るウルフリックに毒づくと、ベアトリクスはウルフリックを乱暴に小突いて通路に飛び込んだ。


慌ててストームクロークたちがそれに続く。ノルドたちと合流したイェアメリスたちは、宮殿の古い通路で後退戦を繰り広げることとなった。


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隣にきたアスヴァレンに、ブラッキーは下がりながら小声で耳打ちした。
「ねぇ、気になってたんだけど・・・ねぇちゃん首輪したまま魔法使ってなかった?」


「ああ・・・」


「あれって魔法使えないんじゃなかったっけ」


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「そう記憶しているが」


言われてみれば灰色地区を封鎖するバリケードを破壊したときも、彼女は首輪をつけたままだった。効力が落ちてきているのだろうか。

彼女のしているササーニアの首輪は、本来は囚人の魔法を阻害し、逃亡を防ぐ懲罰具のはずだ。


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訝しげな目線を二人から受けたイェアメリスは、何を噂されているのか分からずに首を傾げた。


「何の話?」


「何でもない。ほら、あおりが来るぞ、シールドを切らすなよ!」


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アスヴァレンは顔を出したアッシュ・スポーン一体を切り倒し、その死体を蹴り飛ばす。うずくまったそれはチリチリという音を立て、次の瞬間爆発した。その先に居た何体かが巻き込まれて連鎖爆発を起こす。狭い通路で圧縮された爆風は恐ろしい力となり、空気の塊となって敵味方に襲いかかった。シールドでも耐えきれずに、三人は後方に吹っ飛ばされた。


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「大丈夫か!」
イェアメリスはアスヴァレンに助け起こされると耳を押さえて何度かめをしぱたいた。隣で妹の声を聞くと急いで駆け寄る。


「・・・いたた」
また尻餅をついたブラッキーがよろけながら立ち上がろうとするのを助けると、彼女たちは休む間もなく通路を急いだ。




・・・




死者の行進を抑えながら通路を下がるイェアメリスたちは、やがて次の部屋に辿り着いた。
いきなりすべてが崩れることだけは免れたが、イェアメリスたちが合流を果たした今も、後退を続ける構図は変わっていなかった。エランディルは一貫してアッシュ・スポーンたちを盾に、数を頼んでノルドたちをじわじわと追い込んでくる。


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ここも放棄された区画のようだが先ほどの食堂よりも広い。元来た通路は粉塵にまみれてひどくて視界が悪い。吸血鬼の感覚でその先を探ると、いくつもの反応が先ほど戦った食堂に留まっている。


通路内での圧縮爆発に警戒したのか、それとも死体を使ってさらに手勢を増やしているのか、敵はまだ動き出していない。とはいえそれほど時間が稼げたとも思えない。できれば相手が展開しにくい戸口で一対多を保って有利に戦いたい。彼女たちはアスヴァレンの指示の元、入り口に防衛線を張って陣取った。


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彼女は身体の具合を確認した。地下通路で血を飲んでからまだ半日経っていない。来るまでに日光も浴びなかったし幸いここは屋内だ。手のひらを見ても、エランディルの雷球に焼かれた先ほどの傷は跡形もなく治癒している。この力が残っているうちに、血の力が枯渇する前になんとかここで終わりにしなくては。彼女は意気込むと、ウルフリックの最後の盾になる覚悟で準備するストームクローク達を見回した。


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イスグラモル大王の所蔵であろうか。他よりも天井の高い部屋には書架が何列にもわたって並び、その中には本がぎっしりと詰まっている。平時に訪れたらきっとアスヴァレンはテコでも動かず読みふけるにちがいない。そんなことを想像しながらパートナーを見ると、彼はノルドたちと話しているところであった。


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一行はストームクロークから見ればエランディルと同じ侵入者だ。しかし彼女たちはウルフリックとも顔見知りだし、自分たちと共に戦ってくれる事実は疑いようもない。ガルマルもレイロフも基本よそ者には警戒を解かない気質だが、わずかながらも仮初めの連帯感が生まれはじめているようであった。


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「勿体ない・・・ノルドたちは戦いに明け暮れ、自らの文化の手入れも怠っているのか」


