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TES大好き、もきゅがスカイリムの物語をお届けします

◆Chapter 2-9: ツンドラの大地

2017
03

ラビリンシアンを抜けた先の岩棚に立ち、旅人たちはホワイトラン平原を見下ろしていた。
午後の遅い日差しに照らされた平原は、緑と橙色に覆われ、彼方の山々の白さと対照的な雰囲気を醸し出している。


岩棚でお気に入りのスジャンマを堪能していたアスヴァレンは、ジョッキに注いだ分を空にすると、もう一杯注ごうか少し悩んだ末、名残惜しそうに瓶に栓をした。彼は立ちあがると、連れの様子を眼で追う。
ハイロックの最果てにある離れ小島から共に旅をしてきたエルフの娘、イェアメリスは少し離れた岩棚に立って、平原の彼方にかすむ城の輪郭を追っていた。


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彼方に見えるドラゴンズリーチは薄い霧にかすんでいた。
ホワイトランは一部の山岳地を除いて、その領土の大半が東西に広がった広い平原に収まっている。山に囲まれた広大な盆地と言い換えてもいい。起伏はあるがなだらかで日を遮るものがなく、周囲の山々からの雪解け水が豊富な水源として存在することもあり、スカイリム一番の穀倉地帯となっていた。寒冷地であるため、主にライ麦やキャベツ、ジャガイモなどが作物として育てられており、残された原野では放牧が盛んだった。


「こうやって一望できちゃうとすぐそこに思えるけど、まだそうとう遠いのよね・・・?」


イェアメリスは先導役のアルフレドに声をかけた。
ドラゴンズリーチは平原の外れに当たり、彼女たちが通り抜けてきたラビリンシアンからはまだ距離がある。夕刻が近づいているなか、今晩の野営地をそろそろ考えるべき時間が迫っていた。昨日と同じように、早めにキャンプを準備するのだろうか?


「近そうに見えるけど、まだここから丸一日以上かかるよ」


「ということは、今日も野宿ね」


「・・・そのことに関してはちょっとオレに考えがあるから、もうちょっと頑張って進もう」


アルフレドは眼下に見える平原を彩る、崩れかけた砦や遺跡、水辺、雑木林といったものを眺めながら、まだ今日の行軍が終わりでないと移動を再開した。


「そういえばアルフさん、ホワイトランって、どんな街なの?」


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「おっ、メリスちゃん。ホワイトランのガイドしてほしいかい?」


「ええ、もうちょっと歩くのなら、ぜひお願いしたいわ」


「そうだな・・・スカイリムって言うと、みんな酷寒の険しい土地を思い浮かべるけど、意外と豊かなんだぜ」彼は眼下に広がる地面を指し示した。「地面の色がところどころ縞々になってるだろ? バトルボーン農場、チルファロウ農場、ペラジア農園、不作知らずのロリクステッド農園、この平原のあちこちに大きな農園があって、年じゅう作物がとれるんだ。それが集まるのがホワイトランの市場。収穫の月の感謝祭とかはすごいことになるんだぜ」


「あれはレッドガードのお祭りかと思ってたわ」


「ホワイトランはスカイリムの中心的なノルドの街ではあるけど、比較的いろんな人種が住んでるんだよ。レッドガードも多いからそのせいかもな。独立独歩とでも言うのかな・・・川のジークがイスグラモル大王と袂を分かって打ち立てたという起源があるくらいだし、とにかく自由の気質が高い所だよ。ブレトンやボズマーも普通に店をやってるし、執政はインペリアル。首長の側近の一人はアスヴァレンさんと同じ、ダンマーなんだぜ」


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故郷が近づいてきた喜びか、アルフレドは楽しそうに、そして饒舌に語る。


「市場のある平野地区だけじゃなくて、一段上の風邪地区にも名所はいっぱいあるんだ。キナレスの聖堂や、有名な同胞団のジョルバスクル、最高の鍛冶職人を擁するスカイフォージという炉もある。あと、タロス像の前で一日中説教垂れているうるさいおっさんも居るし、賑やかさならソリチュードにだって負けないぜ」


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「へ、へぇ・・・うるさいおっさん・・・」


「そ、それはともかく。朝っぱらから夕方まで子供が走り回っているぐらい安全なのは、スカイリムでもホワイトランぐらいさ」


「そう言われてみればそうね。あたしもそんなにスカイリムの町をいろいろ見た訳じゃないけど。モーサルは朝なのに子供の声気配もなかったし、ソリチュードは首都なだけあって、子供の独り歩きにはちょっと物騒よね」


「だろ。というわけで、個人的にはスカイリム一押しの街さ」


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「アルフさんはその、なんとか地区・・・雲地区?ってところに住んでるの?」


「いや、ちがうちがう。雲地区は首長の城があるとこさ。俺は平野地区の宿屋に住み込んでるんだ。酔いどれハンツマンって言うんだけどね」


「なんだか、酒場みたいな名前ね」


「似たようなものかな。でも、もうすぐ自分の家を買うのさ。頑張って稼がなくちゃな」


「あっ、あたしはもうこれ以上払えないわよ」


アルフレドは財布を守ろうと身構えたイェアメリスを見て笑うと安心させるように言った。「大丈夫だって。メリスちゃんからはこれ以上取ろうなんて思ってないから。・・・スカイリムに戦士ギルドはないから、流しの傭兵でもそこそこ仕事にありつけるんだ。同胞団はもうちょっと深刻な戦闘専門の連中だから、オレみたいな護衛専門とは共存してるんだ」


「へぇ・・・傭兵の世界もいろいろあるのね」


「まあな。同胞団のファルカスやシグルドさんとは懇意にしてるし、稽古つけてもらったりしているから、あんまり商売がたきと言う感じではないんだ。どちらかと言うと、得意不得意で依頼を融通しあうこともあるぐらいだし。


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「・・・ノルドの街って、もっと閉鎖的なのかと思ってたわ」


「実際のところホールドによって成り立ちの影響もあったりで、随分と違うんだよ。今のこの開かれた雰囲気・・・ホワイトランの懐が広いのは、首長の気質に拠るところが多いんだと思う。偉大なるバルグルーフ首長は気さくな方なんだ」アルフレドは嬉しそうだ。


「城にはグレートポーチという、かつて隻眼のオラフ王が老竜ヌーミネックスを捕らえた竜狩りの罠があるんだけど、内戦が始まる前の平和なときには一般開放してくれたりしたんだぜ。オレも子供の頃、従士に申し込んで一回だけ見学したんだ。できたら見せてやりたいよ」


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アルフレドは少年のように顔を輝かせて自分の街を自慢したが、その後少し表情を曇らせた。


「今はちょっと、治安上の理由もあって入れなくなってるんだけどな・・・」


イェアメリスは察したように護衛の傭兵を見上げた。


「ホワイトランにも内戦の影響が?」


「ああ、ここは帝国寄りの中立なんだけど。街を代表する二つの名家がそれぞれ帝国とストームクロークを支持したもんだから、今はかなりギスギスした状態になってる」
道を塞ぐ倒木を前にして、アルフレドは進行方向を少し変えた。ホワイトランからは微妙に逸れる方角だ。


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「首長はそのどちらにも与していない。支配地内では完全に中立を宣言している。ストームクロークの入境を禁止しているだけじゃなく、帝国軍をも城内に駐留させるのを拒んでいるんだ」


「それで平和なのね」


「まあ、少なくとも戦争にはなってないよ。帝国軍も城内では見かけないし、ストームクローク派も演説を垂れるぐらいで収まってる。町中で争っても仕方ないし、どっちを支持していたって、生きてかなきゃならないのは一緒だから、表面上は普段通り生活をしてる」


「あれ、真っ直ぐ行かないの? ホワイトランからずれてるように見えるのだけど・・・」
傭兵が選んだのは、斜面をそのまま真東に向かって降りてゆく道だった。


「ちょっとだけ寄り道していいか? この先に帝国軍の野営地があるんだ」


「今言ってた、街に入れてもらえない帝国軍? でもなんの用があるの?」


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アルフレドはソリチュードを出発する間際に受けた、人捜しの依頼のことに触れた。


「ほら。ソリチュードの錬金術店の女店主。覚えてるか? 彼女の娘の居場所に関して情報が得られないかと思ってね。帝国軍に所属しているって言ってただろ」


イェアメリスはソリチュードで錬金術店の従業員、ビビアン・オニスに呼び止められたことを思い出した。


「あ、そうね! ・・・たしか、フーラさんって言ったっけ?」


アルフレドが目指しているのはこのすぐ近くにある、"静かなる月の野営地"というノルドの遺跡だった。

国境付近の山の斜面にあるこの遺跡は、元は打ち捨てられておりならず者達が屯していたが、内戦勃発後に進駐してきた帝国軍により"掃除"され、今はホワイトラン地方で最大の帝国軍野営地となっていた。


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「焚き火を借りるとか、うまくいけば野営しなくて済むかも知れないしな」


「そうね! 一石二鳥かも。モーサルよりは随分マシ・・・でも思ったより冷えてきたわ」


「もう降霜の月だからな」


ラビリンシアンに街道は通っていない。いや、かつては通っていたのかも知れないが、長い年月の間放棄されていたことによって、土に埋もれて消え去っていた。しかし高台から見下ろすこの目的地は眼前に横たわっている。迷うことはなかった。


斜面を下って少し進むと、遺跡の入り口に辿り着く。かつては神殿を中心とした集落だったのかも知れない。小さな建物が遺跡の周囲には散在している。
参道の入り口に当たる小さな建物の横には帝国軍の歩哨が立っていた。


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「止まれ! ここは帝国軍の拠点だ」
当然のように誰何の声を上げてくる。
「八大神にかけてお前たちは何者だ。ここに何の用で来た?」


アルフレドは一行を代表して前に出ると、事情を説明した。


「オレはアルフレド。傭兵だ」


「傭兵? ここでは兵の募集はしていないぞ。だが・・・ふむ・・・悪くない。悪くないな」

歩哨はアルフレドの出で立ちと、後から入って来たアスヴァレンを見て頷いた。


「何の話をしている?」


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「ああ、お前たち良い体格をしていると思ってな。帝国軍は、いつも強くて有能な戦士を求めている。資格があると思うなら、ソリチュードにある本部へ行け」


アルフレドはあわてて首を振った。


「いや、違うんだ。そうじゃなくて・・・ソリチュードのアンジェリネ・モラードっていう人に頼まれて、娘さんを探してる。フーラといって、ここに配属されて居るらしいんだ」


「人捜しだ?」


「ああ、便りがなくなったことを故郷では心配してる」


夜営の時間が近いためか、歩哨の後ろの陣では慌ただしく兵士達が働いている。イェアメリスはのしかかってくる寒さを我慢しながら、アルフレドと兵士のやり取りを見守った。


「フーラ? 俺は知らん。たぶん隊が違うんだろう」歩哨はアルフレド以下、一行をじろりとひとなめすると、身振りで奥を示した。「あそこに見える階段の手前までなら入っても構わん。他の隊の者に聞いてみろ。知っている奴がいるかもしれん」


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「ありがとう。助かるよ」


「礼には及ばん。ところで、何か口慰めになるような物ないか。仲間に商人もいるようだが?」歩哨はそういうとアーセランを見た。


「そうだな・・・」アルフレドはわざと鷹揚に顎をしゃくってアーセランを見た。ボズマーは察したように、荷物をまさぐると、噛みたばこの葉を何枚か取り出した。ハンマーフェル南部で好まれているハーブだ。


「タロスの・・・おっと、ショールのご加護を」
兵士はニヤッと笑って受け取ると、行って良いというように場所を空ける。


戦時中とはいえ、ホワイトランはまだ直接の戦火にはさらされていない。警戒はしているが、事件のあったソリチュードのように厳戒体制ではない。野営地は開かれており、中には彼ら以外にも商人風の男や芸をひさぐ吟遊詩人も混じっていた。軍が動くところ、こういった流しの連中がよく集まる。彼らの一行もその類いとして認識されたのだろう。アルフレドは礼を言うと、仲間を誘った。


「兵士連中にもいい取引をしてやってくれ」
歩哨の声を背後に、彼女たちは野営地の中に踏み込んだ。アーセランはアルフレドに並ぶと、小狡い商人の顔になって突っついた。


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「だんな、貸しひとつだからな」


「はは、抜け目ないな」


静かなる月の野営地は、ハイヤルマーチ、ペイル、ホワイトランの3ホールドの州境にまたがっており、テュリウス将軍麾下のクエンティン・シピウス軍団長率いる野戦キャンプとして機能していた。ホワイトラン領へのストームクロークの侵入に目を光らせながら、ドーンスター戦線の後方支援を担うのが主な役割だ。


