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TES大好き、もきゅがスカイリムの物語をお届けします

◆Chapter 2-5: 空回り

2017
19

上級王トリグが公衆の面前で暗殺されるという衝撃的な事件から一夜が明けた。


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いきなり王を失ったブルーパレスの混乱はとても収まるようなものではなく、実質機能が麻痺したソリチュードの指揮はスカイリムの帝国軍を統括するテュリウス将軍が執ることとなった。


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上級王が弑され、ウルフリックが門を破った直後、将軍はすぐさま居合わせた兵士たちを臨時編成で送り出していた。相手を見失うわけにはいかない。その後、ソリチュード上層街には戒厳令が敷かれ、市民の外出は禁止された。上層街だけでなく、海からの逃走を防ぐため港の運営停止も言い渡され、大型船から桟橋移動用の艀に至るまで、すべての船は移動を禁止されることとなっていた。追って臨検も開始されるのだろう。


街の各所には半旗が掲げられている。早すぎる上級王の死を悼み、ソリチュードはいま、喪に服していた。




・・・




ブルーパレスに繋がる長く緩やかな坂道。途中にその建物はあった。ソリチュードには大学と呼ばれるものが2つある。一つは魔術を修めるウィスパーズ大学、そしてもう一つがここ、600年の歴史を持つ吟遊詩人大学だ。


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ソリチュードで有名なオラフ王の焚刑祭も毎年ここで開催される。一階のエントランスの奥は小型のスタディオンになっており、野外で人を集めて演劇や音楽を振舞うことができるようになっていた。


観客席の外れにある柱の間からは、冬を控えた亡霊の海の景色をうかがうことができる。澄んだ空気を通してノルドのルーツたるアトモーラを遥かに望み、穏やかな天気に海はどこまでも広がっていた。普段は学生たちが思い思いに腰掛け、語らい、詩歌を披露しあうこの場所だが、今は誰もいない。そのスタディオンに若い女の歌声が響いていた。


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乾杯をしよう 若さと過去に
We drink to our youth, for the days come and gone.


苦難の時は 今終わりを告げる
For the Age of aggression is just about done.


血と鋼の意思で 敵を追い払おう
We'll drive out the Stormcloaks and restore what we own.


奪われた故郷を 取り戻そう
With our blood and our steel we will take back our home.


ウルフリックに死を! 王殺しの悪党!
Down with Ulfric, the Killer of kings.


討ち破った日には 飲み歌おう
On the day of your death we will drink and we'll sing.


我らは戦う 命の限り

We're the children of Skyrim, and we fight all our lives.


やがてソブンガルデに 呼ばれるまで
And when Sovngarde beckons everyone of us dies.


それでもこの地は 我らのもの
But this land is ours and we'll see it whiped clean.


今こそ取り戻せ 夢と希望を
Of the scourge that has sullied our hopes and our dreams.



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「うむ。即席にしてはなかなかの出来だ。これでいい」


壮年の男が拍手を送った。テュリウス将軍だ。混乱収拾に忙殺されているはずの彼は、貴重な時間を割いてこの大学を訪れていた。彼の横に立ち緊張の面持ちで顔色をうかがっていたアルトマーは額の汗をぬぐうと、ステージに立つ歌姫と顔を見合わせる。


"侵略の時代"と名付けました」


歌い終えた歌姫リセッテは、二人しかいない観客に軽く会釈をした。

テュリウスが頷く。


「私はこれから本体を率いてウルフリック追跡に出発する。昨晩から働きづめの諸君らには悪いが、もう一仕事してもらうぞ」


王が暗殺されるという昨夜の事件を受けて、将軍は即座に行動を開始していた。現場に居合わせることこそできなかったものの、部下の情報を元に次々と手を打ってゆく。吟遊詩人大学を訪れたのにもちゃんとした理由があった。必要だから来たのである。


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「心得ております将軍。この非常時、吟遊詩人大学は常々受けていますソリチュードからの厚遇に報いねばなりませぬ」


ヴィアルモ学長はくまの浮かんだ、しかし意思のこもった目で将軍を見返した。


「各部隊に詩人を配置してこの歌を流布させるのだ。人選をして昼までにドール城に出頭させろ」


「人数はいかがいたしましょう」


「デクリオン(十人隊)に一人・・・いや、それでは足りぬな。ケントゥリオン(百人隊)に一人付ける。4人出せ」

シロディールであれば風説の流布を専門に行う広報部隊が存在するのだが、スカイリムにそのような制度はなかった。くわえて帝国兵も現地で徴募した者達が大半であり、将軍は宣伝塔として活動する者も現地で集めるしかなかった。


ヴィアルモ学長は歌姫を見た。

「街の方は、戒厳令が解けるのと同時に、すぐにウィンキング・スキーヴァーからはじめよう」


「分かったわ」


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「各地の吟遊詩人、そして旅する戦士詩人にもこの新曲を広めるのだ」


詩人はある程度文明化された土地では必ず見られる職業で、口伝伝承による歴史の担い手であった。歌は市井の娯楽であり、教育でもあり、遠い地の出来事を知るための情報源なのだ。

スカイリムを旅しながら詩歌を披露する戦士詩人も、貴族のお抱えとなって歌や演劇を披露する吟遊詩人も、まずは登竜門として大学で学んだ者が多い。それらの詩人たちは卒業して各地で独り立ちした後も、新たな演目を仕入れるために大学を訪れる。


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帝国軍はこういった詩人たちを優遇し、積極的に活用していた。
そう、歌は武器でもあった。


リセッテを建物内に戻すと、テュリウス将軍と学長はもう2、3の案件についててきぱきと取り決めを行った。ウルフリックに掛ける懸賞金の案内や立札など、諸々の手配を行ってゆく。


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「いいな、決して"決闘"という言葉を出すな。奴は騒乱を首謀している犯罪者だ。規模は反乱でも、あくまでも犯罪者だと言うことを強調するのだ」


学長にそう言い残すと、将軍は一人、ドール城に帰って行った。
中庭に差し掛かると城壁を見上げる。長い階段が城壁上に向かって伸びており、その登りきったところには衛兵が起立している。彼らの掲げる旗は竜をかたどった帝国の物でも、ソリチュードの象徴たる狼でもなかった。


塔を護るのはエルフたち。
将軍はその光景を苦々しげに一瞥すると、城壁に設けられた入り口、自分の城に消えていった。


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その小塔の中・・・


薄暗い広間に置かれた長テーブル。上にはスカイリムの地図。そしてその周辺に立つ人々。そこではノルドの首都であるこのソリチュードに似つかわしくないような、異様な一団が集まっていた。とがった耳を持ち、魔術に秀でた種族。エルフ種族の盟主を自認するアルトマーとその関係者。その中でも急進的な思想で団結し、アルドメリ自治領を復活させたサルモール達がここには集っていた。30年前、帝国と雌雄を決する大戦を繰り広げた彼らサルモールは、白金条約という条文を取り交わして、現在は束の間の休戦状態にある。


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・ブレイズの解体
・タロス崇拝の禁止
・ハンマーフェル南部の割譲


サルモールと帝国が交わしたのはこのような条文からなる白金協定だが、その付帯事項としてタロス崇拝を取り締まる司法高官の派遣と権限に関する記載が含まれていた。それを拠り所にサルモールは司法高官を帝国の隅々まで派遣し、30年かけて緩やかに浸透させていた。スカイリムでも例外ではなく、サルモールたちは周りの悪感情に怖じ気づくこともなく、まるで統治者かの様に振舞っていた。


スカイリムで働く職員や兵の大半は、キルクリース山の中にある大使館や駐屯地に滞在している。大戦中、彼らはスカイリムの地をついぞ踏むことはなかったが、停戦後、条約を盾に大胆にも行政の中心地であるソリチュードに乗込んできた。そしてあろうことかそのど真ん中にある帝国軍の本拠地、ドール城に隣接した小塔と城壁の一帯を接収して本部として使いはじめたのだ。


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客間とも呼べる部屋に2人のサルモールが居た。夜中のうちに早馬が飛んでいたので、じきに皆到着するだろう。本部の主であるオロンディル外交官は自分の広い執務室で、食事を摂っていた。ここではそんな配慮は無用なのだが、ソリチュードの宮廷に出向くことの多い習慣から、サルモールの軍服ではなく普通の貴族服を身に纏っている。彼は仲間の到着を待っていた。上級王暗殺の報を聞いて、スカイリムのサルモールを統括するエレンウェン第一特使が上級幹部達を招集したのであった。


「上級王が決闘で殺されるとは、なんとも前時代的なことですな」
オロンディル外交官は嘆息した。せっかくトリグ王と内定させた来年度の主要取り決めが締結寸前で白紙に戻ってしまったのだ。ソリチュードの宮廷に入って、様々な交渉ごとを調整している特使の苦労は、暗殺にすべてを台無しにされてしまった。現在は次に交渉する相手さえも定かでは無い状態だ。


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「次期首長はどうするのだろうな。それに上級王も」
同じく早めに到着して時間をもてあましていたアルミオン司令官が話に乗ってきた。