試しに手にとった本がポロポロと崩れ落ちてしまうのを見て、アスヴァレンはため息をついた。これがもしウインターホールド大学の司書長ウラッグであったら激怒していたに違いない。
かつて書庫として使われていたこの区画は、石造りの部屋につきものの湿気や結露に何世紀も晒されひどく劣化していた。


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「ところで、こんな奥に逃げ込んで、いったいどういうつもりだ?」


彼に答えたのはガルマルだった。
「少し手前の瞑想室に、ミラークが設置したポータルが開いておった。そこにたどり着けさえすればここを脱せるはずだったのじゃ」


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「たいした王だな。この城のストームクロークは見捨てるのか?」


「若造よ、口を慎め」ガルマルは眉を逆立てた。


「これはわしら臣下から言い出したことだ。ウルフリックはストームクロークの旗印。人ではあるが同時に概念でもあるのだ。儂等が死のうと彼が生きていればストームクロークはまた蘇る。どんなことをしても守り抜かねばならぬのだ!」


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実際にはガルマルより遥かに年上のアスヴァレンは、若造と言われたことを気にするでもなく続ける。

「ではなぜこんなところに留まっている。どうしてそのポータルとやらにすぐに向かわん」


「無茶を言うな。化け物どもを突破できるのならもうしておるわ。それにたどり着いてもすぐに使えるわけじゃない。一度座標を固定したポータルを、別のところに繋ぎ直すのは骨が折れる作業なのだ」


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「ミラーク!」アスヴァレンは思い出したようにその名を叫んだ。


「そういえばあの魔術師たちはどうした。こういう時こそ出番だろう」


「彼らはここにはいない」


「肝心な時にいない? とんだ役立たずだ」
呆れたような錬金術師の当てこすりに、ガルマルが言い訳がましく答える。


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「ウインドヘルムが籠城して時を稼ぐ、その間に彼の部隊が帝国軍を壊滅させる。そういう分担だったのじゃ」壊滅、という言葉を使うとき、ガルマルは少し躊躇したように見えた。そもそも今のストームクロークにそんな力があるのかも疑わしい。アスヴァレンは話半分に聞き流すと皮肉をぶつけた。


「大将がやられてしまっては元も子もあるまい。メリスの警告はお前たちには響かなかったようだな」


ガルマルは少し後ろで守られながら休んでいるウルフリックをちらりと見た。イェアメリスの話は聞いた。だが結局自分たちの進める戦いの方を選んだ。その結果がこれであった。


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「あの話が本当だったとはな」
老将軍は苦い物を含んだような顔になっている。


「わざわざ冗談を言いに俺たちが来たとでも思っていたのか」


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隊長達の報告に拠れば街は北伐軍ともテュリウスの軍とも違うアンデット達に襲撃され、籠城の準備は頓挫、軍隊は機能不全に陥り、もはや帝国軍を迎え撃つどころではないという。それどころか主の命を守りながらこうして危険な撤退戦に晒されている有り様だ。


イェアメリスの警告を軽視したガルマル達は、帝国軍との決戦準備を推し進めてきた。このような計算外の襲撃を許してしまった背景には、彼らの考える優先順位の違いが合ったことは否めなかった。


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少し離れた所では、イェアメリスとブラッキーがウーンファースについて部屋を確認していた。この老魔術師は守りの要だ。


「しかし、ここ足場悪いね」


この部屋がつくられたのが何時か、そして放棄されたのが何時かは分からないが、仮にそれが建設されて間もなくのことであったとしたら優に40世紀以上は経っている。四千年は言い過ぎとしても、蔵書の状態からして千年は経っているにちがいない。


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「我らもここ数世紀足を踏み入れたことのない場所だ」


「ふーん。お化けでも出そうだね」
ウーンファースが答えるのを話半分に、彼女たちは本棚の間を見て回る。「あっ、ねえちゃん、じいさん。そこの板腐ってるから気をつけて」


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三人は特に変わった物も、戦いに役立ちそうなものも見つけられずに戻ってくる。


ウルフリックは通路の出口に陣取る兵達、そしてアスヴァレン達をみて頷いていた。「まさに我らがブランディ・マグの隘路で執った戦法そのものだな。通路の出口で攻撃すれば奴らの圧にも対抗できよう」