Region Route


彼らは野営地の中を回り、そこらの兵士に聞いて回ることにした。四人は焚き火から少し離れた所に落ち着ける場所を確保すると、集まって相談する。


「どっちにしろ野営が必要だから、今日はここに腰を落ち着けて、人探しついでに寝床の場所を借りよう」


「焚き火もあちこちにあるから、作らなくても済みそうね」


「ああ、とりあえず何かあったらここに集合することにして、手分けしていこう」


そろそろ日が落ちる時間だ。松明の準備を始める兵士もいる。その合間を縫って、彼女たちは人探しをはじめた。


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仲間と離れて聞いて回りながら、イェアメリスは居心地の悪さを感じていた。軍隊などと言うものに縁もなかったし勝手が分からない。東帝都社に所属しているとは言っても、錬金術という生産側の人間なので、兵士という連中をどう扱っていいか分かっていなかった。


なかなか目指す情報にたどり着けない。しかもなんとなく兵士たちの眼が自分に注がれているような気がするのだ。それもそのはず、見渡す限り、駐屯地にいる女性は皆無であった。彼女は品定めする男たちの視線に晒されていた。


野営地を回って話を聞くだけなのだがそれだけでは済まず、アーセランは商人として生き生きと、イェアメリスは錬金術師としておどおどと、兵士たちの求めに応じて薬や嗜好品などを取引させられた。財布は少し潤ったが、兵士達にからかわれて割に合わないわ、彼女は内心そう感じていた。アーセランはともかく、イェアメリスの方は野営地に不似合いな若いエルフの女とあって放って置かれるわけなく、いちいちちょっかいを出されるのだ。


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「姉さん売るのは薬だけかい?」


体力回復薬を買った兵士が、行こうとした彼女をしつこく呼び止めた。

「オレぁこの前戦功立てたんで、特別報償もらったんでぇ。こんな冷える日には、なぁ・・・。100でどうだ?」


「なっ・・・!」


兵士が下卑た笑いを浮かべ、いやらしい目つきで肢体を舐めまわすのに耐えきれず、彼女は近くにいたアーセランの後ろに逃げ込んだ。もっとも、彼女の方が背が高いため、ボズマーの商人はあまり隠れ蓑としては役に立たなかった。


「兄さん、100ちゃぁチョイと足下見過ぎなんじゃねぇ? せめて180、いや、200はもらわねぇと」


「バカ言え、200ったらソリチュードの娼館でもとびっきりのって値段じゃねぇか」


「でもよ兄さん、このあまっこはエルフなんだぜ。スカイリムでこんなすべっすべのエルフなんてそうそういねぇよ」


「う~ん、だがなぁ・・・」


「ま、やめとけやめとけ、お前さん明日軍務に就けなくなっちまうぜ。このあまっこ、こう見えてすげぇ酒乱なんだ。酷く暴れるから」


値段の折り合いがつかないとみて、兵士はぶつくさ言いながら引き下がった。


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庇ってくれるのはありがたいが、アーセランのフォローになってない物言いを聞いて彼女は憤慨した。


「なによ! あたしは商品じゃないわ!」


「な? 気ぃキツイだろ?」

まだ見ている兵士に向かってウインクすると、ボズマーは冗談を交えながら巧く兵士をあしらってゆく。イェアメリスは鼻息荒くアーセランに突っかかった。


「すべっすべのエルフからひとこと言わしてもらってもいいかしら?」


「お? なんだ?」


「褒めてくれるのはありがたいけど、あれはあんまりなんじゃない?!」


アーセランはぷるぷると震るエルフの娘をなだめようとしたが、得意げな顔のままなので逆効果だ。

「いいじゃんか。結局成立しなかったんだしさ」


「あのねぇ、そういう問題じゃないでしょ。成立してたらどうなっちゃってたのよ!」


「大丈夫だって。ここいらの兵士にそんな金ねぇって」


「やけに詳しいのね。やっぱり奴隷商人なだけあるわ、最っ低!」


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更に何か文句を言おうとした時、アスヴァレンが合流してきた。


「どうだ? 何か分かったか?」


ふてくされた顔でアスヴァレンに駆け寄った彼女は、今度はその広い背中に隠れると首を振った。


「ダメね、手がかりなしだわ。それより聞いてよ! ・・・」


回った兵士たちの中に、フーラの事を知っている者はいなかった。ここにいる部隊とは別の所属なのかもしれない。


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再度仲間は四方に散って聞き込みを続けたが、兵士たちの視線から逃れるように、イェアメリスは無意識に人の少ない方に歩いていた。


「あ、メリスちゃん。そっちは行っちゃだめだって言われてたんじゃね?」


「ふんっだ!」


「咎められても知らねぇぞ?」
見かけたアーセランが声をかけたときには、彼女は禁止された階段に脚をかけていた。そして案の定、脇に腰掛けている男に呼び止められた。


「ここから先はだめだと聞かされなかったか?」


「えっ・・・、あっ! ごめんなさい」
彼女はあわてて脚を下ろす。内心、また兵士に絡まれるのかとうんざりしながら顔を上げた。しかし今回は少し様子が違った。咎めた男は他の兵士と変わらぬ出で立ちであったが、威厳のある声をしていた。隊長格だろうか? そこいらの兵士とは雰囲気が違うのだ。


叱られると思って身を縮こまらせた彼女だったが、降ってきた言葉は意外なものだった。男の表情は温厚で彼女の身なりを観察している。そして一瞬、引っかかるように顔をしかめると、期待を込めたような眼で問いかけてきた。
「もしかして、お前は医者だったりしないか?」


「い、いいえ。あたし錬金術師よ」


「錬金術師か・・・。何かいい薬とか持ってないか? もうすぐ任務なんだが、最近歯が痛むんだ・・・」
男は再び顔の片側を引きつらせた。


イェアメリスはわずかに首をひねると、思いついたように腰のポーチを開いた。
「歯が痛いのなら、これなんかどう?」
小さな釘のような、乾燥された植物の蕾を数個取り出す。乾燥させたクローブであった。


「噛みたばこと同じ要領で少し嚙んでみるといいわ。麻酔の効果があるから痛みが和らぐはずよ」


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「ありがたい」


「でも治療ではないから、部隊の医者に診てもらわないと」


「歯痛ぐらいでは見てもらえんよ。手脚一本失うぐらいじゃないとな」


「うえっ・・・帝国軍って、ひどいのね」


男は冗談だ、と言うように軽く笑うと、クローブを一つ口の中に放り込んだ。


「ねぇ、あなたもしかして隊長さん? 一番偉い人って、ここの上に居るの?」彼女は階段の上を指し示して男に尋ねた。


「俺はリバーウッドのハドバル。隊長ではなくて、隊長補佐だ。軍団長に会いたいって?」


「人を探してここに来たのだけど、誰も知らないって言うから、一番偉い人なら知っているんじゃないかと思って・・・」
聞いて回った相手は下っ端の兵士が殆どで、多くの情報を持っている者はいなかった。


「それでいきなり軍団長か・・・。そこまで上の人間だと部下と言っても十人長ぐらいまでしか把握してないんじゃないかな? ・・・でも痛み止めをくれたお礼だ。掛け合ってみようか?」


「ええ、お願い」


「機密に関わることだったら、当然教えてはもらえないぞ」
そういって彼は階段の向こうの建物に消えていった。


「メリスちゃん、何か分かりそうか?」
待っているとアルフレドがやってきた。彼の方も収穫はなかったようだ。イェアメリスは”まだ分からない”と話し、隊長補佐が戻ってくるのを一緒に待った。


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しばらくすると再びハドバルが現れ、階段を下りてきた。上官とおぼしき人物を伴っている。驚いたことに、彼の上官は女性だった。細身だが、厳しい顔立ちだ。


こんなしょうもない兵士達を束ねて上に立つぐらいだから、さぞかし強い人なんだろう、そんなことを考えていると女隊長が口を開いた。


「ここの責任者はクエンティン・シピウス軍団長だ。だが軍団長は今忙しい。代わりに私が聞こう」
軍団長はバルグルーフ首長との会談から帰ってきたばかりで、主だった大隊長と軍議中だそうだ。


帝国軍は首長との取り決めによって、戦闘部隊の領内の駐屯がこの野営地に限定されていた。しかし反乱軍であるストームクロークはそんな事情にはお構いなしだ。軍を小分けにして国境を侵犯する浸透作戦をとっており、侵入したホワイトランの各所で、隠しキャンプを作ったり、同調者を募ったり、帝国軍の斥候部隊を襲ったりと、小規模ながら厄介な破壊活動を繰り返していた。


軍団長は取り決めに抵触しない範囲で従来から斥候部隊を放ち、ストームクロークに対する牽制を行っていたが、最近被害が増えており頭を悩ませていた。そこでしびれを切らした軍団長は、緊急課題のウルフリック追跡の件も含めて、帝国軍の行動範囲拡大を要求して来たのだった。


軍団長の代わりに連れてきた女隊長に、ハドバルはイェアメリスたちが野営地を訪れた事情を話し、人捜しを頼まれている事を告げた。


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「俺は知らない奴なんですが、隊長のリストに載ってません? ええと、なんていう名前だったかな・・・」


「フーラよ」


「フーラ? フーラ・モラードのことか?」


「ええ。知ってるの?!」


「ああ。第3斥候部隊が二週間ほど前、命じられて東の方を探りに行った。シピウス軍団長は、ホワイトランに侵入してきたストームクロークの位置を知る必要があったのだ」
ハドバルは乾燥クローブを一つ嚙みながら、イェアメリスと同じ様に隊長の言葉を真剣に聞いていた。


「その斥候部隊は途中、大規模な敵軍に出くわして、誰も戻ってこなかったと聞いている。彼女は、その隊にいた」
女隊長はそこで言葉を切った。


イェアメリスは身を乗り出した。
「それ・・・だけ?」


「それだけだ」


「捕まったとか、せ・・・戦死したとか、何か分からないの?」


「すまんが、戻ってこなかったということしか分からぬ。死体は発見されていない、現時点では作戦中行方不明だ」


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アルフレドはそれを聞くと顔に手を当てた。おそらく無事ではあるまい。良くて捕虜、悪くてもうソブンガルデに旅立った後かも知れない。


「ありがとう。ショールにかけて・・・親御さんになんて報告するか、少し考えてみるよ」


収穫が得られず、疲れに足取りの重くなった彼女たちは、野営地の端っこに戻ってくると、静かな場所に腰を下ろした。周りにちょっかい出されないような一角だ。ぼんやりとしながらあたりに耳を澄ませていると、兵士達の会話が漏れ聞こえてくる。もうすぐ、ウルフリックを追跡中のテュリウス将軍がこの野営地を通りかかるとか、一体誰がこの広大なツンドラの大地を警護してやってると思ってるんだ、というような首長側の陣営への愚痴など、内戦の事情が垣間見える一幕もあった。


一見平和に見えるホワイトランも、すでに水面下では戦争が始まっているのだ。


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「見張りを立てないで済むというのは助かるな」
外れの方とは言え、野営地の中は守られていて安全だ。全員がゆっくりと夜を過ごすことができる。彼らは夜営の仕度を始めた。


「雪が降ってきたわ」


ふてくされていたイェアメリスも、少しばかり冷静さを取り戻し、ぼんやりと光る蛍ランタンを眺めながら頬杖をつく。


「モーサルと違って海風はないけど、夜はやっぱり冷えるのね」


「もうすこし火の近くに陣取るかい?」
アルフレドは野営地の向こうの方にある篝火を指さした。


「いやよ!」

イェアメリスは先ほど散々兵士達に絡まれたのを思い出して、即座に答えると頬を膨らませた。


「ここでいい。兵士の近くに行くくらいなら、ここでベッドロールにくるまって震えたほうがましよ」
明るく暖かい方には兵士も多く集まる。本当は野営地なんか出てしまいたかった。