「エリクールか、ヴィットリア・ヴィキあたりが就くのでは?」


「エリシフをさておいて、それはあるまい」


「ハーフィンガルの宝石、ソリチュードの首長にして上級女王たるエリシフ・・・などと言えば聞こえはいいが、実質何も出来ぬ女に過ぎぬ。王なぞ務まるとは思えんが」


「我々の国ではそうなるかも知れん。しかし、ここはスカイリムだ。ノルドの伝統に沿った形で物事は決まるだろう」


「オロンディル、スカイリムの文化について一番詳しいのは貴卿だ。その見立てではどうなると思う? やはり、なんとか・・・と言う会議で決めるのか?」


「ムートのことか?」


「そう、そんな感じのやつだったな。連中はその会議で上級王を決めるのだろう?」


「伝統ではそうだが、首長たちが互いに兵を率いて睨みあっている内戦状態では難しいだろうな。中立を標榜しているとはいえ、バルグルーフ首長はムートの会場になるホワイトランにそんな連中を招き入れないだろう。私としては、しばらく前の帝国と同じように、空位状態が続くと考えるよ。おや、何人か来たようですね。下に降りてお迎えに上がりましょう」


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2人の他にも徐々に人が集まり始めた。定例報告に訪れていたマルカルス総括のオンドルマール第三特使、大使館を任されているルリンディル第三特使、魔術の実験部隊を率いるエランディル特務官、アンカノたちが加わった。


「まさか帝国の膝元であるソリチュード。しかも我々の目の前にウルフリックが乗込んでくるとは・・・」


「文明とほざいているが、所詮ノルドなどと言う山ザルの国だ。仕方あるまい」
病的な青白い顔の特務官は、小馬鹿にしたように吐き捨てた。燠のような光が眼窩の中でちらついている。仲間のサルモール達も気味悪がって積極的に彼に近づく者はいない。


「しかし膝元で旗印が暗殺されたとあっては、帝国にとっては痛手でしょうな。マルカルスにも思った以上にタロス崇拝者、それにストームクロークの同調者が潜んでいます。我々の対応も修正せねばなりません」
オンドルマール特使は物腰柔らかく返した。変わり者エランディル特務官は、独自の魔術実験を繰り返しており、サルモールの中でも忌避されていた。この恐ろしい特務官に普通に話しかけられるのは、エレンウェンとオンドルマールぐらいのものであった。


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「悠長だなオンドルマール卿。奴らなど、どんどん殺し合わせてやればいいのだ」


ヴォララノ、オルクァー、ヴァルミエルといった駐屯地からの指揮官たちも入室して、会議のメンバーは殆ど揃った。しかしそれに気付かず、エランディル特務官はノルド批判を繰り広げていた。


「エランディル・・・」
最後に入ってきた女性のアルトマーが遮ろうとした。


「タロスを崇拝していようが居まいが、そもそも奴らは存在自体が害悪ではないか。それに・・・」言いながらエランディルはどんどん激昂していく。


「エランディル!」


テーブルの中央に立つ女性から叱責が飛び、特務官は口をつぐませられた。サルモールの特使たちをたしなめるように口を開いたのは、ここスカイリムでの全権を任されているエレンウェン第一特使であった。


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「・・・ノルドを馬鹿にするのは結構ですが。翻ってそなたたち自身、優勢種族としての務めをちゃんと果たせているのですか?」


第一特使は物静かに、しかし聞くものを威圧するように続けた。
「自らも反省が必要だとは思いませぬか? この事態を把握できなかったのは我々も同様なのですから」


彼女は出席者の目を、一人ひとり覗き込むように見回した。


「分かっていますか? 我々は王の取り合いなどと言う劇的な変化は望みませぬ。このスカイリムでは膿んだ傷が徐々に悪化するよう、ゆっくりと、しかし常にどこかで衝突が起こり続けるよう計らうことが肝要なのです。力を依る術とするものに、力で応じる必要はありません。先の大戦は我らにとって良き教訓になりましたでしょう?」


口々に賛同の声が起こる。


「人の寿命は瞬きする間。ですがその分、増える力は恐るべきものがあります。人を減らす策を途切れさせた時、われわれは敗北するでしょう。それを肝に銘じておきなさい」


オンドルマールが控えめに口を挟んだ。
「ウルフリックが連絡を絶って25年・・・マルカルスから解放したのは私の早計だったかもしれません・・・」


「そうですね。少し野放しにしすぎたやも知れません。彼ももう晩年に差し掛かる頃。活動期間は限られています、後継者など作らせないようにせねばなりませぬ。今後も多少の無茶をやるでしょうから、警戒を怠らぬよう」


エレンウェンは煩わしそうにため息をついた。


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「大事な時期ですがわたくしはこれから、スカイリムの共同統治者としてテュリウス将軍と共に、そのウルフリック追跡に加わらねばなりません。この件を終わりに出来ると良いのですが・・・思ったよりも長く留守にするかも知れませぬ」
第一特使はテーブルに置かれたグラスにワインを注ぐと、少し喉を湿らせた。そして気を取り直したように厳しい顔つきに戻る。


「今日皆さんを招集したのは、現状と活動方向を共有するためです」


「その前に、エランディル特務官」


エレンウェンは先ほど声を荒げていたサルモールの一人を呼び寄せた。特務官は特使クラスと比べると階級はかなり下がる。エランディルと呼ばれた男はそれでも物怖じすることなく、他の階級の上の者を差し置いて堂々と進み出た。


「お前たち神秘局の行っていることには関知しませぬが・・・」


エランディルは傲岸に胸をそびやかした。
「当然です。我々は本国のあのお方直属の系統。司法局とは独立した・・・」


「いいから聞きなさい」手を上げて白い男を黙らせると、エレンウェンは事務的に言った。

「一つ改善を要求します。お前が大使館の研究施設を与えている者・・・何者かは分かりませぬが、しっかりと監視しなさい。あの"狂った女魔術師"を管理するのはそなたの仕事ですよ」


「何か問題でも?」


エレンウェンはあくまで無礼な男に対し感情を見せず、恫喝した。
「実験の被害が研究室外にも及んでいます。ヘレシンデ評議員が来たときに似たようなことがあれば、大事になります。わたくしが面目を失うのは構いませぬが、そなたの使えるお方にも迷惑がかかると心得なさい」


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「肝に銘じておきましょう。話はそれだけで」


「ええ、下がりなさい」


「言われなくても」
エランディルは慇懃無礼にお辞儀をすると、会議室を退室していった。


エレンウェンは管轄外の特務官が出て行くのを見送ると、軽く息を吐いて側近に声をかけた。


「第二特使ルリンディル」


スカイリムにおけるサルモールのナンバー2が進み出た。


「ブレイズの残党狩りはどうなっていますか?」


「はい、最後の生き残りの足取りがつかめそうです。閣下がお戻りになるまでには結果を出せると思います」


「期待していますよ、それから・・・本国より高位評議員のヘレシンデ様が視察に参られます。来年の暁星の月を希望されておりますが季候の悪い季節なので海路は避けた方が良いでしょう。年が明けたらすぐに飛空船でアリノールまでお迎えに上がりなさい。大使館で晩餐を開きますので招待客の人選を行って、あと・・・評議員は闘技場がお好みだそうです。晩餐会とは別に、コロセウムに何人か剣闘士を抱えておき、楽しんで頂けるよう準備を」


「かしこまりました」


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「第三特使オンドルマール」


第三特使が胸に手を当てた。


「サイノッドに潜り込ませた者が、ムズルフトで消息を絶っています。後から調査に行かせた者の報告では潜入した隊長は殺害されていたようです」


「サイノッドの活動か・・・それを妨害するとしたらウィスパーズの可能性が高いですな」


「ええ、それはいいのですが、別に気になる事があります。・・・調査に出た兵が情報を持ち帰りました。遺棄された遺跡の最奥で、壁面にタムリエルの地図が映し出され、ウインターホールドの辺りを光点が指し示していたそうです」


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「ほう・・・興味深いですな」


「ええ、ウインターホールド大学とウィスパーズ大学、両方を調べておきなさい。過度の期待はできませぬが、われらがスカイリムで探索する雪の塔に関わる何かが得られるかもしれませぬ」


「分かりました」

オンドルマールは頷くと、配下の二人を呼び寄せた。


「アンカノ、お前に行ってもらおう。お前には顧問として大学に入り、何か掴んだらそれを確保するのだ。エストルモはウィスパーズに潜入せよ」


一通りの幹部達の状況を確認した後、エレンウェンはこの本部を管理する腹心を見た。
「オロンディル、私が留守の間に事は頼みますよ。そなたがファルクやエリクールに後れを取るとは思いませぬが・・・これからの状況をどう生かせばいいか分かっていますね?」


「は。心得ております。この転機も必ずや我々にとっての恩恵に変えて見せます」


「もし武力が必要なときにはヴァルミエルを使いなさい」

彼女はそう言って横に控える護衛の若い指揮官に頷くと、もう一度幹部達を見回した。


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「白金協定が結ばれているとは言え、人間達は油断がなりませぬ。このスカイリムを抑えておくことは本国にとって欠かすことの出来ない要素です。特使達は連携して各課題を確実に刈り取ってゆきなさい。我らドミニオンの覇権のために」