「ええ首長、ブランディ・マグでも今ごろ帝国軍を壊滅して居るでしょう。あの敵は必ずここで食い止めます。ご安心下さい」


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そんなウルフリックとレイロフのやり取りを見て、イェアメリスは口をはさんだ。
「ほんっと、おめでたいわね」


「なんだと、貴様!」


眉を怒らせるレイロフがウルフリックに窘められるが、彼女は否定的に言った。
「帝国軍ならもう壊滅してるわよ、別の原因で」


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「なに? ミラークにはまだ作戦指示を出しておらんが・・・」


「何を悠長なこと言ってるの! そこまで迫っているさっきの男の仕業よ。帝国軍を壊滅させて、次はあなたたちを殺しに来たの。実物見たから分かるでしょ」彼女は前に話したとき一笑に付されたロルカーンの涙のことを再び口に出した。その薬によって帝国軍は壊滅させられたのだと。


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「だが、お前たちが助けに来てくれた」


「あっちにも行ったのよ。でも間に合わなかった」

帝国軍も彼女の話を聞いてくれなかった。いま共にいるベアトリクス以外は。


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彼女は軽く唇を嚙んだ。

「こっちにはたまたま間に合っただけ・・・いえ、すでに街は酷いことになってるわ」


「ここに居合わせたと言うことだけでも天佑だ」


「あのね、なに他人事みたいに言ってるのよ。自分たちの命でしょ」


「もちろんだ。しかし私にはお前がショールに遣わされた預言の巫女に見えてならんのだ。はたまた、戦乙女か」


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何を達観しているのだろう、彼女はだんだん腹が立ってきた。
「こんなアンデットの戦乙女なんて聞いたことないわ。あたしは許せない相手を倒しに来たの。そこでたまたまあなたが襲われていた、それだけよ」


「前にあったときは只の頼りない娘かと思っていたが・・・強くなったのだな」


とうとう戸口にアッシュ・スポーンが現れた。


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「いいから、自分を守ることに専念してなさい」


「ふむ、そうするとしよう」


戸口近くの身動き撮りにくい敵に向かい、ウーンファースがファイア・ボルトを放つ。爆風に煽られながら二体ほど仕留めたところで、老魔術師は膝をついた。先程から魔法を撃ちっぱなしだ。マジカが枯渇しかかっている。


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イェアメリスは自分の番が来たと理解した。


その手を自ら戒める首輪にかけながら、たずねるようにアスヴァレンを見る。

彼女の魔法はマジカが強すぎて、味方まで巻き込みかねない。


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錬金術師は少し躊躇したが、苦しそうに肩で息をしている老魔術師をみると頷かざるをえなかった。


「無理かもしれんが、なるべく加減をして・・・」


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言ったときだった。
背後の窓が吹き飛び、何かが飛び込んできた。


「グルル・・・」


獣のような吠え声を吐きながら現れた巨体は、恐ろしい跳躍力を見せ、書庫の入り口を守るストームクローク達に後ろから襲いかかった。


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「うわっ! またこいつかよ!」
ブラッキーは叫び声をあげると姉に飛びつき床に引き倒す。風切り音と共に元いた場所を巨大メイスが薙いでゆき、何人かのストームクロークが巻き込まれて吹き飛んだ。


現れたのは異様に肥大した左腕を持つ男、ウルーモルスであった。
間一髪転がって助かったイェアメリスはアスヴァレンに助け起こされた。ブラッキーの方も同じようにレイロフに引っ張られて起き上がっている。


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「ブラッキー、あなたお化けが出そうとか言うから・・・」


「えー? ボクのせいなの? それより・・・色々と見えちゃいけないものがはみ出してるよ、あいつ!」


ウルーモルスは防具の損傷も激しく、その姿は今までに二度会った時とは少し変わっていた。破れた鎧の下に除く生身から内臓がごっそりと抜け落ちていた。魔術で動かされている死人。アンデットの類いだといったアスヴァレンの推測は当たっていた。


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不意を突かれた彼女たちは、急いで巨大な棍棒との間合いを測る。


アスヴァレンが声を上げた。
「見ろ、あいつの身体」彼が言うウルーモルスの身体には落ち武者のように剣や矢羽根が刺さっている。彼女たちはその形に見覚えがあった。「アルフの剣だ」