しかしその無風も破られ、急に雪が横向きに流れ始める。吹雪だ。一時的な者かも知れないが、冬のこの季節、山沿いの気候は非常に不安定だ。

静かなる月の野営地は、その名にふさわしくない天候に晒されていた。


炎が揺れて彼女たちの後ろの低木を揺らす。


「おや?」
夜目の利くアーセランがその影に何かを見つけた。立ち上がって低木に近づくと、彼は仲間を手招きした。


「メリスちゃん、ちょいと来てみなよ」


「なによ、あなたの言うことはもう聞かないって言ったでしょ」


「いいから来てみなって。ほら、こんな所に捕虜がいるぜ」


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ボズマーの発した意外な言葉に、彼女も興味を引かれて立ち上がった。彼女たちの陣取っている岩棚のちょうど裏だ。


哨戒中や小競り合いで捕らえた捕虜だろうか? 野営地の寒々しい一角にその捕虜たちは繋がれていた。服装から言ってストームクロークであろうか。こんな野営地には捕虜を閉じ込めておくような場所はない。食事は与えられていたが、体力の弱いものであれば衰弱して命を失うような仕打ちであった。そう、彼らは毛布などもなく、着の身着のままで寒空の下に晒されていた。


「ひどい・・・」
イェアメリスは手で口を覆った。
3人ほど折り重なるように転がされているストームクローク達は動かない。縛られたまま家畜のように互いに連結された捕虜達は、身体に積もってゆく雪を払いのける力もないまま力尽きていた。


「ストームクロークと言っても、同じノルドでしょ。なんでこんな酷いことができるの?!」


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アルフレドは困ったようにブレトンの娘を見た。
「誰も正しいなんて思っていない。それでも戦いは起こってしまうんだ。これが内戦の現実だよ」


「う、うう・・・」


捕虜の中からうめき声を聞いて、アーセランが狼狽した。
「おい、こいつ、生きてるぞ!」


捕虜たちは死んでいるように見えたが、まだ一人だけ息があった。左目に包帯だか眼帯だかを巻いているストームクロークの女戦士だ。彼女の鎧にもうっすらと雪が積もっていた。


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「ねぇ! 大丈夫?!」


寒さで意識を失いかけていたのであろうか、呼びかけを聞いた女戦士は、トロンと眠そうな片目であたりを見回した。イェアメリスの方を向こうとするが、両腕を頭の上で拘束されており、姿勢を変えるのもままならない様子だ。


仲間が止めるまもなく、イェアメリスは進み出るとその生存者を抱え起こした。腰の後ろに吊した短剣を抜くと縛めを切断する。


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「寝ちゃだめよ、起きて!」
押し殺した声で呼びかけると、彼女は女戦士の頬を二三度叩いて肩を揺すった。


「お・・・お前は?」


「いいから黙って。まずはここから離れましょ」


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「メリスちゃん! 捕虜を逃がすのか?! まずいよ、それは犯罪だ」
アルフレドはあわてて制止しようとしたが、彼女は聞く耳持たなかった。


「何言ってるのよ、こんなところに放っておかれたら死んでしまうわ!」


「しかし・・・」


他の兵士達から離れているとはいえ、いつ見つかってもおかしくない。
傭兵がハラハラするのを尻目に、イェアメリスは女兵士に肩を貸して、影を伝って野営地から遠ざかりはじめた。


「出ましょ! こんなとこ。アーセラン、せんせ、手貸して! アルフさんは兵士が来ないか見張って!」」


「あ、ああ・・・」


先ほどまで会話を交わしていた帝国兵たちがいきなり全て敵に回ったような錯覚に見舞われる中、彼女たちは瀕死のストームクロークを連れて野営地を後にした。もともと陣取っていたのが目立たない端の方であったこともあり、幸い彼女たちを見とがめる者はいなかった。


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しばらく悪戦苦闘したあげく、彼女たちは野営地から少し離れた岩場の影に女戦士を運び込む。ちょうど野営地からは死角になるよう陣取ると、イェアメリスは衰弱した女戦士の脇に座り込む。


「イフレにかけて。なんか、オレたちを隠すかのような降り方だったな、おぃ」

雪は弱まり、先ほどまでの悪天候がまるで嘘かのようだ。


「きっとキナレスのご加護よ。さて・・・」

火を焚いてしまっては見つかる恐れがある。彼女は女戦士の身体に触れてみて、難しい表情をした。捕虜は低体温に陥っており、危険な状態だった。


「少しでも暖めないと・・・、こんな時にナターシャさんがいたら・・・」


彼女は使えそうなものがないか、荷物の中を物色しながらブツブツ呟いた。

「狼の毛皮の呪文、今度会ったら絶対に教えてもらわなくっちゃ」


アスヴァレンは抱えてきたス女戦士を下ろすと岩陰に横たえた。


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アーセランはそんな様子を横目に、呆れとも愚痴とも取れる口調でため息をついた。
「誰だよ、一石二鳥なんて言ったのは。まさか捕虜逃がして野営地から脱走する羽目になるなんて、想像もしてなかったぜ」


「なに、文句でもあるの?」


こうなってしまってはもう何を言っても聞かないし、回りの雑音も何の影響も及ぼさなくなる。アーセランは気圧されながら口ごもった。

「いっ、いや・・・」


「あんな扱いの人を放っておくなんてできないわ!」


「でもよ、犯行現場を見られなかったからいいようなものを、見つかってたらおれ達スカイリム全土でおたずね者だぜ、分かってんの?」


「見つからなかったじゃないの。ここまで来れば大丈夫よね。ね、アルフさんもそう思うでしょ?」


「そ・・・そう思いたいが・・・結構大それたことをしちゃったというか、メリスちゃん意外と大胆な・・・」イェアメリスが処置している間、アルフレドは岩場の影から顔だけ出して遠くに見える野営地を見張っていた。特に騒ぎが起きていたり、追手が差し伸べられたりするような様子は今のところない。


彼女の保護者、アスヴァレンの方はイェアメリスの気性をよく知っているので、それ程驚いていない。またいつもの癖が出た、といった顔だ。


「メリスちゃん・・・なんか時々、オレっちより楽観的じゃね?」


「そんなこと言ってるヒマあったらあんたも手伝って。ほら、彼女をくるむの!」
リネンラップをアーセランに押しつける。


「被せるだけでいいのか? こすった方が早いんじゃ・・・」


「だめ。くるんであげるだけにして。中から温めないとダメなの」


「じゃあ、ベッドロールの方がいいんじゃね?」


「ベッドロール・・・そ、そうね! あたし達の分全部かぶせましょ!」


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しばらくすると、女戦士の意識が少し戻ってきた。浅かった呼吸が深くなり、ゆっくりと胸が上下する。自力で身体を起こそうとするが、まだそれは叶わなかった。他に傷などを負っている様子はない、低体温さえ脱してしまえば、峠は越すはずだ。女戦士は、自分を一生懸命介抱する娘を見た。


「気がついた? あなた、名前は?」
低体温は錯乱を引き起こす。彼女が聞いたのは自己紹介のためではなく、意識の状態を確認するためであった。


「テ・・・テルミン」


「待ってね、いま保温の薬を準備するから・・・」


「・・・いや、それより、なんか酒もってねぇか?」


イェアメリスはとんでもない、と大きく首を振った。


「だめよ、いまあなたの身体は寒さへの自己防衛で血の流れがゆっくりになっているの。血管を拡張させたら脳や心臓が先に死んでしまうわ!」
そう言うとイェアメリスは、炎の塩鉱石をリネンラップでくるんだ小さな包みを3つほど作りあげた。そして荷物からいつも溶媒に使っているアルトワインを取り出す。


「おいっ! それは・・・」


錬金術師であるアスヴァレンは、彼女が何をしようとしているのか察して口を開いた。しかし彼女はそのまま作業を続け、包みにワインを振りかけた。


テルミンが弱々しく、その様子をみて呟く。


「なんてもったいない・・・」


「いいから、まだ黙ってなさい」


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沁み込んだ水分が塩鉱石と反応して熱を生む。ワインの饐えたような嫌なにおいが発生して女戦士をひるませた。


「うわっ、臭ぇ! なんだこの臭い!」


横で見守るアスヴァレンとアーセランも顔をしかめる。もちろん、当の本人であるイェアメリスも悪臭にむせながら作業を続けた。


「メリスちゃん、何だよそれ、何の兵器だよ?!」


「うるっさいわね、奴隷商人はちょっと黙ってて!」


「ちげ~って。しっかし・・・うえっ、くせぇ・・・。アルフのだんな、そんなとこ居てねぇで一緒に嗅いでみてくれよ」


「お、オレは見張りがあるから・・・」


塩鉱石は様々な調合に有用な錬金素材だが、水分と反応しやすく、臭気を強めるため取り扱いが難しい材料だった。本来ならば幾重にも処置をしたあげくに成分を使用するのだが、彼女は全ての手順を放棄して、効果を無理矢理作り出そうとしていた。


「うっ・・・さすがにキツいわね・・」

作った本人も顔をしかめる。


しかし結果は充分。望みの効果は得られた。即席のカイロを作り出すと、彼女はテルミンと名乗った戦士の両わきと、鼠蹊部に挟み込んで加温する。


「でもよ、この姐さん意識戻っても、臭いでまた気絶しちまうんじゃね?」


仲間たちが見守る中、1時間もすると、テルミンの肌には血色が戻ってきた。


「もう大丈夫のようだな」


「ええ、なんとか・・・」


傍で見守るアスヴァレンが、イェアメリスの頭に手を置く。「時々お前には驚かされる。錬金術師としては半人前だが、一部の知識は俺をも凌いでいるな」


彼女は頬を染めると、照れくさそうな顔をした。


「しかし・・・また、この匂いを嗅がされることになるとは思っていなかった」アスヴァレンは笑った。二人が初めて出会った時、塩鉱石の悪臭で揉めたのを思い出したのだ。彼女も同じことを思い出し、ぐるっと目を回すと天を仰いだ。


「うぅ・・・めずらしく褒められたと思えば、これだわ」


気がつくと星の位置も大きく変わっており、夜明けまで間もない時間になっていた。テルミンは峠を脱したようで、臭いはともかく、規則正しい寝息を立てていた。


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ソリチュードを出発して二日目の夜は、こうして慌ただしく過ぎたのだった。




・・・




夜が明けると、テルミンは自分の脚で立ち上がれるまでに回復した。
このままここにいつまでも居るわけにはいかない。歩くことはできそうだったので、一行は残りの行程をホワイトランに向かって歩き始めることにした。夜中の逃走劇で少しだけ進んだので、ホワイトランまではあと一日程度だ。病み上がりがいたとしても夜前には着くだろう。


あの後、交代で眠りに就いたのだが、結局一人二時間ぐらいしか睡眠を取る事ができず、疲れはあまり取れていない。そのため、歩き出したはいいものの、距離はなかなか捗らなかった。


「これはどこか途中でひと休みして、仮眠でも取った方が良さそうだな」
そういうアルフレドも少し怠そうな顔をしている。アスヴァレンと、アーセランはいつもと変わらないように見える。


人はホワイトラン平原と呼ぶが、平原なのは山と比較したらそうであると言うだけで、実際はかなり起伏に富んだ土地だ。なだらかな丘陵や所々にせり出した岩、小川や雑木林、湧き水の池など、様々な地形が集まっている。目的地まで一直線とはいっても、結構蛇行して進まねばならなかった。


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案内人の傭兵は新たに加わったストームクロークの女戦士の装備を眺めながら、少し考え込む素振りになった。

「それはそうと、さすがにその装備はまずいかな?」


「ちょっと臭いも残ってるな・・・」

横でわざとらしく鼻をつまんでいるボズマーの商人に、イェアメリスは目を向けた。


「でもどうするっていうの? アーセラン、何かいい案考えなさいよ」


「オレ?」

ボズマーの商人はは自分よりも遥かに背が高い、テルミンを見上げながら腕を組んだ。そしてポン、と手を打つ。「へへーん。そういうと思ったよ」


アーセランは荷物をまさぐると、女性用の革の鎧を取り出した。「いいよ、メリスちゃん、安くしとくぜ?」


「え、あたし? 服なら間に合ってるわ」


「ちげぇよ。だってテルミン姐さん助けたのメリスちゃんだろ? 今の保護者はだからメリスちゃんだろ?」


「なんでそうなるのよ。・・・っていうか、そもそもなんであなたそんな服持ってるの。キナレスにかけて・・・、まさか・・・また死体から剥いだんじゃ・・・ヤダ・・・変態だわ、変態!」