「ドミニオンのために!」


特使達をはじめ、集まった司法高官達は口々に唱和した。
小塔の中に声が響き渡る。エルフ達は敵地の中にあって、自らの結束を再確認するのであった。




・・・




職人街から見下ろせる城門前広場は既に片づけられ無人になっていた。


「ふぅ・・・」


朝露で湿った金鎚の水滴をふき取ると、乾燥のために炉の前に並べながらベイランドはため息をついた。ウンガーとブラッキーも横に並んで黙々とそれを手伝う。溶鉱炉の火も、一度落としてしまうと元の状態に戻すのに一週間はかかる。今日もまだ仕事が始められないのは間違いないが、道具の手入れだけは怠れなかった。


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一通りの仕事を終えた後、彼らは時間を持て余しながらベイランドの家でくつろいでいた。

偶然とはいえ、事件の首謀者と一番近い位置に居合わせたブラッキー。しかし今のところ事情聴取や出頭の命令などは来ていなかった。


「ボクがもう少し早く知らせに来ていたら、何か変わったかな?」


ブラッキーの引っかかりに対し、ウンガーが安心させるように言った。
「それはないだろう。お前さんの見聞きした話の通りだとすると、事件は周到に準備されていたに違いない。偶然の要素が計画を狂わせることもあるが、あれは大きな流れの中で起こった事件だよ。アカトシュにかけて、そうなるようになっていたんだ」


そのうち要請が来るかもしれないが、ブラッキーはハイロックから来た鍛冶屋の弟子にすぎない。そもそもスカイリムの市民でさえない。ちゃんと後見人を持つハイロックの市民だ。やましいことはこれっぽっちもない。更に言うなら命を狙われた方でさえある。体制側の要人の一部、アルディス隊長やアハタルとも顔見知りだ。それほど気にすることはない、とベイランドも請け合った。


実際、ソリチュードの首脳陣や帝国軍は責任追及や吊るし上げの対象を探すよりも、協力者の洗い出しや防衛上の不備の発見対処に追われていた。王が居らず、市門も開けられない。街の機能のあちこちに不都合が生じ始めていた。


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「おっちゃん。これっていつまで続くんだろう?」


「いつって、さっき始まったばかりじゃないか。まあ、一週間は続くだろうな」
ウンガーは炉の火を確認しながら呟いた。


非番を利用してベイランドの元を訪れていたアルディス隊長とアハタルも即休暇を解かれ、召集されていってしまった。他の職人たちは戒厳令と同時に家に帰した。今職人街に残っているのはベイランド一家とウンガー、ブラッキーの子弟だけであった。


ベイランドは手持無沙汰なかつての弟子を見ると、ひとつ伸びをして、一杯やる仕種を見せた。
「さすがに、こんな中で鎚をふるうのも無理じゃな」


「そうですね。・・・師匠もしばらく休んでないんでしょう? 前回取った休みはいつです?」


「恵雨の月かな、いや、蒔種の月だったかもしれん・・・」
ベイランドはもう覚えていないという素振りで肩をすくめた。


「じゃ、いきますか。アルディス隊長の置いて行ったワインも余ってますし」


「亡き王を偲ぶとするか・・・」


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軍人であればいくらでも仕事があっただろうが、家に引っ込んで大人しくしていろと言われた市井の立場では、何もできない。彼らにとって殺された上級王は雲の上の人過ぎた。内戦の影響をまともに受けたことのないソリチュード、しかもその中でも更に城壁に囲まれた上層街。戦争中であることを思い出させるのは時折出入りする帝国軍のぐらいのもので、事件のインパクトはたしかに大きかったが、切迫感を感じている市民は少なかった。むしろ普通の生活が送れない事への不満の方が大きいという、外界とはずれた感覚が街には漂っていた。
それはベイランドやウンガーにしても同じであった。彼らにできるのは、彼らなりの立ち位置で、王の死がもたらすスカイリムの未来に思いを馳せることだけであった。


「・・・しかし、これはけっこうまずいことが起きるかもしれんな。ウルフリックは思っているよりも計算高いのかもしれん。ただの王気取りの蛮勇ではなさそうだ」
さっそく開けたワインを注ぎながら、ベイランドは元弟子に言った。


「ん、どういうことです?」


「ウルフリックのやったことには意味がある。このソリチュード・・・帝国のお膝元でノルド達に再考を促したんだ。決闘だか暗殺だか、ひどく荒っぽいやり方ではあるが、ノルド達に今のあり方への疑問を植え付けるのにはこの上なく効果的だったじゃろうな。・・・実際、このわしだってノルドの血が騒がなかったかと言われるとウソになる。帝国の信奉者で帝国のために働いていると言ってもな」


彼は少しだけ酒を注いだグラスを、ブラッキーとウンガーにも渡した。


「上級王トリグがソブンガルデに導かれんことを」


「導かれんことを」


3人は帝国式にグラスを掲げると、亡き王を湛えて献杯した。


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「そういえば、奴らが叫んでたストームクロークってなんなの?」


ソリチュードを離れて久しいウンガー、そしてブラッキーにも、その名前は馴染みのないものだった。
実際、スカイリムでストームクロークの名前が有名になったのは最近である。しかし、古参の鍛冶屋であるベイランドは、前上級王イストロッドの時代にその起源があることを覚えており、退屈しのぎの話として2人に聞かせてくれた。


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彼が言うには、ストームクロークは元々176年にフォースウォーンからマルカルスを解放したウルフリックの義勇兵を指すものであったという。その後、タロス崇拝を巡って咎められたウルフリックが逮捕されてからは、姿を見ることは殆どなくなった。
10年以上にわたり彼が囚人生活を送っていた間、ストームクロークはなりを潜めており、各地で演説してはサルモール司法高官から逃げ回る過激分子ぐらいしか見られていなかった。しかしその後、ウルフリックが釈放されてイーストマーチの首長に返り咲いた後、その近衛隊として正式に再発足したのであった。


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前上級王イストロッドが身罷った昨年、王権会議であるムートが開かれた。
ウルフリックを支持するのは、スカルド、デンジェール、コリールの3首長。それに対しトリグを推す首長もイドグロッド、イグマンド、バルグルーフと3名であり、ライラ首長が棄権していたため、ソリチュードのトリグ首長を推薦するハーフィンガルと、ウルフリックを推薦するイーストマーチの一騎打ちの流れから、スカイリムは2つに割れた。


「じゃあ、なんでトリグが王様に選ばれたの?」


「それが話をややこしくする原因でな・・・」
ベイランドはテーブル脇の物入れの中から、一枚の紙を取りだした。酷く色あせている。1年前の黒馬新聞の号外であった。


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スカイリム最年少の王が誕生!


4紀200年薄明の月12日、ホワイトランホールドの伝統あるドラゴンズリーチで開催されたムートにより、ソリチュードの首長、少年王トリグが上級王に選定された。ムートでの投票状況は次の通り


候補 2名
 トリグ首長(ハーフィンガル)
 ウルフリック首長(イーストマーチ)


トリグ首長への賛成票 4
 イドグロッド首長(ハイヤルマーチ)
 イグマンド首長(マルカルス)
 バルグルーフ首長(ホワイトラン)
 テュリウス将軍(ミード朝名代)


ウルフリック首長への賛成票 3
 スカルド首長(ペイル)
 デンジェール首長(ファルクリース)
 コリール首長(ウインターホールド)


棄権 1
 ライラ首長(リフト)


詳細は続報を待て!