ブラッキーも同じように見上げて声を出した。「それに、うえっ。頭に刺さってるのってテルミンねぇさんの・・・」


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ウルーモルスの身体はかなり損傷していた。それはここに来るまで激戦に見舞われていた証に違いない。アルフレド達ではなくこの化け物のほうが現れた意味を悟って、彼女は息が止まりそうになった。


ウルーモルスは傷ついた身体を顧みることもなく、無造作に身体に刺さった武器を抜き捨てた。床に転がる仲間の武器を見ると、女吸血鬼は声を震わせた。
「そんな・・・じゃぁ、アルフさんは・・・テルミンは・・・」


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その肩をアスヴァレンが乱暴に揺さぶる。
「決まったわけではない。あいつらがそう簡単にやられるか!」


「そう・・・ね」


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嫌な予感に青ざめるイェアメリスをわざと無視するように錬金術師は続けた。
「不死というのは本当らしいな。マスクロフトほどでないとはいえ、厄介な・・・」


精神的な衝撃を受けた事とは別に、イェアメリスたちは物理的にも崩れかかっていた。突然現れ巨大なメイスを振り回して暴れだしたウルーモルスは、ノルドたちの陣形にたやすく穴をあけてしまったのだ。


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隘路を塞いで待ち構える有利は失われた。後ろからの奇襲。それは北伐軍が隘路裏手に軍を回り込ませようと考えていたのと同じで、効果は絶大であった。


そして一度崩れた隊列は戻ることはなかった。維持できなくなった通路からアッシュスポーンがあふれ出してくる。イェアメリスたちはストームクロークと一緒になり、ウルフリックを守るように書庫の中で後退せざるを得なかった。


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後ろからはウルーモルス、そして戸口からは死者の行進。両者に挟まれて進退窮まるイェアメリスたち。


最後に部屋に踏み込んできたエランディルは、反対側で暴れているウルーモルスの姿を認めるとため息をついた。
「ふむ、結局最後まで残ったのがアーチェロンにもらったあの出来損ないだけとは。悔しいが吾の作品は及ばなかったと言うことか・・・」


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最初から使い捨ての予定であったヴィ[V]はともかく、どうやらイェゾ[Y]もゼード[Z]もジェミノス[Ge]も失われたらしい。そして乱戦にしか使い道のないウルーモルス[U]もどちらかといえば使い捨て組であった。


彼は儘ならぬ結果に対する考察をしながらひとりごちた。
「もう何体か”銘入り”を連れてくるべきだったか・・・まぁよい、帰ったら作り直しだ。もっと改良を加えねば」


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そのエランディルと正面切って対峙したのは、ウルフリックでもストームクロークでもなく、イェアメリスであった。彼女は再び相まみえた魔術師に向かって感情を露わにした。


「どこに帰るというの? あなたはここで終わりよ」


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「口だけは達者だな。イェアメリス、帝国軍陣地のように、ここでも影でコソコソと動き回っているようだが。貴様の方こそここで終わりだ。大勢はもう決しておる」


「どの口が言うの。もう残っているのはあなただけよ」


「吾一人居れば充分過ぎる」エルフの死霊術師は傲然と胸をそびやかせた。


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「チェックをかけているのはこちらであって貴様たちではない。ノルドの首魁と共に吾の手にかかってオブリビオンに落ちよ」


そう言うと彼は再び灰の化け物達をけしかけてきた。


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背後ではブラッキー達がウルーモルスを相手取っている。


少女の持つ黒檀の重メイスは人間相手であれば恐ろしい武器だが、相手はそのお株を奪うような更に大きな棍棒を振り回している。それは軽く触れるだけでも致命傷となる物だ。あまりの体格差。すばしこいブラッキーはそうそう後れを取ることはない。そしてマスクロフトの時と同じようにアスヴァレンが加勢に加わっていたが、決定打に欠けていた。


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やはりウルーモルスは切り裂いても痛みを感じていないようだ。二度倒され三度現れたところを見ると、不死かゾンビの類い。アーチェロンから譲り渡されたマスクロフトの失敗作というのは本当らしい。


「ウーンファース、下がれ!」反対側ではレイロフが怒鳴っている。


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爆音が響くと何人かの男たちが吹っ飛んできた。エランディルのけしかけてきたアッシュ・スポーンが爆発したのだ。彼はもうここで終わりとばかり、アッシュ・スポーンを使い捨てにして自爆攻撃をはじめていた。爆風に煽られ、朽ちかけた書庫や床がギシギシと軋む。