「ちーがーうーって!」


テルミンは脅威の回復力を見せ、疲れの隠せないアルフレド達とは対照的に、どんどん元気になっていった。アーセランの用意した装備がちょっときついと文句を言ってあちこち緩めてようやくその胸を収めると、イェアメリスが治療に使ったアルトワインの残り瓶を受け取って、がぶ飲みしながら歩いている。


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「ぷぁ~! 効く~! やっぱこの一杯だわ!」


ほんの半日前まで凍死しかかっていたとは思えない声を上げると、イェアメリス達を見回す。


「見ず知らずなのにあんた達、アタイを助けてくれたんだな」


「そうだぜ、メリスちゃんに礼を言うんだな。それと、臭いでだめになっちまったオレたちのベッドロールにも感謝してくれ」

軽口で返しながら、アルフレドは、内心動揺していた。


いままで"まっとうに"やってきたつもりだったが、あわやお尋ね者になって、ホワイトランに帰れない身になるかも知れなかったのだ。
帝国軍もストームクロークもあまり余裕がある状態ではない。正直、死にかけた捕虜が一人消えたことなど気にも留められないかも知れないだろうとは思っていたが、・・・彼は心配症だった。


「正直途方に暮れてるよ・・・。しかしあんた、すごい回復力だな」
アルフレドはやけくそと言った感じだ。


「ん~、まあ、身体が丈夫なのだけは取り柄だからな」


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テルミンは横を歩いているイェアメリスの方を向くと、ニカッと笑った。
「あらためて、アタイはテルミン。ありがとな!」


「え、ええ。とりあえず良かったわ」


「へへー、真のノルドはあれぐらいには負けないのさ」


「ふふ、なんかアルフさんも同じ事言ってたわね」
大きなあくびをすると、イェアメリスはくまの浮いた目をこすりながら、テルミンに笑いかけた。
昨晩は必死だったから眠さを感じることはなかったが、安全なところに来て落ち着いてみると、どっと疲れが押し寄せてくる。彼女は何度も出てくるあくびを止めることができなかった。案内役の傭兵が、気遣って横に並んできた。


「大丈夫か? 少し休んだほうがいいな」


「いいえ、大丈夫よ。少しでも先に進みたいわ。いきましょ」


「もう少し進んだところで休憩できる。そこまで頑張れ」


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途中、行き倒れの戦士を発見すると、アーセランが嬉々として駆け寄った。
「んもう、また死体あさり?」


「そんなこと言っても焉A放って置いたら朽ちるか、山賊かなんかに持ってかれちまうだけだぜ?」


「死体を見つけるたびにかがみ込む癖やめなさいよ。いつか酷い目に遭うわよ?」


「善良なるイフレにかけて、おれ達が再利用してやるのは、むしろ供養にもなるってもんだ」


「勝手な言い草ね。どうせテルミンさんにあげた装備もそうやってどこかで手に入れたんでしょ?」


「それは言えねぇなぁ。商売人にとって、仕入れ先ってのは大事な秘密だからな」


「ふん、言ってなさい・・・」言いながら、彼女は少し首をかしげた。「でもなぜこの人、こんなに地面にめり込んでいるのかしら?」
よく見ると、死亡した戦士の身体は半ば地面にめり込むようになっており、装備も破損した物が多かった。切られたり、突かれたりしたような傷ではなく、重量物で押しつぶされたような壊れ方だ。


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アーセランの横でテルミンもかがみ込んでいる。


「死んだ後マンモスにでも踏まれたんじゃねぇか? お、この戦槌いい感じ。手ぶらじゃ心許なくってねぇ」折れずに残っていた両手用の槌が、脇には転がっていた。彼女は死んだ戦士から武器を"ありがたく譲り受ける"ことにした。


そんな一幕のなか、目が合うと案内役の傭兵は半笑いでため息をついた。


「オレも旅慣れている方だと自負していたが、なんかあいつらと一緒にいると、自分の価値観というか倫理観というか・・・いろんなものが疑わしくなってくるよ・・・」


「だっ、大丈夫! アルフさんこの中で一番まともだからっ」


イェアメリスに変な慰められ方をすると、傭兵は情けなさそうな笑みを浮かべた。


「オレが守らなくちゃならない一線って何だ? 山賊との違いは? 野盗は?」
ブツブツ独り言を言い始める。


「なんだにいさん、初心者か? それとも心配性か? もっと気楽に行こうぜ」


「テルミンは黙ってて!」


イェアメリスはあわててフォローに入るが、女戦士は気にせず笑っていた。

「回りに転がってる全ての物を利用するのが、旅の醍醐味ってもんだぜ?」


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「はぁ・・・」
もう一度深くため息をつくアスルフレドに、イェアメリスは手を添えた。「睡眠不足だから変なこと考えるのよ。アルフさんっ! しっかり!」


「そう、そうだな。次の休憩で少し寝よう」そう言うと少し調子を取り戻したように付け加えた。「まともかまともじゃないかで言ったら、メリスちゃんだってあっち側なんだぜ? 気付いてた?」


彼女は眼を白黒させた。傭兵はイェアメリスをからかうと、少し真面目な顔になった。
「それはそうと、野営地は収穫なしだったな。すまない、付き合わせてしまって。嫌な思いもしたんだって?」
もう一つの依頼の方は、正直、うまく行ってなかった。フーラの行方は分からないままだ。


「ほら、また心配症出てるわよ。案内人さんなんだから、しっかりしなくちゃ」
自分のことを棚に上げて、イェアメリスは逆に慰めた。「今のところ戦闘にも巻き込まれてないし、寄り道お陰で一人の命を救うこともできたわけだし、日程も遅れてない。アルフさんは優秀よ」


「え、なになに? っつーか、なんであんた達あの野営地にいたんだ?」
テルミンがまた興味を持ったように顔を突っ込んでくる。野営地に寄らなければ彼女と出会うこともなかった。ソリチュードで受けた人捜しの依頼・・・そもそもの動機になった発端の依頼について、彼はテルミンに説明してやった。


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「なるほどね。そのフーラって奴を探してるのか・・・なら、ストームクロークの隠れ駐屯地だろうな」


「なんだって?!」


「たしか、イーストマーチからホワイトランに入って少し行ったところ・・・ヴァルトヘイムの少し先の山沿いがアタイらの集合地点だった。あそこはちょっとした野営地なんだ。アタイが捕まってた帝国のヤツみたいに立派じゃないけどな。もし捕虜になってるとしたら、送られるのはそういう所なんじゃね?」


アルフは貴重な情報を得たとばかりに興奮しながらも、少し呆れて女戦士を見た。
「あんた、情報はありがたいが、そんなに簡単に秘密ばらしちまっていいのかよ。ストームクロークの兵士なんだろ?」


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「ん~・・・」彼女は頭をかいた。「そっか・・・あまり深く考えてなかった」


「あのなぁ・・・」


「それに・・・ストームクロークはもういいや」
あっけらかんと言い放ったテルミンに、アルフレドは驚いて食ってかかる。その姿が、自分とアーセランのケンカに被って、イェアメリスはクスリと笑みを漏らした。


「いいって・・・そんな簡単に軍隊から抜けたり出来るわけないだろ」


「なんだよにいさん、アタイを軍に送り返したいのかい?」


「そういう訳じゃないが・・・じゃあどうして」


「窮屈なのは嫌いなんだ」テルミンは豪快に笑うと、アルフの肩を叩いた。
「ストームクロークに入っていくつかの作戦に参加して、次の作戦のためにホワイトランに送り込まれて、途中で帝国軍に見つかって、捕まってふん縛られて、昨日の晩まであそこで転がされてた、そんだけ。何も難しい事なんてないさ」


「それにしても、よく生きていられたな」


「あ、うん。昨日のことがなかったら、今ごろ死んでたかも。でもソブンガルデにいける自信はあるぜ」


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「そのソブンガルデってのはよく分からないけど、命は投げ捨てるものじゃないわ」


「そうさね。イェアメリスには助けられたから、無駄にはできねぇよな。あそこまで臭い思いをしてまで蘇ったんだ。そうそうおっ死んでいられねぇな」
彼女の命を救った塩鉱石の即席カイロ、その悪臭のことを言われて、イェアメリスは赤くなった。


「あっ、あれは仕方なくっ・・・。次までにはちゃんと"狼の毛皮の呪文"覚えるから・・・」


「凍死しかかるのは一回で十分だぜ?」そしてやけに神妙な顔になると、テルミンは握った拳を胸に当てた。


「ありがとうな、イェアメリス」


「テルミンさん、メリスでいいわ」


「じゃあ、アタイのことも呼び捨てでな」
女戦士は開けっ広げに笑うと、アルフレドにしたように彼女の肩を叩いた。痛みに顔をしかめながらイェアメリスは笑い返すのだった。


「さて・・・もう十分ストームクロークにはいたからな。ガルマルじいさんには悪いが、生き残っちまったからには、また自由に過ごさせてもらうぜ・・・」


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テルミンは、眼帯の上から左目をかくと、平原を眩しそうに見まわした。
「アタイはカイネスグローブって言う村に住んでるんだ。親が死んだあとは血の繋がっていない妹と二人暮らししてた。狩りをやったり、鉱山にちょこっと出稼ぎに行ったりしながら。質素だけどまあ、気ままなくらしさ。そんで3年前ぐらいだったかなぁ・・・ストームクロークが大々的に勢力を拡大し始めたのは。・・・その頃はまだ戦争始まってなかったけど、イーストマーチ全域で兵士の募集を始めたのさ。募集って言っても、実際は徴兵みたいなもんだな。で、妹は戦いとか向いてないから、アタイが代わりに応じたのさ」


「いろいろ事情がありそうだな」


「何言ってんの、ねぇよそんなもん。ただの仕事だよストームクロークは」


「・・・だが驚いたな。ストームクロークってのはみんな志願者で、筋金入りのタロス信者かと思ってたよ。ソリチュードに少数で奇襲をかけるぐらいだから、相当なウルフリックの狂信者達かと思ってた」


「ウルフリックの洗濯してねぇマントにかけて、そういう奴らが中心にいるのは間違いねぇよ。補給に困っている部隊でも、そういう奴が隊長だとタロスよ御照覧あれ、とか、スキーヴァーを焼いて食べれば問題ない、とか抜かしやがるから最悪なんだ。帝国軍のキャンプはまだマシ。ストームクロークの方はひでぇもんだぜ」


そう聞かされると、フーラの身が案じられた。仮に生きているとすれば、だが。
テルミンは、歩きながらストームクロークの兵士の日常を話し、仲間はそれを興味深く聞いては頷いたり驚いたりした。


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「タロス崇拝がどうのこうのって、小難しい理屈をこねて軍は動いているみてぇだけど、アタイみたいにそうじゃない奴もいっぱい居る。アタイがストームクロークを選んだもの、住んでる村がウインドヘルムの近くでたまたま徴兵があったからってだけで。軍隊入っておけばいろいろややこしいこと考えずに、毎日戦えると思ったからなんだ。一緒に参加した地元仲間もみんな似たようなもんさね・・・連中もタロスとか関係無しに入った奴ばかりさ」


テルミンは頭をかいた。


「それで最初は山賊退治とか、海賊との追いかけっことか、予想通りの楽しい仕事だったんだけどよ。今年に入って戦争が始まって、地元仲間とは違う部隊に配属されて、なんか全てが変わっちまったんよ」


「・・・新しい仲間も悪い奴じゃないんだが、兵士ってみんないろいろ抱えてるじゃん? 家族を食わせるためだったり、信仰のためだったり。大義やなんやらを前面に押し立てて、無理矢理戦ってるようにしか見えねぇんだ。なんでそんなに理屈こねなきゃ戦えねぇのかね、って。ぐちゃぐちゃ言う前にまず戦えよっ、アタイはそう思うんだけどねぇ・・」


「ぐちゃぐちゃって・・・でも、戦うのには理由は要るでしょ? 妹さんのためじゃないの?」
イェアメリスにはテルミンの戦い好きが理解できなかった。


「妹のためなんかじゃねぇよ。そうだ、メリス・・・、おまえ、人を殺したことないのか?」
不思議そうにテルミンが訊ねてきた。


「そんな! あるわけないじゃな・・・!」


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・・・


・・・


ドクン・・・


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・・・


言いかけて彼女は胸に痛みを感じた。手を伝う生暖かい血の感触。自分を凝視する死にゆく虚ろな目。忘れかけていたキルクモアでの事件。胃液が逆流してくる。


「そうか、じゃあ恋人は? 彼氏とかいないの?」


口の中に酸っぱいモノがこみ上げてきたとき、思いも寄らぬ二の句が飛んできて、彼女はむせた。血にまみれたビジョンがさぁっと引いてゆく。理解するのに時間がかかり、言われたことを咀嚼すると、顔が赤くなる。