=*=*=*=*=*=


「掲示板からこっそり剥がして、持ち帰ってきたんじゃ。参加者のところを見てみぃ。帝国軍も入っておるじゃろ?」


ムートは基本全会一致、最低でも過半数の支持を集めないと上級王としては認められない、この後者のルールに従って一年前に強行採決がなされ、トリグが上級王を世襲することになった。
ソリチュードの世襲は珍しいことではない。過去何世代にもわたって行われてきたことだ。今回もそうだと思われていた。


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そんな中、ウルフリックが突如反乱を起こした。

ムートが解散してトリグの戴冠式がソリチュードで執り行われた直後であった。


ムートは候補者を除いたスカイリムの7名の首長に皇帝名代のテュリウス将軍を加えた8名で行われたのだが、彼はスカイリム部外者であるテュリウス将軍の参加をよしとせず、ムートの無効を掲げて挙兵したのだった。


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タイバー・セプティムが帝国を打ち立てスカイリムもその中に組み入れられた3紀以降も、上級王を選定するムートは脈々と受け継がれてきた。国々の枠組みが変わる中、参加するメンバーが常に固定だったというわけではない。ムートに参加する顔ぶれもそれに合わせて姿を変えていた。


モロウィンドに割譲されたソルスセイム、そして大戦に先立って帝国の直轄領として接収されたロスクレアやウィルムストゥースの諸島の首長が抜け、新たに生まれたモーサルの首長や、ソリチュードに置かれている帝国の総督府の長官も王の選定に加わっていた。変わらないのは、何世代にもわたってソリチュードの首長が上級王に選定され続けてきたということだけであった。


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この有り様をみてムートは茶番だ、と誹る者もいたが、現実的にはソリチュードが最も帝国の影響が強く、そこの首長が上級王になると言うので不都合はなかった。


「スカイリムの上級王は帝国の臣下だ。皇帝に忠誠を誓っているし、戴冠式の終わりの方でそれを宣誓する儀式もちゃんとある」


「王なのに臣下なの?」


ベイランドは家の中にもかかわらず声を落とした。
「うむ・・・タイバー・セプティム・・・タロスは、スカイリムの民誰もが崇拝する英雄にして神、言い換えると帝国の祖は自分たちにあると言うのが我々の誇りだ。帝国に忠誠を誓うことは自国に忠誠を誓うこと、更には神に忠誠を誓うことと同じで、何も問題が無かったんじゃ」


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「しかし今はその血脈が途絶えてしまった。タロス崇拝・・・自分たちの神を崇めることも禁止された。上級王は皇帝の臣下と言うが、赤輪の戦いでシロディールを奪還し遂げたのは先の上級王イストロッドとその右腕のジョナ将軍だ。今の皇帝を皇帝たらしめたのは我らノルドだ。帝国の政治に口を出す方ならともかく、帝国側から口を出されるのは不本意なんじゃよ」


「テュリウス将軍の・・・帝国の一票がなければ、少なくとも負けていなかったとウルフリックは思っているんだね」


「そう。武力で帝都を勝ち取ったミード朝しかり、フォースウォーンからマルカルスを奪還したウルフリックしかり、しかしトリグ王はそういう実績が何もない。それを王として頂くのに腹の虫が据えかねたんじゃろうな・・・」


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最初のムートでも上級王を巡って内乱が起き、焚刑祭で有名なオラフ王が再統一するまでのあいだに、スカイリムは領土であるハイロックとモロウウィンドを失っている。ムートの縺れは不吉な前兆であった。


「おっちゃんはどっちの味方なのさ? あまりトリグ王のことをよく思っていないように聞こえるけど」


「よく思っていない訳じゃないぞ。ノルドとしてはウルフリックに共感するというだけじゃ。トリグ王に実績が無いのはただ単に若い故、機会が無かったというだけだからな」
三人はスパイス入りワインを飲み干すと、一階の作業場にやってきた。職業柄、やはり手を動かしていないと落ち着かないのだ。


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「どっちかに駆け寄ってすべてをなげうってしまえれば良いのかもしれんがな。ケイドやセイマのためにも生きていかなくちゃならん・・・、仕事は帝国軍の武器製造、信仰はタロス、ああ!ままならんのぅ」


「ノルドも複雑なんだね」


「お前さんだってノルドじゃないか」


「ボクはオーク暮らしが長いからね」


「さ、追悼の思い出話はもう良いじゃろう。修行の時間じゃないのかね?」


「弟子の師匠っぷりを見るいい機会じゃな」ベイランドは笑った。「たっぷりウンガーに教えてもらうといい」


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「よし、じゃあブラッキー。短剣1000本、今から取りかかるか!」


「え・・・うへぇ・・・」




・・・




次の日も変わらず、家の周辺から動けないままに時間が過ぎていた。


「そう言えば、あの門番はどうなるんでしょうね」


「ロックヴィルか? 拘束されとったようだが・・・おそらく処刑は免れないだろうな」


「それもまた火種になりそうですね」


「まあ、わしら庶民が心配してもどうにもならんことじゃ」


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昨日と同じように話を交わす親方2人の声を聞きながら、奥の部屋でブラッキーは黙々と槌をふるっていた。ふと手を止めると、遠くから鐘の音が聞こえてくる。音と言うより城壁を通じて振動が伝わってくるといった感じだ。これから数日間は続くのだろう。ソリチュードの教会、神々の聖堂にはトリグ王をはじめ、ストームクロークの襲撃事件で亡くなった者たちが安置されており、ソブンガルデに葬送するための見送りの鐘が昼と夜に繰り返されるのだ。


中腰を続けて腰が痛くなったブラッキーは、槌を置くと伸びをし、玄関の扉に向かった。


「あ、ブラッキーねえさんどこに行くの?」
扉を潜ろうとするとベイランドの息子のケイドが声をかけてくる。


「腰痛くなっちゃったから、ちょっと風に当たって伸びてくるよ」


「あんまり作業場から離れると、衛兵にどやされるぜ」


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「へへ、そんなには行かないよ」


ブラッキーは表に出た。下から見上げた衛兵が目をしかめたが、特に何も咎められることもなく捨て置かれた。


職人街は微妙な立地で、作業場は厳密には街路の一部を兼ねている。しかしここの職人たちが帝国兵站の機能を受け持っていることは有名だったから、こうして家の前に出ていても咎められることはなかった。下の広場まで降りてみたいのは山々だが、それでは外出しているのと変わらなくなってしまう。ブラッキーは手持ち無沙汰でぶらぶらしながら、巡回する衛兵達の死角をついて、斜め下のウィンキング・スキーヴァーに行ってみようと思い立った。


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都合良く職人街に衛兵は立っていない。奥の方はドール城の守りに数名、手前は二日前ジャリー・ラと話した坂の途中に一人が立っているだけだ。職人街から出ないように気をつけながら歩いていたブラッキーは、ふと手すりの金網がすり切れている部分を見つけて足を止めた。


「あれ? これって・・・」


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手を伸ばして金網を掴むと、それは簡単に外れた。ちょうど城門前広場に面した家々の裏手と城壁に挟まれた影の部分。そこに抜けることが出来そうだ。


この辺りは土台の高さが違う建物が並んでおり、ある街路の地上の高さが下の街路の屋根の高さと言った具合に段々になっている。屋根の間には渡し板が張ってある部分もあり、坂を使わずにこの裏道を使えば、見つからずに宿まで行けるかも知れない。そこまで行ってしまえば窓でも何でも、きっと入る方法はあるだろう。


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そんな思いが持ち上がってくると、彼女はじっとしていられなくなった。


(おっちゃんごめん。ちょっと出かけてみる)


心の中でそう謝ると、彼女は職人街の手すりから渡し板に飛び移って一段下の屋根の上に出た。大丈夫だ。視界に衛兵はいない。ちょっとした踊り場のようなところに出た彼女が次の足場を探してキョロキョロしていると、小石が飛んできた。それは彼女の腕に当たると、地面に落ちて転がっていった。


「いてっ・・・なんだ?!」


飛んできた方向、前方下を見ると、小さな石蓋があり、それが僅かに開いている。近づいて覗き込もうとしたとき、蓋が完全に開いて中から人が出てきた。


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「おわっ、ジャリー・ラ!」


「やあ、ビィ。こんな所で何してるんだ?」


出てきたのは海賊亭で一緒に事件に巻き込まれた、いわく付きのアルゴニアンであった。


「こんな所でって・・・それはこっちが聞きたいよ。どっから出てくるのさ」

ブラッキーは興味深げに穴を見た。質問しようとしてアルゴニアンに先手を打たれてしまった。


「ビィ、お前さん、どっから来たんだ?」


「え、ああ、ちょっとね。裏路地伝いにウィンキング・スキーヴァーに行こうとしてたんだけど、その途中だよ」


「酒場に用でも?」


「いや、特に用があるわけじゃなくって・・・息苦しいのやだし、そろそろあんたにもらった仕事に取りかからないとならないと思って」


「そうか。俺はウィンキング・スキーヴァーに泊まっていたんだが、ちょっと新しい用が出来てな。行こうと思ってここに入りかけたときにビィ、お前さんが見えたのさ」


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ここで鉢合わせたのは偶然で、鍛冶屋から出てくるところを見られたわけではなさそうだ。彼女はホッと胸を撫で下ろした。


「ちょうどいい、ついてきな」
ジャリー・ラは再び穴に潜り込むと、ブラッキーを手招きした。
「いろんな連中に迷惑がかかるから、ちゃんと蓋は閉めておけよ」


「いろんな連中?」


「歩きながら話す。こっちだ」


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二人が降りた先は、地下の通路の一部ともいうべき小部屋だった。細い通路が奥に続くと共に、足下には更に下層に降りるはしご穴が口を開けている。ジャリー・ラは松明を灯すと、ソリチュードの地下を先導して歩き始めた。


通路の脇には燭台があり、ろうそくには火が灯されている。足下の石も磨り減っており、頻繁に誰かが通っていることをうかがわせた。元々街の一部だったのか、それとも専用に作られた地下通路なのか、思った以上に整備されている様子にブラッキーは驚いた。


続く階段を上ると、2人は別の小部屋に出る。突然声が聞こえて、ブラッキーは飛び上がった。


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「絶対に何も喋らない。汚らわしいホーカーの子め!」


「うわっ!」彼女は押し殺した驚きの声を上げた。


「アウッ!」


風を切る音とが続くと、くぐもった悲鳴が上がった。誰かが鞭打たれているのだ。


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「ストームクロークと共にあれ。お前たち帝国のイヌなんかに負けるものか。絶対に!」