せっかく後退して立て直した陣はウルーモルスのせいで台無しとなってしまった。これでは先ほどの広間と変わらない。イェアメリスたちはエランディルに手を出すどころか、アッシュスポーンを潰すので手一杯になってしまった。


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「おいっ、大丈夫か!」

ベアトリクスは倒れたストームクロークを引き上げようとするが、その手を途中で止めると離した。その兵士は頭が潰されていた。

「くそっ! この数埒があかねぇぞ。何かねぇのかよ!」


女騎士の声からも余裕が失われている。彼女にとって灰の化け物を倒すことは訳ないが、そのあと距離を取らないと爆発に巻き込まれてしまう。突き放すにも味方の位置に配慮しなくては同士討ちになる。非常に神経の磨り減る嫌な戦いであった。


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エオルンドの剣を手にして奮戦しているアスヴァレンも同様だ。ウルーモルスとやり合うブラッキーをフォローしながら、反対のアッシュ・スポーンにも気を配る。
気がつくとあれだけ居たウルフリックの護衛たちも、残り僅か数人になっていた。皆の顔に焦りが浮かぶ。


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「ブラッキー、お前のその杖」


背中合わせになったとき、錬金術師は少女の杖が身体にあたり、仲間がしばしば口にする話題を思い出した。その言葉で気づいた少女は、背中に手を伸ばすと杖を手にとった。


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サングイン・ローズ・・・放蕩の王に下賜された召喚の杖。切り札になりうる武器だ。魂石の充填も済んでおり、バラはまるで今咲いたばかりのようなまがまがしい紫色に輝いている。


「使えるんだな」


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確認の言葉にうなづきながら、少女は念を押した。
「いい? ボク悪者じゃないからね。びっくりしないでよ!」
セロに促されて前回使ったときとは違い、今度は逡巡しなかった。少女はウルーモルスの荒っぽい一撃をかわすと距離を取った。


掲げた杖から強烈な光が発せられ、過去に何度も聞いた爆音が鳴り響く。


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「アグゼル、ランユ、来て!」


仲間たち、ストームクロークたち、そしてエランディルもが一瞬目を奪われる。


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「応!」
ブラッキーの招きに応じて三たび、ドレモラ・ヴァルキナズが現れる。
黒と青紫と銀に輝くオブリビオンの鎧を身に纏い、一人は身長ほどもある大剣、そしてもう一人は死神のごとき大鎌を手にした地獄の貴族たち。


「な、に・・・あれ・・・!」


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思わず口に手を当てるイェアメリス。彼女は妹の呼び出すオブリビオンの存在を見るのは初めてであった。ブラッキーは姉の視線を痛いほど感じたが、きっぱり無視すると自分の何倍もある体躯の悪魔達が傅くのに向き合った。


ヴァルキナズたちは殺戮の欲求を満たしてくれる召喚者を見て吠えるような笑い声を上げた。


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「小さき者よ、また相まみえたな・・・」


「ごめん。挨拶している時間ないんだ。アグゼル、ランユ、あのへんな腕の化け物やっつけて!」


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「フハハ、小さき者よ、いつもお前は立て込んでいるな。構わぬ。まずは承知!」


突如現れた強力な援軍は、ウルーモルスに向かうと、その力を揮い始めた。


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◆Chapter 2-38 謳われざる戦い〈後編〉に続く・・・)



使用modなど

後編にまとめて掲載


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1 Comments

Sasa.  

こんばんわでござります(゚∀゚)

今回も推しのエランディル様は元気いっぱいでニンマリでした。
相変わらず強者感ありますね。あの落ち着いた感じ、大好きです。

いつもながら、物凄いキャスト数に圧巻されます(ウチは10人配置するだけでも大仕事)スケルトンやフォースポークンも凄い数で配置だけでも大変そう(目線)

今回はついにメリスとエランディルの直接対決でしたが、あのディル様相手に一歩も引かない味方陣営、頼もしい。

そして今度はドレモラまで来ちゃいました...次回も荒れそうですね!更新楽しみにしています!

PS.毎度ちゃっかり登場させてもらってありがとうございます

2022/07/05 (Tue) 18:17 | EDIT | REPLY |   

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