自然と目がアスヴァレンを探して泳いだが、それに気づいた者はいなかった。


「ど、どうしてそんな急に」


「前の仲間が言ってたんだけどよ、殺したことあるか、無いかの違いなんて・・・ある意味セックスみたいなものだってさ」テルミンはあっけらかんとした顔で彼女を見ている。「一回やっちまえば、ふ~ん、そんなもんかって。でも、またやりたくなる」


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「セ、セ・・・」
イェアメリスはびっくりして目を見開いている。それを見て女戦士は、弁解するように付け加えた。


「あ、っちょっとまった。アタイは殺すのが好きなんじゃないからな。誤解しないでくれよ。アタイが好きなのは戦いだからな。その結果、殺っちまうかどうかなんて、セックスと同じ通過点みたいなもんだって、そう言いたかったんだ。アタイしゃべるの苦手だから・・・意味わかる?」


「分からないわよ!」


「え、でもセックス好きだろ?」


「す、す、好きって・・・! そんなわけっ!」


「エルフはみんな好きだって聞いたけどな、淫乱なんだって。ちがうのか?」


「ちがうわよ! ・・・テルミン、それ、すっごく間違った知識よ」


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話から取り残されたアルフレドも、テルミンの話にどんな表情で向き合って良いか分からず目を白黒させている。そんな二人を気にすることもなく、テルミンは続けた。
「まあいいけど、ええと・・・なんだったっけ? あ、そうそう。もう軍隊はうんざりって話だ。そう・・・なんって言うか、重たいんよ。入ってみて分かったが、純粋に物取りや山賊と戦ってる方が断然楽だって、そう思わねぇ?」


アルフレドはようやくとっかかりを見つけて、頷いた。
「ああ、セックスのくだりはともかく・・・その感覚ならなんとなく分かるな。オレは入ったこともないし入りたいとも思わないけど、軍隊暮らしは規律や規則やなんやらって、面倒くさいもんな。流しの傭兵を選んだのも、それが理由だしな」


「だろ。いやぁ、兄さん気が合うねぇ!」


豪快に笑うとアルフレドの背中をばん、と叩く。
理解不能であったが、少なくとも悪い人ではなさそうだ。あっけらかんとしているテルミンだったが、彼女は彼女なりにいろいろな考えているのだとイェアメリスは思うことにした。自分の持っている概念の中に当てはめないと女戦士の考えを受容するのは難しかった。


話しながら歩を進めていると、ドシーン、ドシーンという音が響いてくる。


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「きゃあ!」


丘を登っていたイェアメリスは、急に地面が脈打つのを感じてバランスを崩し尻もちをついた。稜線を越える手前で、茶色く盛り上がった山のような姿を彼女は見た。


「あ、あれはっ!」


少し脇をマンモスが通り過ぎていったのだ。


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アルフレドは構わず、マンモスたちが歩いている窪地の縁にある岩を回り込んでゆく。そして仲間に集まるよう言った。
「よし、着いた。ここで休憩だ」


「大丈夫? こんなに近づいて。わぁ、まだちょっと揺れるわ・・・!」


「刺激しなければ大丈夫だ。この岩陰で少し休もう」


窪地の中央には池があった。水が澄んでいることが離れた所からでも分かる。ホワイトランの草原地帯には雪解け水が湧き出す池や、地下を流れる川が表に現れるところなど、所々にこういった水辺があるのだ。彼らがたどり着いた窪地はその中でも大規模な一つ、ブリークウインド水源と呼ばれる場所であった。
マンモスは池に湧き出す水を求めて集まってきている。巨大な動物は、ゆったりと草を食みながら池の周りを歩き回り、彼女たちの目を楽しませた。そしてそれと共生する巨人達のキャンプが窪地の反対側にはあった。


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「お!マンモスチーズ!」
アーセランは巨人のキャンプにいくつかの革袋が置かれているのを見つけると目を輝かせた。「なんとかあそこまで辿り着いて、ごっそり頂けないもんかねぇ」


「やめときなさいよ! ・・・それに、ぜったいブレトンチーズのほうがおいしいに決まってるわ」


「メリスちゃん、食わず嫌いはだめだぜ」ボズマーはそわそわしだした。


「野菜食べないあなたに言われたくないわ」


「なんだよ、俺が野菜食べないのは教義だからだよ、食わず嫌いと一緒にするな」


「いいから・・・行っちゃだめよ。さっきの死体みたいにされちゃうかもしれないわよ?


「お、なんだ、マンモス? いっちょ狩るか?!」
ノルドの女戦士は、また一本蜂蜜酒の瓶を開けていた。アーセランと同じように巨人のキャンプを遠巻きに物色して、酔っ払った眼を期待に輝かせている。


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「やめてよ、テルミンまで・・・。ちょっと、アルフさん、せんせ、止めて!」


傭兵はくそ真面目な仏頂面で巨人のキャンプとマンモスへの襲撃を却下すると、代わりに昼食の時間を告げた。


もともと休憩はそのために取ったのだ。乾燥食料を手早く調理すると、一行はマンモスと巨人を眺めながら腹を満たした。

腹が満たされると眠くなるのは道理。昨日とうって変わって穏やかな気候の昼の日差し、更に半分徹夜状態とあっては仕方がない。


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ダメにしてしまったベッドロールを放棄してきたことは、彼らには何の障害にもならなかった。先陣を切って大の字になり、大いびきをかき始めたテルミンに続くように、次々と仲間達も地面に腰を下ろした。


「せんせ、寝ないの?」


アスヴァレンは起きているがさすがに彼も眠そうだ。


「いくらここが平和なホワイトランだといっても、誰か一人ぐらいは見張りがいるだろう?」

なんとなく無理矢理目を開いて頑張っているようにも見えなくない。そんな風に感じながらも、自身の睡魔には勝てず、イェアメリスは横になった。


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・・・




イェアメリスは綺麗に掃除された石畳の部屋にいた。サルモール本部に戻ってきたのだ。
ぴっちりとしたサルモールのローブが居心地悪い。服の中で呪いの傷がムズムズするような気がして、彼女は服の上から何度か鳩尾をさすった。


前回のように好奇の目にさらされることはなかった。作戦室にいる司法高官や兵士達は、皆それぞれ自分の職務に取り組んでおり、彼女に注意を払う者はいない。部屋を横切ろうとすると、一人の男が彼女に近づいてきた。顔見知りになったヴロタール司法官だ。彼はイェアメリスのことを認めると、声をかけてきた。


「おお、あんた。随分と早く戻ってきたんだな。で、任務はうまく行ったのか?」


「ええ、大丈夫なはずよ」


ニルンルートの大量買い付けを成功させ、無事に戻ってきた彼女。しかも片道十日かかると言われていたところを往復十日という半分の期間で成し遂げてきたのだ。優秀さを証明できるはずだ。


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彼女は二階への階段を上がると、閉ざされた扉の前で声を上げた。


「ラーリン指揮官、ただいま戻りました」
結局旅の間使うことのなかった二つ名、サルモール所属としての自分の階級姓名を告げる。


「入れ」


耳障りな声での素っ気ない返事。エランディルの声だ。


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彼女は特務官の待つ執務室に通されると、任務結果の報告を始めた・・・


「おい、メリスちゃん、起きて!」


「んん・・・」


「メリスちゃん」


「だめよ、まだ報告の途中なんだから・・・」


「メリスちゃん、おい」


(夢・・・?)


目を開くと、オレンジ色の光が視界に飛び込んできた。
少し冷たくなってきた風が草原を吹き抜け、彼女の髪を撫でてゆく。そうだ、ブリークウインド水源の岩場で休んでいたのだった。ようやく思い出すと、彼女はあたりを見回した。


アルフレドが太陽の高さを見て肩を落としている。


「んん・・・、アルフさん、どうしたの?」
イェアメリスは大きなあくびと伸びを同時にしながら、傭兵の方を向いた。


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「しまったな、寝過ぎだ・・・ちょっと休みすぎたみたいだオレたち」
気がつくと日没直前であった。


「あらやだ! あたし達、どれぐらい寝てたの?」


「3時間か4時間ってとこか・・・出発しよう。みんなを起こしてくれ」


彼は急いでアーセランとテルミンに声をかける。

イェアメリスは座ったままのアスヴァレンに出発を告げに行った。


「本読んでたんなら起こしてくれてもいいのに・・・ねぇ」覗き込んだらアスヴァレンは目を閉じていた。


ダンマーの錬金術師も眠気には勝てなかったらしい。

本を開いたまま眠りに落ちていた。


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先ほどの夢を思い出すと、イェアメリスは胸がきゅっと締め付けられるのを感じた。


ニルンルートの買い付けが無事終わったら、本当に解放してもらえるのだろうか。そのことが気がかりで、靴に入った砂のように、常に意識の片隅に引っかかり続けるのだ。お陰でどうしても注意散漫になってしまう。


昼寝から起きてからと言うもの、歩きながら何度か躓きかけて、そのたびにテルミンやアルフレドに支えられている。

疲れが溜まっていると彼らには思われているが、あまりにおかしいと感づかれてしまうかも知れない。


いや、もしかしたらもう知られてしまっているのかも・・・。
秘密を抱えて仲間を欺き続けながら旅をする、こんなことになるとは思っていなかった。


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新しい仲間を加えて、故郷から遠く離れたスカイリムを旅する。本当ならワクワクするはずなのだが、彼女は焦燥感だけが募ってくるのを感じていた。


そんな思いをよそに、目覚めた一行はホワイトランへの最後の行程を踏み出した。


ラビリンシアンを出てから街道の類いを一切使用していなかった。昼寝で思わぬ時間を食ってしまったが、案内人のコース取りは確実で、旅程はかなり捗っていた。ソリチュードからホワイトランに街道沿いで行こうとすると、ドラゴンブリッジ、追い剥ぎ峡谷、ロリクステッドと進んで、サンダーストーン峡谷の手前で東に折れる大回りなルートになる。その後はグレイムーア、西の監視塔、ペラジア農園を経由してようやくホワイトランに着く。アルフレドのお陰で彼女たちは、多少の寄り道はあったが、地図上でほぼ一直線に進んでいた。


「この辺は、実はハイヤル川の源流だって言われてるんだ」
日没の近いオレンジ色の大気の中、アルフレドは足下の草を踏みしだきながら進む。


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「ハイヤル川?」
アスヴァレンは自分の知識の中にない地名を聞いて首をかしげた。


「ソリチュードの手前でカース川に合流するもう一つの川さ。モーサルの湿原にも流れ込んでいるんだぜ」


「しかし、川なぞ見当たらないが・・・」


「ああ、ここら辺は地下を流れているんだ。さっき休んだブリークウインド水源みたいに、ところどころ地表に顔を見せながら、グリーンスプリング・ホロウのあたりでしっかりとした川になるんだ。ホワイトランでもリバーウッド周辺に並んで、景色のいいところなんだぜ」


ちょっと離れて二人のやり取りを聞きながら歩いていたイェアメリスはふと足を止めた。


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「あ、アスヴァレン、ちょっと待って。ほら、これ」
足下には倒木が横たわっている。
「モラ・タピネラが生えているわ」


ニワタケの一種で腐った倒木や切り株に発生するこのキノコは、幻惑呪文の効果を増幅する成分を備えていた。苦くて食べづらいものだが、錬金術師の間では重宝されている。彼女はモラ・タピネラを倒木の幹から丁寧に採取すると、三等分してアスヴァレンとアルフレドにもお裾分けした。


「オレの分?」


「ええ、お連れさん、クラリスさんっていうんだっけ? 錬金術師なんでしょ? あ、この青い花もいただいておこっと・・・探せば、結構いろいろあるものね」


「ああ、あいつもこのあたりをよく駆け回ってるよ」


ホワイトランに着いたのは、結局日が暮れた後であった。
城門外ではカジート達がキャンプを張っており、夕食の仕度を行っている。その脇をすり抜けながら門の正面に出ると、街の巨大さが実感された。ソリチュードとは違う平野に建つ街だが、一日前の山からも見ることができるくらい大きい。