振り返ったジャリー・ラに問いかけるような視線を向けると、彼は肩をすくめた。


「ああ、この先はドール城の地下牢に繋がっているのさ。とは言っても、その裏手で、衛兵連中が知らない壁の裏の通路だが」


大したことでは無いといった様子でジャリー・ラは足を進めた。


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「おおかた、一昨日の事件でとっ捕まったストームクロークが拷問されているんだろう」


1ブロック進んだところで彼は足を止めると、ブラッキーに頭を下げるよう合図を送った。彼が指し示した先の壁が小さく崩れている。

その向こうに部屋が見えた。


どうやら、地下牢の守衛の屯する部屋のようだ。壁の穴に開いた視界に身を晒さぬよう、注意深く通り過ぎると、崩れかけた小部屋に出る。


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「ここは元々はドール城の地下牢の一部だったらしい。落盤で孤立した区画と、別の地下道が繋がって今の形になっているのさ。オレも又聞きだが」


「地下牢に向かうの?」


「いいや、そんなところに用はないさ、こっちだ」


崩れかけた暖炉らしき石組みの脇に、落とし蓋が一つある。そこに身をねじ込むとジャリー・ラはついてくるよう促した。


「ここから先が、ソリチュード下水道だ。覚えておきな。俺たちが今居るこの部屋が、西トンネルの外れに当たる」


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無造作に木箱が転がり、野良犬まで寝そべっている。イヌは彼らが来ても、通行人など見慣れていると言わんばかりに吠えることもなかった。

格子扉を開いて通路を進んでいくと、分岐点にぼろを纏った男が座っていた。


「景気はどうだい? 見かけぬ奴は通ったか?」


ジャリー・ラの問いかけに、男は笑みを返した。


「よう、ジャリーじゃないか。強いて言えば、お前さんの連れているその娘っこぐらいだな、見かけない顔は」


「ああ、こいつはビィって言うんだ」


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「ブラックブ・・・」


言いかけた男の口を塞ぐと、ジャリー・ラは付け足した。


「いや、違う。オレの個人的な知り合いさ。これからたまに通るだろうから、覚えておいてくれ」


男の脇を通り過ぎると、アルゴニアンは右手の上り階段を指さした。


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「ここを上ると、ウィンキング・スキーヴァーの地下倉に繋がってる。オレはさっきここから来たんだ。でも今行くのはこっちじゃない」


ジャリー・ラは向きを変えると、別の通路を下っていった。上から滝のように水が降り注いでいる。いったん溜まった水は脇の水路に流れ込んでいくようだ。


「さっきのはだれ?」


「あいつはスクゥーマやロックピックを扱う闇商人だ。通行するものの見張りも兼ねている。間違って攻撃したりしないでくれよ」


「うん。覚えておくよ・・・ところでこの水路は危険?」
ブラッキーはぷかぷか浮かんでいるスキーヴァーの死骸をよけながら尋ねた。


「ここか? 基本的に武器を抜くような場所じゃない。気をつけなきゃならんのは、スキーヴァーに嚙まれて病気を貰わないか、それぐらいだ。俺たちアルゴニアンはその心配も無いから、安全で快適そのものさ。思っているよりも住人は多いんだ」


「そんなに住んでいる人が居るんだ!」


「地下牢の区画あっただろ。あそこから別のはしごで下りるとアンダーワークっていう地下街がある。今度行ってみるといい」


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別の通路を進んで、柵扉を開けると、ブラッキー達は巨大なトンネルに出た。
「コロアカ・マキシマ・・・多くの下水が集まる中央パイプだな。ここのプールは深いから、落ちないように気をつけろよ」


見るものすべてが目新しい。それに繋がりが複雑だ。ブラッキーは頭の中に地図を描くのをとうに諦めてしまったが、分岐などの目立つ光景だけは最低限覚えておこうと必死に目に焼き付けた。コロアカ・マキシマの先に繋がる巨大な貯水池に架かる橋を越えると、また変わった風景が飛び込んできた。地下なのでもちろん船はないが、まるで波止場のように見える。


ソリチュード・カナルワークス、地下の運河であった。


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「こっちに橋が架かってるね。その先は?」


「あ、そっちじゃない。そっちは地下墓地だ。他にも、オレは行ったことがないが東トンネルや、ブルーパレスの地下に繋がる道もあるって噂だ。ストームクロークの連中が侵入に使ったんじゃないのかな」


「違うと思うよ」


「なんでだ? 別の道でもあるのか?」


「い、いや。だってここが侵入に使われてたら、それこそ衛兵たちが今頃ごった返しているはずでしょ?」


「それもそうだな。で、俺たちが行くのはそっちじゃない。ここの階段を降りる」


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ジャリー・ラが示した階段は地下運河の脇を降り、そのまま水中に没している。


「水の中だよ?」


「そう、ここからは濡れるぞ。泳ぎは得意か?」


「二、三分なら息を止めていられるけど・・・」


「じゅうぶんだ、ついてきな」


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アルゴニアンは階段から運河に潜り、橋を潜るように泳ぎはじめた。


「メリス姉ちゃんみたいに海探の薬があれば・・・」ブラッキーは少し逡巡したが、どんどん進むアルゴニアンを見失わないようにと意を決して飛び込んだ。


数分後、ブラッキーは驚きの声と共に太陽を拝んでいた。


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「わぁ・・・こんな所に出るとはね!」


彼女たちが居るのは、ソリチュード港の隅。東帝都社の巨大ドックにほど近い、岸壁に作られた放水口であった。一昨日の晩、暗殺者”切り裂き”に襲われて立ち回りを演じたアーチの袂、その下方だ。


見上げると海賊亭らしき建物が目に飛び込んでくる。

ブラッキーは今通ってきた経路を頭の中で整理しようと、暫し立ち尽くした。帰ったらすぐメモに書き起こそう。大体のイメージを整理し終わると、アルゴニアンに向き直る。


「じゃあ、ボクはこれから灯台に行くよ。ジャリーの兄さんは?」


「ああ、おれはちょっと別の街に用があってね。二、三日ソリチュードを離れるよ」


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別れると、ブラッキーは港湾地区の街道に紛れ込んだ。


上層街と違って、こちらには人通りがある。早くも臨検が始まっており船の出港は禁止されていたが、人の外出までは禁じられていないようだ。さりげない体を装って海賊亭の前を何度か往復してみた彼女は、この宿をストームクロークが侵入前の拠点に使い、一人を残して従業員が皆殺しにされていたという事実を知った。通常営業を装うように主人だけが生かされてたらしい。一昨日ブラッキー達が感じた宿の違和感は、やはり気のせいではなかった。


彼女は灯台に向かう前にもう一カ所寄り道をすることにした。港湾事務所である。


「おっちゃん、こんにちわ!」


「お、また嬢ちゃんか。今日はなんだい? 姉さんには会えたのかい?」


「ううん、まだ。おっちゃん今日も働いてるの? 港は動いてないんだろ」


「そう、見ての通り船は出せないよ。上級王の暗殺騒ぎで、艀一つだって動かしちゃならないとのお達しなんだ」


「ボクも聞いたよ」


「そう。まさかのストームクロークだぜ。びっくりするよなぁ。街で滅茶苦茶やったらしいぞ。逃走防止と調査を兼ねて、しばらく港は休業さ。だから船はムリだよ。でも入港してくる船はあるんで、俺は休めないってわけさ」


「そっか、大変だね。ちょっと調べて欲しい船があるんだ」
ブラッキーはアイスランナーについてもう少し詳しく聞き始めた。


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「アイスランナー? この前のあれか? ありゃ民間の定期貨物船だな」


「じゃあ、サルモールとは無関係?」ジャリー・ラはやはり嘘をついていたようだ


港湾事務所の職員は、少し驚いたような顔をした。


「なんでまた急にサルモールとか言い出すんだい?」

すぐ近くにエルフの兵士がいるのを見て少し声を落とす

「・・・そういえば、ソリチュードの東帝都社のトップに、皇帝の従姉妹のヴィットリア・ヴィキが就いてからというもの、サルモールの物資も運搬請負をはじめたようだぜ。やだやだ。本当に帝国とサルモールはくっついちまったのかねぇ・・・」


職員はブラッキーが見ているのに気付き、話を戻した。

「あ、すまん、この船とは関係ない話だったな・・・」


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ジャリー・ラは虚実をうまく混ぜて話すため、何処までが本当か分かりにくい。しかし、何かブラッキーにも話してないことがあるはずだ。彼女の勘はそう告げていた。


(やっぱり灯台に行ってみないと始まらないかな・・・)


彼女は少し世間話をした後、事務所を後にした。せっかく苦労して港湾地区に降りてきたので、少し遠回りにはなるが、忘れずに東帝都社の事務所にも顔を出す。しかし手紙に返事は来ておらず、イェアメリスの足跡は分からないままだ。