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(ホワイトラン・・・これで半分来たのね)


城壁から垂れ下がる馬の紋章を見上げながら、イェアメリスは感慨に浸っていた。


篝火の焚かれた城門には衛兵らしき人影は居ない。


「あれ? いくら平和と言っても、衛兵さえもいないのって・・・」


「あ、見えないだけで上の櫓には居るぜ。それに、ここはまだ本物の城門じゃないから」


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アルフレドに促されて 一つ目の城門を潜ると、道は大きく右に弧を描いて曲がり、二つ目の門に突き当たる。二つ目の門は跳ね橋になっており、非常時には巻き上げられて外部と街を切り離せるようになっていた。


金属製の篭に吊されて野ざらしにされている。罪人がこのような扱いを受けるのはどの街でも同じであった。


篭の中から聞こえる弱々しげなうめき声を気にするようでもなく、テルミンは跳ね橋を渡った。


「オレも一歩間違うと、ああなってたわけだな・・・」アルフレドは横を通り過ぎるときつばを飲み込んだ。


「帝国に捕まって晒されてたアタイと、こいつら、何の差があるんかねぇ・・・」


街の壁外の様子を見ながら、イェアメリスは思い出していた。彼女たちも力で、島に入り込んだならず者を排除した経験がある。島の顔役のエドウィンが時折見せていた厳しい一面が彼女には理解できなかったが、スカイリムに来てようやく必要性だけは分かったような気がした。


「まさかメリスちゃん、こいつらも解放しようとかしないよな」


「しっ、しないわよ・・・!」



目と耳を半分耳を塞ぐようにしてイェアメリスはその後を追いかけた。


彼女は旅の間、故郷のキルクモアが、どれだけ平和な島であったかを思い知らされ続けてきた。まだ納得はできないが、昔はその必要性さえも理解できていなかったのだとようやく分かる。彼女は自分の無垢が失われてゆくのを感じていた。


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跳ね橋を渡ると城門前広場だ。


城門前と言ってもホワイトランのそれはソリチュードのとは異なり店があったりするわけではない。兵士達が整列したりするのに使われる、純粋な広場であった。その奥に最後の門がある。その門の左右には二人ひと組、合計四人もの衛兵が守りについていた。


案内役の傭兵は明らかに安心した風に肩の力を抜く。

衛兵の一人が、小走りに近づいて来るのに気付き、アルフレドはその人物が分かると気さくに声をかけた。


「やあ、リズちゃん。よかった。今日は君が門番なんだね」


声をかけられた衛兵が兜を外すと、その中から若い娘の顔が現れた。まだ少女とも言えるようなあどけなさを残した衛兵は、最初は訝しげに、そしてアルフレドの顔を認めると微笑んだ。


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「あ、アルフ君! ソリチュードから戻ってきたのね。お帰り! 帰えってくるの遅いから心配してたんだよ」


「ただいま、リズちゃん」


少女はアルフレドの後ろに着いてきた面々に顔を向けた。ノルドの女戦士にボズマーの商人、ダンマー? そしてブレトン? 贔屓目に見ても、やけにちぐはぐ、多国籍な一行だ。


「その人たちは?」


「ああ、ここまで護衛してきたんだ。オレのお客さんでもあり旅の仲間でもある。さて、遅くなっちゃったけど、バナード・メアはまだ部屋あるかな・・・」
そう言って門に向かおうとした傭兵を、彼女は遮った。


「えっ?」


「だめよ、アルフ君。日没後は閉門して入れない規則なの知ってるでしょ?」


「そうだけど、オレここの住人だぜ。頼むよ」


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リズと呼ばれた衛兵は、首を振った。
「いくらアルフ君とあたしの仲とはいえ、それはできないなぁ」


「ばっ・・・俺とリズちゃんの仲って・・・そんなクラリスに誤解されるようなことを・・・」


衛兵の少女はツンとした顔で傭兵に文句を言った。

「ちょっと、どこに引っかかってるのよ。違うでしょ? いま戦時中だし、ホワイトランを危険にさらしでもしたら取り返しつかないから」


「ダメか?」


「だーめ。アルフ君の頼みでも。あたしは良い衛兵なの」
とりつく島がない。


代わりに一歩前に出ると、イェアメリスは懐から木の札を取り出して、それをリズに見せた。


「ねぇ、あたし達怪しいものじゃないわ。手形はちゃんとあるわ」

リズはそれを眺めると、確かに有効な出型であることを認めた。


「これで、入れる?」


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リズは首を振った。


「ゴメンねエルフのお姉さん。手形があっても、門限があるの。夜は出入りしちゃいけないのよ」


「押し入っちゃうか?」


「テ、テルミン、もうっ・・・余計なこと言わないの」


その後アルフレドは二言三言リズと話をして、仲間の元に戻ってきた。


「すまない。オレが寝坊したばっかりに・・・」


「いいえ、アルフさんのせいじゃないわ。みんな寝込んじゃったんだもの、仕方ないわ」


彼女たちは元来た1つめの城門から外に出ると、ホワイトランの城市をとりまく周辺の建物に目をやった。


「てぇ~ことは、今日はまた野宿か? 焚き火マスターと薪集めマスターの出番だな」


「いや、確か城門外にも・・・馬屋の横に宿があったはずだ。今日はそこに泊まろう」


イェアメリスはため息をついた。
「アーセラン、あなたのこの手形、全く役に立たないじゃない。ファーランでもソリチュードでもそうだったけど、なんだか最近町の門に入れないのが普通になってるわ」


「まてよメリスちゃん、オレのせいだっての? モーサルではちゃんと入れたじゃんか。感謝してたじゃないか」


「まだ評価を下すには早すぎるわ。今度は夜でも入場できる手形をちゃんと準備するのよ?」


「ケッ、無茶言うぜ・・・って、テルミン姐さん、あんたなんか嬉しそうだな」


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「ああ? また蜂蜜酒にありつけると思うと嬉しくて。・・・な、早いとこ行こうぜ!」

早くも宿屋の看板を見つけて仲間を誘っている。


「さっき飲んだばかりじゃない!」びっくりしてイェアメリスはポーチの中の小銭入れの確認を始めた。「またお財布が・・・」しょんぼりする。


アルフレドが元気づけるように囁いた。
「遅れちゃったのはオレのミスだ。今日はオレが持つよ」


イェアメリスは微笑んだ。
「アルフさん、ちょっと真面目すぎよ。でもいいのそんなこと言って? テルミンきっとものすごい飲むわよ。そんな予感がするの・・・」


「えっ・・・じゃ、じゃあ、宿代はオレで、彼女の酒代だけメリスちゃんってのは?」


「いいわ、それで。・・・あ、宿代より高くなっちゃったりして」


相談する二人にのしかかるように、ノルドの女戦士がぶつかってくる。
「なになに、なに相談してんのさ二人とも」


「何でもないわテルミン、さ、行きましょ!」
一行はホワイトランを目の前にして、城門近くの宿、ラムズヘッドに泊まったのだった。


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・・・




宿に落ち着いて食事を取ったあと、彼らはようやく辿り着いた人里でのくつろぎの時間を持つことができた。


ソリチュードを出てからと言うもの、モーサルで食事をしただけで後はずっと野外を旅し続けてきたのだ。

ホワイトランに入ることはできなかったが、張り詰めた気を休ませるに十分な宿であった。


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アーセランはこれから向かうスカイリム東部の話をテルミンにいろいろ質問している。アルフレドもグラス片手にそれに加わっていた。


物静かなアスヴァレンはいつも通り、ノートを開くと何やら猛烈に書き殴っている。きっとモーサルの湿原で見たあの魔術師達のことを書いているのであろう。昨晩は野営地から逃げ出すのに忙しかったから、まとまった時間が取れたときに忘れないように書いているのだ。


彼女は邪魔しないようにと、こっそり部屋の扉を開けた。


「ん、メリス、どこに行くんだ?」
無視しているように見えても常に気にかけてくれている、そんな優しさを感じ彼女ははにかんだ。


「水浴びてくるわ。来ちゃだめよ、アスヴァレン」


「俺が?」


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「一度・・・見られてるから・・・」
顔を赤くしてボソボソ言うと、彼女は外に駆け出した。


変な時間に昼寝をしてしまったせいか、全然眠くならない。彼女はキャンプするカジート達の脇をすり抜け、ホワイトランの城壁西側に向かった。来るときに見かけたような気がするのだが、ドラゴンズリーチの山から湧き出した水が滝となって地面を叩いている場所がある。その先にはちょっとした池もあったはずだ。夜中だし街からも近くて安全そうだ。彼女は数日ぶりに、ここで水浴びをしようと考えていた。


予想通り池を見つけると、かがみ込んで手を入れてみる。澄んだ水は、キンと冷えている。あたりを見渡して人影も獣もいないことを確かめると、彼女は着ている物を脱ぎ始めた。


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池の中央に立ち、裸体を晒しながらツンドラの大地を一眸する。
故郷を出てどれくらい経ったのだろう。キルクモアの島を出たのがもう遠い昔のように思えた。いま彼女はサルモールの罠にはまり、故郷とおおよそ関連のないスカイリムの旅を続けている。


新しい仲間ができたが、島にはせっかく妹になったブラッキーを置いてきてしまった。サルモールの薬を届けたらすぐに帰るものだと思っていたので、ソリチュードでは東帝都社の事務所に寄ることもなかった。帰ると言った期限を過ぎてしまったから、ホワイトランに入ったら、東帝都社の事務所に寄って私書通信を使おう。そんなことを考えながら身体を清める。


瑞々しいエルフの肢体。しかしその半身・・・鳩尾から左腕はミミズ腫れのような呪いの傷に侵されていた。もう随分慣れて来た感覚だが、夜風が当たるたびにチクチクと痛む。


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空を見上げると淑女座と精霊座に挟まれるように塔座の星々が瞬いている。

確か今月はタムリエル各地で魔女祭りが開かれて祝われるはず・・・


少し身体が冷えてきた。


最後に一度、肩まで水に浸かり、上がって乾かそうと一歩を踏み出したとき、それはやってきた!


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・・・


ドクン・・・!


(あ・・・)


・・・


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(これは・・・!)


・・・


ドクン・・・!


・・・


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=*=*=*=*=*=


 手首から心臓まで蛇の葉脈が走り、光が灯される。
 月の満ち欠けにつき、蛇の眼は節を満たす。
 節は7つ。時に気をつけるがよい。


=*=*=*=*=*=


黄色の書の一説が思い出される。
忘れていた、忘れたがっていたあの始まりの痛みが襲ってきた。


「アグッ・・・! アァア・・・!」


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杭で磔にされる罪人の気分。彼女は獣じみた喘ぎ声を上げた。手首の孔から光の筋が伸び、腕を這い上がる。


光は二番目の孔に到達すると、そこに二つ目の眩しい光が灯った。


「イ、イヤッ・・・!」


(すべての節が光に満ち、蛇の眼が心臓に達したとき、そなたは呪いに喰われる・・・これが、二つ目の・・・眼?)