「まぁ、まだ昨日の今日だからね。次は灯台・・・親方達に怒られないうちに行って帰らないと・・・」


港湾地区はカース川の河口西岸の広い範囲に縦長に広がっている。岩棚のアーチを潜ってシャフトや海賊亭のあるあたりから少し北上して海側に抜けると、辺りは急に寂れてくる。漁師の作業場が点在するぐらいだ。一応このあたりはまだソリチュードの郊外、領域内である筈だが、周辺に商店はなく、街道が通っているだけであった。灯台はその先、途中で分岐する小道を右に折れて、北の外れの海岸沿いにあった。


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「さて・・・と。灯台はこっちだっけ?」


ひと気の減った街道を北上していると、灯台の一部が視界に見えはじめた。あと少しだ。しかしそこまで進もうとして、彼女は道を遮られた。検問だ。


彼女は道を封鎖している衛兵の一団に目に留められた。


「ストームクロークの凶行について調べている。調査が終わるまでお前たち港湾地区、波止場地区の住人は区域から出ることまかり成らん」


「ええ? だって通行禁止なのは上層街だけじゃないの? そんなの初耳だよ」


「そうか、偶然だな。我々も自由に通行してよいなどというのは初耳だ」


ブラッキーは衛兵の言いようが少し癪に障ったが、あえて逆らおうとはしなかった。自分たちの王を殺されて、只でさえ殺気立っている衛兵達と揉めるのは得策では無い。


(困ったなぁ・・・あまり日にちもないし。今これなら明日も同じだよねぇ)


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「この道の先に届けなくちゃならないものがあるんだけど、いつ通れるようになるのさ?」


「さあ、そんなことは知らん。奇跡でも起きぬ限り、我々もここに縛り付けられるのは娘、お前と同じだ」
衛兵も急に駆り出されたようで、任務の期限も未定とあって、やや自嘲気味になっていた。「もっとも、お前がウルフリックの首をいまここに持ってくるとでも言うのなら我々も大歓迎だがな」


「埒があかないや・・・」


そんなやり取りのなか・・・


「どうした、何を喋っている?」
後ろから鋭い声が飛ぶと、半ばダラけていた衛兵達が慌てて姿勢を正す。歩いてきたのは貴族風の男だった。顧問であろうか? アルトマーが一人従っている。自分と同じ旅人かと思ったが、どうやらそうではないようだ。後ろには完全武装した数名の部下らしき者達が付いてきていた。ブラッキーは貴族の顔に見覚えがあるような気がした。


「ストームクロークのネズミでも掛かったか?」


「いえ、旅人のようですが」


「ふむ・・・」貴族風の男はブラッキーを眺めると、衛兵に不審な目を向けた。「アカトシュの英知にかけて、お前たちの目は節穴か? こんな軽装でハーフィンガルを旅するものは居らぬ」そう言うと、慌てたように衛兵達がブラッキーを取り囲んだ。


「で、何者だ?」


揉めても仕方がない。戒厳令下をこっそり抜け出してきた負い目はあったが、ブラッキーは素直に応じることにした。


「ボクはブラッキー。ベイランド親方のところの・・・そう、居候みたいなものだよ」


「その居候がこんなところで何をしている。そうか・・・戒厳令で上に上がり損ねたのだな?」


「う、うん・・・ま、まあ、そんなところ」少女は上目遣いに貴族を見たが、まだ相手の表情は納得とも疑惑とも付かない微妙なものだった。「で、貴族のお兄さん?」


「従士エリクールだ」


「エリクール・・・? あ、姉ちゃんがエリクール商会の船でここに着くはずだったんだけど・・・」


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「姉は船員か? ソリチュードのエリクールと言えば、俺しかおらん。誰もが知っている」


「ボクも聞いたことある! 師匠が昔ソリチュードで修行したらしいんだけど。若くして頭角を現し、従士に就いた重臣の一人で、なんでも・・・商才があって、いずれ重要な役目を担うんじゃないかって。お兄さん、その人?」


「貴様何か忘れてないか? 聞いているのはこちらだ」
言いながらもエリクールは、自分の評判にまんざらでもないようで、少しニヤニヤしている。


「ベイランドのおっちゃん・・・師匠の師匠なんだけど、は、ソリチュードで3番目に偉い人だって言ってた」


ブラッキーは取り敢えず自分の知っていることをまくし立てて乗り切ろうとした。
「一番偉いのは上級王だろ? 次は・・・王妃さま?それとも帝国の将軍? お兄さんはその次なんだね。思い出した! ウルフリックを止めようとして・・・あっ・・・」


エリクールの目尻がつり上がった。


「貴様、見てきたような言い草・・・さては上にいたな?」


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「えっ・・・、えっと・・・あの~・・・」


「なぜここにいる? やはり怪しい。ちょっと一緒に来い」


(うへぇ・・・ボクやっぱりこういうの苦手だよ)
衛兵とエリクールの隊に挟まれて、ブラッキーは観念して捕まった。




・・・




縛られて牢屋に連行されるかと思ったが、しかしエリクールは彼女を拘束しなかった。そのまま部下たちに囲ませて、街道を逆戻りはじめる。


「あれ? 縛らないの?」


「逃げ出したいというのなら構わんが、妙な素振りをしたら、メラランに遠慮なく雷撃で撃たせるからな」
随伴していたのは顧問ではなく、私兵だったようだ。「俺の私兵は優秀だぞ?」扱いはぞんざいだが、彼は私兵のメラランを随分と高く買っているようだった。アルトマーを指さすと、エリクールはシャフトの脇を素通りして、更に歩を進めた。


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「どこ行くの? 牢屋かと思った」


「俺はまだ仕事中だ。臨検の続きをせねばならん。ここで余計な道草食ったおかげで時間を無駄にしたからな。貴様の相手は後でちゃんとしてやる」


「うえっ、お手柔らに・・・」


ソリチュードはスカイリムにおける海上交易の中心地だった。
エリクールが言うには、僅か一日二日とはいえ街への出入りがストップするだけでも経済に大きな打撃があるらしい。夕方までには自分の船だけでも終わらせて、出航の許可を出したいようだ。


「本来なら戒厳令に外出したと言うだけで、斬り殺されても文句は言えんのだぞ」


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エリクールはブツブツ言いながらも、手際よく臨検を済ませていく。自分の所有する二隻はおざなりに、そして他の船には事務的に。


この貴族はノルドに珍しい完全な実利主義、効率主義らしく時間をまったく無駄にしなかった。


そのためブラッキーは半ば従士の仕事見学とでも言うかのごとく、休む間もなく港湾地区を右に左に連れ回されたのだった。


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夕方の鐘が鳴ると、港からは人気がさっと引く。上級王が居ようが居まいが、そう簡単に市民の生活リズムは変わるものではない。


武装して歩くエリクールの小隊に、金魚の糞のようにくっついては自分の家路につく、そんな市民がちらほらと見かけられる。最初は何をしているのか分からなかったが、彼らは殺人者を恐れているのだ。


被害に遭った海賊亭の捜査によって、殺人者"切り裂き"とストームクロークに何らかの繋がりが示唆されており、勘の鋭いものはもう"切り裂き"は現れないだろうと思い始めていたが、それでもまだ市民から恐怖は拭えていなかった。


「お兄さん?」


「エリクールだ。どうした?」


「まだ歩くの? 疲れてこない? 今度はどこ行くの?」


「うるさい奴だ。質問は一つずつにしろ」
港での臨検を終え、上層階に戻るかと思ったエリクールの小隊は、ブラッキーを連れたままシャフトの少し手前で街路を逸れた。住宅街の中に続く階段道・・・一昨日通った空中回廊の入り口だ。


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「これからストームクローク共が侵入に使った通路を検分しに行く。それに衛兵が随分と殺されたから、新しい警備体制が機能しているか確認せねばならん」


「ふ~ん・・・剣を振り回すのが仕事かと思ってたけど、従士ってなんだかいろいろと面倒なんだね」


「従士は国の運営の実務担当だ。このノルドの国では従士は任命されるて成るものだが、家柄や腕っ節だけでは国は回らぬ」


「なんかお兄さん、自分がノルドじゃないような言い草だね。それに、そんな軽装で出歩いて物騒じゃない? まだストームクロークが潜んでいるんじゃないの?」


部下が完全武装している中、エリクールだけは軽装で、腰に吊った件も細くて儀礼的に見える。


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「いや、奴らはもういないだろう。上級王暗殺などと言う大それた事をしでかした後、この近くに残るメリットが何もない」


「じゃあ何で街を封鎖したり、船を調べたりするの? 不便なだけじゃない」


「形だけでもそういう姿勢を見せるのは必要なのだ。それに、戒厳令や臨検は、街の汚いものを掃除するいい切っ掛けになる」


「汚いもの? ・・・あ! なんでボクを見るのさ」


「自覚があるなら今のうちに企みを話せ」
まだエリクールは疑っているようだ。


「何も企んでなんかないってば!」


彼らは言い合いをしながら回廊の階段を上っていった。


「俺の装備が心許なく見えるようだが・・・俺の才能は政治と商才向きだ。帝国文化の方が洗練されていて俺は好きだ。ブライリングのように女だてらに武芸を極めて、それで従士に推薦された者も居るが・・・武力を得意としないノルドも居る。ほら、もう着くぞ」