そう思ったとき、視界が暗転した。まるで貧血になったかのように手足から力が抜け、彼女は激しい水しぶきを立て、池の水面に仰向けに倒れ込んだ。


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水面の揺れが収まっても、彼女は身動きしない。


気を失った彼女を、夜空の星々が照らしていた。




・・・




イェアメリスは難破船の上にいた。


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踝まで水に浸かっており、鋭い雨と風が頬を打つ。波に打たれて船はぎぃぎぃと揺らめいていた。目の前にエルフの鎧を着た女士官が横たわり、彼女にビンを託送としている。


「イヤ・・・、それは欲しくないの!」


彼女はビンを押しやろうとしたが、その途端、女士官は目の前で灰になって崩れ落ちてしまった・・・


灰はしばらく漂うとやがて波と混じり、黒い水面だけが残された・・・


イェアメリスは難破船から待避しようと一歩踏み出して、バランスを崩した。倒れ込んだと思ったところは、岩肌であった。


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やっとのことで顔をあげると、目の前で謎の装置が明滅していた。イェアメリスは眩しさに目をしかめた。鈍い機械音がして、頭痛が襲ってくる。彼女は起き上がろうとして、自分が拘束されていることに気がついた。猿轡を嚙まされ、手足が縛られている。かろうじて這うことは出来たが、出口となる転移門が見つからない。身体の力が抜けてゆく・・・


どれだけ時間が経ったか分からない。目を覚ますと彼女は街道を歩いていた・・・


ブラッキー、狩人夫妻と共に、救出したオークを担いでいるのだ。町についてエドウィン家の扉を叩く。


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「なんなんだ! また見知らぬ顔が増えてるじゃないか?!」
怒鳴られてひるむと、また景色が変わった・・・


彼女は明け方の森を彷徨っていた・・・


後ろから少女が付いてくる。町に帰ろうとしているのだ。
空き地に踏み込むと2人の男が近づいてくる。片腕の男と、禿げたノルドだ。ノルドの表情は笑っていたが、その眼窩は虚ろだった。イェアメリスは恐怖に駆られて後ずさる。背中が木の幹に当たり退路を奪われた。これ以上退がれない・・・彼女は目を閉ざすと、夢中で手に持った剣を突きだした。


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禿げた男の黒い眼窩から血の涙が流れ出す。しかしその顔は笑ったままだ。
「あれ? おらどうして胸に剣が刺さってるんだぁ?」


「イヤ・・・」


生ぬるい血の感触
「イタイ・・・オマエ、オレを殺した・・・」


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「イヤ・・・イヤよ・・・!」


イェアメリスは目を閉じて顔を背けた。




・・・




久しぶりに落ち着いた場所で飲み食いしたアーセランは、テルミンとの会話を楽しみながら、アルフレドと一緒にイーストマーチの事情をたっぷり教わっていた。


「アタイ疲れたから、そろそろ寝るわ」
そう言うとノルドの女戦士はその場で横になってしまう。あたりに転がっている蜂蜜酒の空瓶は十本は下らない。彼らは部屋に酒を持ち込んで、床に座り込んで酒盛りをしていたのだ。


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「こりゃぁ、メリスちゃんにだけ持たせるのは可哀相だな。仕方ない、俺も少し出すか・・・」
アルフレドはそう言って酒瓶を脇に押しやると、自分も寝る場所を確保しだした。


赤い顔をしたアーセランも、少しふらついている。
ボズマーは立ち上がるとひとつ伸びをし、扉の方に歩き出した。


「アーセラン、どこ行くんだ?」


「あ、ああ、あれだよ、あれ」


アルフは分かったというように片手を上げると、そのまま横になった。「外で寝るなよ」


「大丈夫だよだんな。テルミン姐さんみたいにはならねぇから・・・」


「ハハ、それもそうだ。あの臭いはもう十分なんだろ」


「なんならだんなも嗅いでみる?」


「遠慮しとくよ」


ボズマーの商人はそのまま宿の扉を開け、宿屋の脇に回り込むと堆肥の積み上げられた一角に置いてある木の桶に用を足し始めた。
「うう・・・ブルルッ・・・。最近・・・スカイリムにきてから近くなっていけねぇなぁ。やっぱ寒いもんな、この国は・・・」
済ませた後、肩を大きく震わせると、ホワイトランの城門を見た。


彼はズボンを整える手が当たり、懐の中に隠していた仮面のことを思い出した。



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「そういえば、試してなかったな・・・」


思い出したら興味が湧いてきて、試してみたくなった。彼にしては慎重さが欠けるが、アルコールの勢いもあったのかも知れない。アーセランは大きく深呼吸して酔いを少し遠ざけると、仮面を顔に当ててみた。


ブゥン・・・


耳鳴りのような音がすると、視界が暗転する感覚に襲われ、色彩の褪せた世界に彼は放り出された。現実の世界のすぐ隣り。だが見えないはずだ。彼は試しに実験してみることにした。
宿の脇に駐まっている馬車の荷台に足をかける。しかしその足はすり抜けてしまった。現実世界の物質は、こちら側の世界では障害物にはならないようだ。


「もしかして、これって壁を抜けたりできるってぇ事か?!」


アーセランは馬車の脇で道端に腰掛けている御者を見つけ、声をかけてみた。


「おい、あんた」


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呼びかけてみるが反応はない。続いて手を伸ばしてみたが、その手もすり抜けてしまった。
触れたり動かしたりできない代わりに、音も立たないし障害物もすり抜ける。


「・・・つまり、オレはあっち側には存在しないってことか・・・」


アーセランは酔いも吹っ飛ぶ興奮に包まれた。


「スゲェなこれ、日記に書いてあった通りだ。これでメリスちゃんに薬を作ってもらわなくても、いつでも消えられるじゃん! ・・・なんてスゲェものを手に入れちまったんだ俺は」


そして城門を見てにやりと笑った。「衛兵とか関係ない訳ね・・・出入り自由。よし、ちょろっと中を覗いてやるか・・・」


そう言って奥の閉ざされた、第三の城門に向かって、"あちら側"を歩き始めた。


1つめの城門に向かおうとしたとき、向こうから誰かが歩いてきた。


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さっき入門を拒否してきた衛兵の少女が夜の巡回に出てきたようだ。アーセランは少し考えると、門に向かうのを辞め、その少女の後を着いて行くことにした。


少し離れた所から様子を伺ってみる。仮面の力で見つかるはずはないのだが、まだ慣れないため身体が自然に隠れ場所を探してしまう。


知り合いなのだろうか、城門横でキャンプを張るカジートキャラバンの面々と会話を交わしている。こちらの存在を全く悟られないのは便利だが、アーセランはこの仮面の不便な所にも気がついた。"向こう側"の光景は見えるが、音は全く聞こえないのだ。読心術でも修めていれば別なのだろうが、そう言った才能のない彼は、目に見える光景から状況を予測することしかできなかった。


衛兵の少女、リズがカジートキャラバンから立ち去ろうとしたとき、カジート達の耳が一斉にピンと張った。リズも何か横を向いている。音が聞こえないが、彼らは皆一様に何かに気を引かれたようだ。


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リズとカジートの中の一人が城壁の西に向かって走り出したのを見て、アーセランもその後を追いかけた。




・・・




「・・・ぇ、大丈夫?」


「ねぇ、お姉さん! 大丈夫?!」


肩を掴まれて乱暴に揺さぶられる。恐る恐る目を開くと、二人の人物が彼女を覗き込んでいる。衛兵と、カジートだ。


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「お姉さん、大丈夫? ね、あたしが分かる?」


「あ・・・」彼女は自分を助け起こした人物を見た。先ほど門を守っていた衛兵の少女だ。
「あなた・・・さっきの・・・」


「リズだよ。夜の巡回していたら、なんか苦しそうな声が聞こえたから。来てみたら、お姉さんが倒れていたんだ。ねえ、お姉さん大丈夫?」


イェアメリスは自分が裸であることを思いだし、池の縁に置いた衣服を取ろうとしたが、思うように身体が動かなかった。額に脂汗が浮かぶ。腕を貫く痛みは酷く、その傷に浮かぶ光を隠すこともできなかった。かろうじて声を絞り出す。


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「あんまり・・・大丈夫、じゃ、ないみたい・・・」


衛兵リズとカジートは顔を見合わせる。少女がうなずくと、カジートは薬瓶らしき物を取り出した。


「これはスクゥーマ、麻薬だよ。・・・当然スカイリムでも禁じられているけど、例外があるの」少女はカジートから瓶を受け取ると、その栓を抜きながらイェアメリスに声をかけた。
「怪我などでもう死にそうな人に対して、苦しみを減らしてあげるために使うのだけど、今のあなたの苦しみ方は普通じゃないから・・・ちょっとだけなら大丈夫かもしれない。使う?」


イェアメリスに選択の余地はなかった。


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かすかに頷くと、リズは彼女の口に、スクゥーマを数滴たらした。


しばらく目を閉じて安静にしていると、イェアメリスはなんとか起き上がれるようになった。裸の彼女は、隠すこともできずに二人の前に身体の傷を晒してしまう。呪いは左腕の二つ目の穴まで進行している。夜の闇の中にその光点が怪しく浮かび上がった。


「ねぇ、あなた、その腕どうしたの? 何かの病気?」


呪いの傷を人に見せたのは初めて、いや、二度目だ。一度目はエランディル特務官だからいいものの、今回は無関係の者に見られてしまった。


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彼女には説明することができない。すればすなわち、秘密を話したことになる。イェアメリスは曖昧にはぐらかした。


「え・・・ええ。そのようなものよ」


それを聞くとリズはあわてて後ずさった。


「大丈夫。感染するようなものじゃないわ。あたしが死なない限りは」


「ほんと? あなたを街に入れても大丈夫?」


「ええ、大丈夫よ。だって、ソリチュードや別の街にも泊まってたから。でも気にしないで。あたしが向かっているのはこの街じゃないの。明日になったら寄らずに出発するわ」


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それを聞くと、リズは申し訳なさそうな、しかしホッとしたような表情になった。


「冷えちゃうから、早く服着なくちゃ」
言われるままに服を着ると、彼女は池から離れて、城門横のカジートの焚き火に誘われた。少女が聴いてくる。


横にいるカジートは黙っていたが、リズが立ち上がると初めて口を開いた。

「リズちゃんや、もう行くのかね?」


「うん。まだ巡回の途中だし、交代に遅れると怒られちゃうからね。リサードさん、あと、いいかな?」


「カジートに任せるといい。さあ、お戻り」


リズはカジートの老人に後を託すと、小走りに巡回に戻っていった。
取り残されたイェアメリスの横に、カジートが座る。


「あの・・・あなたは?」


「ん? カジートはリサードだ。商売させて頂くために、はるばるタムリエルを旅してきたよ」
リサードと名乗った老人は、このキャラバンの長らしい。


「さっきはその・・・薬を、ありがとう」


「スクゥーマは人間にとっては毒だ。気をつけるといい。これっきりにするんだ。そして口をつぐむ。いいね」


イェアメリスはこくりと頷いた。


「いい子だ」リサードは焚き火の前で姿勢を変えると、イェアメリスに使った残りのスクゥーマを飲み干した。「ああ、染み渡る・・・エルスウェーアの暖かい砂は、遥か遠くだな」


「そんなに飲んで大丈夫なものなの?」


「カジートには耐性があって。分解して排出できるのさ。人間だったら一発で廃人行きだろうね」


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焚き火を見つめながら、彼女は自分の身体を点検した。左腕は重さが残るが、痛みは引いている。
「ねぇ・・・おじいさんは、どこから来たの? エルスウェーア?」


「そう、カジートの故郷はエルスウェーアと呼ばれる砂漠地方だよ。北はシロディールに国境を接し、南は青くきらめく海に縁取られた国だ」


「本でしか読んだことないわ。ハンマーフェルみたいな所かしら?」


「もっと熱いところだよ。・・・エルスウェーアは砂漠と岩がちな峡谷が広がる乾いた国で、暖かい陽光がいつも燦々と降り注いでるんだ」
リサードは遠く故郷を偲ぶ表情になった。


「古い都がいくつも砂に埋もれていて・・・いや、これ以上はやめとくよ。里心がついちゃまずい」


リサードはカップに熱したお茶を注ぐと、イェアメリスに手渡した。
「落ち着いたかね、お嬢さん」


イェアメリスは熱いお茶を飲み干すと、リサードにカップを返して立ち上がった。
「ええ、ありがとう。皆が心配するから、そろそろ戻るわ」


「そうするといい。カジートは明日までここに居るよ、用があったら来なさい」



・・・



物陰からアーセランはその様子を伺っていた。


「あの傷・・・それに光・・・ありゃ一体何だ?!」


彼はイェアメリスがリサードに別れを告げているのを見ると、あわてて宿に駆け戻った。部屋の床で大の字になって大いびきをかいているテルミンを見つけると、少し離れた所に転がって仮面を外す。実体化したアーセランは仮面を身体の下に隠すと、すぐさま寝たふりをした。


ギィ・・・


仲間を起こしてしまわないように気をつけながら、帰ってきたイェアメリスは部屋の扉を開けた。


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部屋では既に仲間は寝入っていた。テルミンとアーセランの豪快ないびきが二重奏を奏でる間で、アルフレドが心持ち眉をひそめるようにして眠っている。アスヴァレンも書き疲れたのか今日は寝ている。彼女は部屋の入り口に立ち尽くすと、ダンマーの寝顔を眺めた。しばらくそうした後、そして服の上から胸の傷に手を当て、自分も床に横になるのだった。




・・・




イェアメリスは再び綺麗に掃除された石畳の部屋にいた。サルモール本部の広間。そこには厳しい表情を浮かべたエランディルが立っていた。


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「貴様もアルトマーの血を引くのなら、我々サルモールに協力するのは義務だ。そうだろう?」