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侵入に使われた隠し扉を見つけると、部下が調査する様子をエリクールは眺めた。


「ふん、こんな便利な通路があったとはな・・・。整備し、詰め所を用意して今後使わせてもらうとしよう。通行料を取るのもいいな」


ブルーパレスの中庭と空中回廊を何度か行き来して見たあと、現場を保持する衛兵にいくつか指示を出す。この場での仕事を終えるとエリクールの隊は空中回廊を再び進み続けた。


「え~、まだ~?」


「いちいちうるさい奴だ」


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ソリチュードのアーチはカース川の河口を跨ぐようにそびえている。エリクールたちは空中回廊をハーフィンガル側の脚からから上がってきた。ここから先は下りになって、反対側の脚の根元に向かっている。ここから先はブラッキーも行ったことがなかった。彼女はこれから向かうカース川の対岸に目を向けながらも、ふと先ほど臨検した船の一隻を思い出した。


「ねえ貴族のお兄さん」


「エリクールだ」


「さっきの港で調べた・・・あのレッドウェーブって言う船もお兄さんの持ち物なの? すごいおざなりに会話しただけで終わっちゃったじゃん? でもなんだかすごく・・・こう言っちゃ悪いんだけど、ガラが悪いっていうか・・・」


「あれは私掠船だからな」


「私掠船?」


エリクールは各地の支配者達が使う私掠船・・・領主公認の海賊についてブラッキーに説明してやった。ソリチュードはスカイリム屈指の港町で、スカイリム方面における帝国海軍の本拠地であったが、大戦後、帝国の海軍戦力はアルドメリに睨みをきかせるため、アンヴィルとレヤウィンに移動させられていた。一方、内戦の影響で山賊や海賊に身を窶すものも増加しており、それぞれの世界で縄張り争いが激化していた。
領主達は手薄になった戦力を補うために、そして海賊達は縄張りの維持と活動の自由のため、私掠船契約をする船が増えていったのは自然な流れで、亡霊の海で活動している海賊の半数は、どこかの"紐付き"であった。レッドウェーブもそのような中の一隻で、従士エリクールの海の私兵として活動していたのである。


イェアメリスの見聞きした帝国軍引き揚げ後のハイロックの現状と同じ事が、スカイリムの海上事情にも現れていたが、ブラッキーには想像の及ばない話であった。


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「私掠船のことはあまり大きな口で話すなよ。彼らもお前も居心地が悪くなる事態が起きる」


「うん」


「そういえば姉が居ると言っていたな」エリクールは話を逸らした。


「うん・・・どうやって乗込んだのか知らないんだけど、途中で降りちゃったみたいで、ボクはソリチュードに着くのを毎日待ちぼうけなんだ」


「俺の船は客商売はしておらぬぞ」


「じゃあ、どうやって乗り込んだんだろう・・・」


「貴様達は姉妹揃って、まともな行動もその説明も出来ん奴らか?」


「うわっ、その言い方はひどいなぁ。さっき話したじゃん。これでも頑張って生きてるんだよ」
ブラッキーは道すがら、ベイランド達に話したように奴隷として捕まってからソリチュードに着くまでのいきさつを話していた。エリクールは半信半疑だが、つまらない臨検や現場検証の慰みにと、面白がってそれを聞いていた。


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一隊は下り階段を進み、アーチの根元部分にある衛兵詰め所に到達した。メラランが隊長のところに走って行き、異常の有無を質している。定時の交代で、回廊の途中で衛兵の仲間が殺されているのを発見したのはこの詰め所の兵達だった。メラランは戻ってくると、エリクールに今日のところは何もない旨を報告した。一昨日の暗殺騒ぎからこの方、誰も通っていないとのことであった。
エリクールの小隊は、念のためアーチの周囲を見て回ることにした。


「この先はどうなってるの?」
対岸の港と同じように、このあたりは夜が近づくと霧に包まれる。
ブラッキーは霧に包まれて視界の悪い足下を見通そうとして諦めると、先導する従士に声をかけた。


「ハイヤルマーチ・・・モーサルの領域だ」


首をかしげているブラッキーを見て、エリクールは補足した。


「ハーフィンガルがホールドの名前、ソリチュードがその首都。同じようにハイヤルマーチが地名、モーサルはその首都だ。このカース川の西岸、キルクリース山からロスガリアンの東端までがハーフィンガル。我々の国だ。これから行く川の向こう側の湖沼地帯がハイヤルマーチだ」


衛兵詰め所から見える、一面の湿原を指し示す。


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「ホールドって?」


「貴様は何も知らんのだな。帝国で言う属州・・・行政区分だ。各国は独立した主権国家であると同時に、帝国の一員だからな。こんなことも知らんとは、生まれを疑うな。ベイランドと知り合いというのも本当だか・・・」


「いちいちひどいな。嫌味っぽいっていわれない?」


「ふん、妹のギスリにはよく言われるわ・・・まあいい、国境を越えるぞ」


衛兵詰め所から踏み出すと、彼らはハイヤルマーチの湿原に立った。アーチの根元のこのあたりはまだ地面がしっかりしているが、しばらく進むとブーツが地面にめり込むようになってくる。所々には雪が積もっており、浅い海面には流氷と見まがうような塩の浮き上がった氷が浮いていた。寒冷地の干潟であるため生命力の強い草や菌類しか自生することが出来ない。この沼地は異様な瘴気に包まれているようだ。所々、地面から突き出している古代ノルド建築の崩れた柱や構造物が、その陰鬱さに拍車をかけていた。


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「こっちに来ちゃって大丈夫なの? 別の国なんでしょ」
霧に包まれた幻想的な光景に目をぱちくりさせながら、ブラッキーは当座の保護者であるエリクールを見た。鋭い顔をした従士は海風に髪をなぶらせながら、心配ないというようにうなずいた。


「問題ない。モーサルはソリチュードと同盟を組んでいるから、互いの通行は開けている」
エリクールはそう言うと、ブラッキーに説明した内容を部下達にも繰り返した。


「ここからはモーサル領内だ。モーサルとは友好関係で結ばれているが、あまり表立ってソリチュードの兵が動き回るわけにもいかんからな。軽く見て回って撤収するぞ」


彼らはあまり沼沢地の奥に踏み込まぬよう、海岸沿いを哨戒した。カース側河口のデルタを形成するこの不毛な土地に暮らすものは殆どいない。それでも所々にキャンプの跡や、解体されたマッドクラブの殻などが散乱しているところを見ると、無人というわけでもないようだ。
河口の反対側・・・北西に灯台が見える。行こうとしてたどり着けなかった場所だ。代わりに今はその対岸の浜辺で海風に吹かれている。不思議な感慨を持ちながらブラッキーはしばらく辺りを見回した。


特におかしなものを見つけるでもなく、ストームクロークの侵入や逃走の痕跡は見当たらない。隊はそろそろ前進を止めて、戻る準備を始めようと足を止めかけた。


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そこで彼らは、薄く雪に覆われた湿地帯の外れで、ひときわ大きな焚き火を準備している一団と遭遇した。
これまで見かけた者達は単独か、多くても2人組ぐらいだったが、この焚火を囲んでいる連中は10人近くいる。
従士が検分のために進み出ると、焚火を囲んでいる者達から声が飛んできた。


「上級王に魂の安らぎを・・・偉そうな貴族様、街に入れない食い詰め者の俺たちに何か用ですかい?」


エリクールは少し驚いたような顔をし、気を取り直すと悪態をついた。


「もうこんなところまで聞こえているのか・・・港の封鎖が少し遅かったようだな」


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流れ者達にとって、物理的地理的な隔絶でもない限り、どんなに厳重に管理しても国境など意味を成さない。ウルフリックが上級王を殺害した噂は既に、人が居るところならどこでも、野火のように広がり始めていた。


「ふん、貴様らに用はないが聞いておこう。一体ここで何をしている」


一団の代表者らしき者が進み出た。
「もうすぐ嵐がやってきそうだから、凍えないための準備でさぁ。それともあっしらを街に入れてくれるんですかい?」


「無理だな。仮に貴様らが街に入れる資格を持っていたとしても今は戒厳令の最中だ。門は開かぬ」


「でしょう。やっぱり。じゃあ、ほっといて下さいよ」


短いやり取りのあと、対岸の周囲は異常なしと判断して、エリクールの隊はアーチの足場に戻った。しばらくおとなしく、目立たないようにしていたブラッキーを見て、エリクールが訝しむ。


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「やけにおとなしかったな。何を兵達の影に隠れていたんだ」


「う、うん、なんか知っている顔を見かけたと思って。でも気のせいだったみたい・・・」
彼女は焚火を囲む一団の中に、アルゴニアンがいたような気がした。昼過ぎに別れたジャリー・ラかとも考えたが、ようやく覚えた彼のツノのかたちとは違う。ディージャかも、と考えたが、彼女の知っているアルゴニアンはその2人しか居らず、どれも同じに見えて仕方がなかった。