彼女は拒否の意思を示すが、すると胸の傷が熱を帯び始めた。
熱は痛みとなり、我慢できずに彼女はひざをついた。


「早くこの呪いを解いて!」


「リフト地方のサレシ農場へゆけ。ニルンルートを買い付けてくるのだ」


「それでこの呪いから開放してもらえるのね?」
ブーツの音を高く響かせて、エランディルは舐め回すようにイェアメリスの周りを回った。


「考えておこう」


彼女の耳に顔を近づけると、エランディルの声が次々と聞こえた。


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「臭いな・・・人間の臭いがする」
「なんだ。まだ一つしか埋まっていないではないか」
「もう少しゲームを楽しもうじゃないか」
「残念ながら吾はまだ、お前を解放してやる気分になれそうにない」
「貴様がラーリンとなれ」
「・・・」


見たこともない女の声も聞こえる・・・


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「ロルカーンの涙・・・」

「教育を与えても無駄になるのではなくて?」

「じゃあ、死ぬ前にあたしに実験させて。いいでしょ?」

「・・・」


「やめて!」


イェアメリスが叫ぶと、みたこともない女の姿はかき消えた。石畳だったはずの足下が変わっている。
ウルフスカルの祭壇だ。彼女は力なく横たわっていた。


狼の女王の声が響く。


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「なにを言う、妾は呪いなどではないぞ」

「死ねば良いではないか」

「・・・」


「やめて!」
イェアメリスが叫ぶと、ポテマの姿はかき消えた。冷たい風が吹く湿原に彼女はいた。円形の祭壇。彼女は星形の魂石を胸に抱いてそこに立っていた。ファリオンとファルサ、そしてゾンビたちが彼女を取り囲んでいる。


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「オブリビオンの領域に呼びかける。我らと異なる祖先を持つ者達よ。我が声を聞き入れたまえ!」
「その力を呼び起こそう! 差し出した魂を受け入れたまえ!」
「宵と暁をつかさどるアズラよ、夜明けの目覚めだ!」


「・・・」


「・・・」


「・・・」


彼女は傷が疼くのを感じて目を開いた。起きてみると床の上だ。一瞬自分がどこに居るのか見いだせずに、必死になって周りを見回す。真っ先にアスヴァレンの姿が眼に入り、彼女はホッと息を吐き出した。テルミン、アーセランたちも自分の荷物をまとめている。そうだ、ここはホワイトラン城門前の宿屋だった。
窓からは朝日が差し込んでおり、眩しそうに彼女はそれを見た。


「ん・・・最悪の気分・・・」


「よく眠れなかったみたいだな」


「ええ・・・」
せっかく身体を清めたはずなのに、嫌な汗をかいてしまっていた。


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魂を損傷して肉体が崩れゆくゾンビ、魂を失い冷たい身体の吸血鬼、・・・そして魂と血肉を備えながらも意思に反してサルモールに使役される自分・・・、三者が似たものに思えて、彼女の気分は日の出にもかかわらず陰鬱に沈んでいた。


「あなたはすごいわ。どこでも動じない。それに・・・」言いかけて口ごもる。悪い癖だ。アスヴァレンの気遣いに憎まれ口でしか返せない自分を心の中で責める。


「早く出発しないとね」


「そうだな」
彼女が立ち上がると、長身の錬金術師も自分の荷物をまとめ始めるのだった。


島を出てから月が一巡りした。


2-9 Route End


今日は魔女祭。


不安と秘密を抱えたまま、彼女はまだスカイリムを東に向かわねばならない。



(第10話につづく・・・)



※使用mod


・EstrusForSkyrim( Nexus 33102 )
 取り敢えず、エロ~イmod、Adult-Onlyですw
 バージョン上がって更にエロさがアップしました。
 このmod何に使ってるんだって?・・・実は涙のテクスチャオーバレイが秀逸なのです
 Ixum TatoosとRacemenuで取り込んで、透明色としてフェイスペイント代わりに乗っけて、今回のイェアメリスの涙を表現しました


・FFFollower 2017
 お世話になっているフカヒレさんのフォロワーの中からテルミンさんに参加して頂きました(๑╹ω╹๑ )/
 豪放磊落&お茶目、という原作の雰囲気を上手く出せていたらいいな~
 今回から、少しの間イーストマーチ周辺で一緒に冒険します^^


・Liz follower
 お世話になっているたいこさんの可愛らしい衛兵さん
 キャラ設定通り、ホワイトランの衛兵さんとして頑張ってもらってます
 衛兵なので冒険には同行できませんが、今後もホワイトランに寄るときに出演いただこうと思っていますヾ(๑╹◡╹)ノ"
 
・Tempest Three Followers
 お世話になっているテンペストさんのフォロワーにエキストラ出演して頂きましたヾ(๑╹◡╹)ノ"
 テンペストさんとメリュジーヌさん、さりげなく映っています^^


・MGNY Abel / MGNY Ray
 お世話になっている眼鏡屋さんのフォロワーにエキストラ出演して頂きましたヾ(๑╹◡╹)ノ"
 アベルくんとレさん、どこに居たか分かったでしょうか?


・SRollFollowers
 お世話になっているスイートロールさんのフォロワーにエキストラ出演して頂きましたヾ(๑╹◡╹)ノ"
 これは分かりにくい! どこに居たでしょうか~?w


・ Males of Skyrim( Nexus 61937 )
 ハドバルさんはこのmodでカッコ良くなって頂きました


・ホワイトラン美化/拡張mod群1
 JK's Skyrim major Cities( Nexus 61035 )
 Dawn of Skyrim + JK Patch( Nexus 58275 )
 この2つをベースとしています。


・ホワイトラン拡張美化/拡張mod群2
 Expanded Towns and Cities( Nexus 13608 )
 Beautiful Whiterun( Nexus 12110 )
 Whiterun Evpansion( Nexus 67367 )
 城壁外の地区などを大幅に拡張してくれます。


・ホワイトラン拡張美化/拡張mod群(おまけ)
 JUSTICE - City Exteriors( Nexus 59115 )
  野ざらしの罪人を追加:美化かどうかは怪しいですがw


・Shadow of Morrowind( Nexus 77506 )
 モロウウィンドの風景(レッドマウンテンと溶岩流)に使わせて頂きました。最近バージョンアップしましたね


・Point The Way( Nexus 33393 )
 行き先表示の看板を追加するmodです。対応しているランドマーク追加modが多く、雰囲気も損なわないのでオススメです


・Wet and Cold( Nexus 27563 )
 天候や気温、水濡れでキャラクターに影響を与えるハードコアmodです
 撮影時にはステータス連動機能を切って、装備への積雪表現に使わせて頂きました



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6 Comments

フカヒレ  

No title

もきゅさん更新お疲れ様です。このボリュームを2話更新ってスゲエ...

姉さんがこの物語に登場でき、しかもメリス一行に加えていただけるとは幸甚の至りです。メリスさん、アネゴを助けてくれてありがとう...恩は戦って返します(それしかできねえ&酒飲み過ぎで逆に負担かけてる)

装備調達やら、マンモスチーズやらで、何気にアーセラン君とウマが合うのが身長差もあって面白いです。アルフ君が苦労人ポジションになってしまいましたが・・・!
今後とも姉さんをよろしくお願いいたします!
例のsex関係のセリフは、オイオイアネゴいきなりなんだ・・・wと思いつつも、確かに案外そんなものなのかもしれないと変に納得してしまいました。
あと、アネゴの妹の存在が気になって仕方がありません・・・

後半、呪いに関する描写を見ているとメリスさんが心配になります。ヴァーミルナが見せた夢は彼女の時間軸を表わしているのだとしたら最後の描写が気になりますねぇ・・・
無事元の身体にもどれますように・・・

まとまらないコメントでスミマセン、ではこれにて!

2017/12/08 (Fri) 19:31 | EDIT | REPLY |   

ナディア  

ナディアなのだ(⊙ꇴ⊙)アフゥ!

ナディアでございますなのだ~(⊙ꇴ⊙)
二話アップお疲れチャーンなのだOK(•ω<)✌

遅くなりまして申し訳ないのだ(。•́ω•̀。)

ファリオンの魂魄のお話は面白かったのだ(´◉ω◉`)
ナディアもあぁいう蘊蓄は大好きな方で、吸血鬼って空想だから色んな解釈があって面白い☺
モラグバルは使役を司るだけあって納得できるのだ。

ソリチュードからホワイトランへ、長い歩行の道程が良く表現出来ていると思うのだ。

途中で出会う人々との出会いや別れも、サラっとしていて歯切れの良さがある反面、今後どこかしらでまた関わってきそうな余韻もあったりして、話の展開が楽しみになってくるのだ٩(๑>∀<๑)۶

あぁいうのはナディアも色々やりたいなぁ~と思うんだけど、意外に釈が延びちゃって、どこかで制限しないと展開がダラダラになっちゃう時もあるから、最終的にいつも悩んでしまうのだ(;-ω-)ウーンムズカシイ
だから見習わないと(;//́Д/̀/)

ところで今回のお話、チョイとSOSの次回UP内容と被ってしまう所があるのだ(´◉ω◉`)
どうしようかなぁ~
でもこれ、”目覚め”の為に変えられないんだよなぁ~アフゥ(๑•̀ω•́๑)ウームヤムオエナイノダ!

次回を楽しみにしているのだ٩(๑>∀<๑)۶

2017/12/11 (Mon) 19:08 | EDIT | REPLY |   

どくうつぎ  

No title

なんとか年内に二話とも読めたー!
前の話でまさかアーセランくんが仮面を手に入れるとは。
テルミンねえさんも加わって今後が楽しみですにゃー。

では良いお年をー!

2017/12/31 (Sun) 18:30 | EDIT | REPLY |   

もきゅもきゅ  

To フカヒレさん

フカヒレさん明けましておめでとうございますヾ(๑╹◡╹)ノ"

テルミン姐さんを使わせて頂きありがとうございます!
ちょっとの間、ドタバタに付き合って頂こうと思ってます。ストクロに帰るか、それとも別の道に行くかは今考え中だったりします。(先のプロットと併せて、どっちが良さそうか模索中)
姐さんはキャラが立ってるので、全然行きそうにないところに連れ出したらどう反応するかな、などと楽しみながら書かせて頂いてます。姐さんの妹の件については、・・・フフフ あ、でも外伝的な話になっちゃうかな?w

なにはともあれ、今年も仲良くしてやって下され~(๑╹ω╹๑ )/

2018/01/06 (Sat) 13:10 | EDIT | REPLY |   

もきゅもきゅ  

To ナディアさん

ナディアさん明けましておめでとうございますヾ(๑╹◡╹)ノ"

いつも書き始めの頃は「規定分量に達しないんじゃね?」と思っているのに、途中で「やべ、コレ長くなりすぎるわ」となってしまい、相変わらず安定しない毎話の長さになっちゃってます(^_^;)
あまり長くなりすぎるのもページ表示の関係で読みにくいかな、と今回思い切って二つに分割してしまいました。1話の中で考えている小さな起承転結までちょん切れちゃうのが玉に瑕なのですが、読みにくくなるよりはマシかな~って。
あとは、放っておくとどんどん長くなる病wをリセットする意味もあるかもw

内容被りについてはお互い気にすること全くないですよ~(๑╹ω╹๑ )/
プレーヤーの数だけそれぞれの物語、ロア、世界線があるのがスカイリムのいいところですから^^

それでは、今年もよろしくお願いしますなのだぁ!

2018/01/06 (Sat) 13:15 | EDIT | REPLY |   

もきゅもきゅ  

To どくうつぎさん

どくうつぎさん明けましておめでとうございますヾ(๑╹◡╹)ノ"

お時間あるときでイイですよ~w どんどん長くなってしまう病真っ最中なので^^;
最近は詳細プロットを1話分に落とし込むときに、各シーンの存在意義を書き出して、不要な部分はノイズとしてカットするように心がけていますw

テルミン姐さんはブラッキー君と絡ませたら色々面白いことしでかしてくれそうなので、なんとかあの二人も出会わせてあげたいですね~。

P.S.うちの不良メイドの面倒、よろしくお願いしますw よく食べてよく働かない財布ブレイカーですw

2018/01/06 (Sat) 13:19 | EDIT | REPLY |   

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