「貴様もとうとうボロが出たか? あの食い詰め者達と知り合いだと?」


「そういうわけじゃないけどさ。・・・でもあの人達、どうせ火を焚いて野営するなら、もっと岩陰とか風を避けれる場所にすれば良いのにね」


「話を逸らすな。ふむ・・・そういう場所には既に先約があるのかも知れぬ。ここらの食い詰め者達にも縄張りがあるのかも知れん」


彼らはモーサル側の調査を終えると、空中回路を再び戻る。行き先は港湾地区だ。


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「さて・・・長らく待たせたが。この先はお前の件だ。道すがらいろいろ話をしたから大体の素性は分かった・・・お前が話した通りであれば、だが」


「だから、嘘はついてないって」


「俺は馬鹿じゃぁない。お前の武器、あれは何だ。あんな重い手斧を使うやつなど居らん。お前は戦士か? 何を隠している。なぜ、灯台に向かっていた?」


「伝言を頼まれたんだ。・・・でもそれは伝えちゃいけないやつなんだ」


「言っている意味が分からんが」


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戒厳令下でアルディス隊長やアハタルとは連絡が取れない。次にいつ会えるかも分からない状況だ。

ブラッキーはソリチュードでも力のありそうなこの従士、エリクールにダメ元で打ち明けてみることにした。


「つまり・・・」エリクールは顎に手を当ててメラランと顔を見合わせた。「ジャリー・ラの一味が灯台に何か細工をして、アイスランナーを座礁させると言いたいのだな」


「たしかにジャリー・ラは当局に目を付けられていますが・・・にわかには信じがたいですな」


「アイスランナーはどこの船だ? 東帝都者か? サルモールか? アーンリーフ・アンド・サンズ貿易会社か?」


「どこにも属していないですね。たしかイスガルドの商館の持ち船だったと思います。レイヴンロック、ロスクレア、イスガルド、ソリチュードを往復するタムリエル最北の定期便です」


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エリクールはブラッキーに向き直った。
「まあ、貴様が灯台に伝言を持っていかなければ問題ないのだろう? 捨て置け。それよりも、ストームクロークの件の捜査の方が大事だ」


「でもアイスランナーが襲撃されたら、犠牲者が出るよ」


「はっきり言って、俺はまだ貴様の話を信じてはいない。仮にその話が本当だとしても、俺は今そちらのためには動けない。上級王が目の前で殺されてしまったのだ。これがどれくらい大変なことか、市民でない貴様にもわかるだろう?」


「そりゃもちろん・・・でも」


「まあいい・・・そんなことよりも自分の心配をした方が良いんじゃないのか。これから裏を取るために、帰り際にベイランド邸まで送り届けるが」


「良いけどさ、着いたらちゃんと武器返してよ」


「減らず口の減らんやつだ」


「だから減らず口って言うんでしょ」


戒厳令のさなかではあるが、従士は取り締まる方の立場。シャフトへの出入りは自由である。


長い階段の中庭を抜けると、エリクールは細長い坂道を歩き始めた。いくつか門を潜った先に見えるのはドール城だ。スカイリムに駐留する帝国軍の本拠地であったが、ソリチュードに暮らす者にとってはその地下にある監獄の方が有名かも知れなかった。


職人街に連れてこられたブラッキーは、驚くベイランド達とエリクールのしばらくのやり取りのあと、ようやく解放された。協力的と言うことで、奇跡的にもお咎めは無しで済んだ。去り際にエリクールがブラッキーに釘を刺す。


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「俺だったから良いようなものを・・・、ファルクやブライリングあたりに捕まっていたらまず先にドール城に連れて行かれただろうし、イルンスカーあたりに遭遇していたら骨の一本や二本では済んでいなかったぞ」


「でも・・・」


「でもじゃない。従士総出で調査に走り回っているのだ。皆殺気立っている。明日以降はおとなしくしておくんだな」


「アイスランナーのことは? 明日が伝言の最終日だよ、何か起きるって」


「まったく・・・面白半分に怪しい仕事を請け負ってみたりして、お前はどっちの一味なんだ?」


「もちろん、従士のお兄さんと同じ側だよ」


「エリクールだ」


ブラッキーは無視してまくし立てた。
「面白半分じゃない。ボクは船を助けたいんだ」


「お前とは関係のない船だろう? 関わってしまった負い目か」


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ブラッキーは真剣だった。
「別に正義感とかそんな立派なもんじゃないけど、難破船に乗り合わせたことがあるから。船に水がなだれ込んできて、なすすべもなく流されてゆくときの気持ち、その絶望が想像できる? あんなの一度味わったら二度とごめんだし、他の人にも味わって欲しくないよ」


「分かった分かった。何か考えてみる」


「約束だよ!」


「しつこいぞ」エリクールはブラッキーの剣幕を交わすように、話題を変えた。「あ、それもあるが・・・あれはお前の作品か?」彼はブラッキーに返した手斧を指さした。


「違うけど・・・」


「あんなに重くては狙いが定まらん、もう少し武器は選んだ方がいい」


「余計なお世話だよ、従士の兄さん」


「エリクールだ、そろそろ覚えろ」


そう言って、ソリチュードの筆頭従士はパレスへと戻っていった。ベイランド、ウンガーには散々小言を浴びせられたが、とにかく、ブラッキーは思いつきの外出から戻ってくることが出来た。


ソリチュードの戒厳令2日目は、こうして幕を下ろしたのだった。




・・・




「まだ百分の一かよ・・・いつまで掛かるんだコレ・・・」


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翌日の午前中を屋内の簡易炉の前で過ごしたブラッキーは、自分の仕上げた短剣10本を忌々しげに眺めた。額の汗を拭くと、チラリと左右に目を走らせる。


師匠のウンガーと更にその師匠のベイランドが代わる代わる現れては指導したり感想を述べたりしてゆくのだ。

放っておくとどこに行ってしまうか分からない彼女に対し、さりげない牽制をしているのだった。


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鐘の音が鳴る。


教会での追悼は今日も行われていた。これが聞こえると言うことは正午を回ったと言うことだ。エリクールは約束通り何か手を打ってくれたのだろうか? ジャリー・ラに指定された仕事の期限は今日までだった。


ベイランドの息子ケイドが、父親達と交代に、パンに肉を挟んだ昼食を持ってきた。


「・・・でさ、海賊亭は今どうなってるの?」


受け取って食べる間、彼はブラッキーの作った短剣をひっくり返して眺めていたが、興味はむしろ、昨日彼女が体験してきた話に向いていた。


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「ブラッキー、どうしたの、上の空だけど?」


「え、ボクそんなに分かりやすい?」


「うん、そわそわしてる」


「アイスランナーのことが気になるんでしょ」


「お前には関係ないの」


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「うちってさぁ、家ではあるんだけど、個別に立ってるんじゃなくてドール城を構成する城壁の一部だろ」
ケイドはブラッキーに付き合って自分のパンを囓りながら、誰に話すとでもなくつぶやいた。


「こんな石に囲まれた建物なんだけど、内部に炉もあるんだよね」


「だからこうして、ボクが修行できるんだろ。めんどっちい」


「でも炉には換気が必要だろ。入り口は一つしかないけど、誰も煙に巻かれたり窒息死したりしないで、僕らは長年ここに住んでる。前から不思議に思ってたんだ」


「何言ってんの? お前」


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「父さんは話してくれなかったけど、換気するための隠し窓があるんだよ。吸気と排気、排気口は高い位置だけど」


「え? どういう・・・」


「出られるって言ってるのさ。この作業場から。吸気口はちょうど人が通れるぐらいの大きさなんだ。知りたい?」


ケイドはにやりと笑うと、面食らうブラッキーを作業場脇の資材置き場に誘った。家具と薪の山に紛れているが、身体をねじれば通れるぐらいの隙間があった。


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「こっちだよ。家の脇すぐ横に出られる。父さんは殆ど作業場に出っぱなしだから、目を盗む必要なんて今までなかったんだけど、まさか使う機会が巡ってくるなんてね」


ベイランドの息子は、肩に回したポーチベルトを確認すると、近くにあった帝国軍に納めるはずの剣を差し込んだ。


「ちょっと、ケイド。お前何してるの」


「ブラッキー、外に出たいんだろ」


「そうだけど、お前、その格好」


「何言ってるんだい。ボクも行くんだよ。それとも、ばらして欲しいのかい?」


ブラッキーは半ば押し切られるようにしてケイドを連れて家から抜け出した。


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職人街の外れの金網が破れているところ・・・昨日の冒険の開始地点となった場所にベイランドの息子を誘う。


「さあ、ここからは君が案内してくれよ」


「わかったよ。ボクの言うことちゃんと聞いてよ。危ない目に遭うかも知れないんだからね」


「分かってる。ブラッキーがねえさん、ボクが弟分ってことで。さ、行こう」


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「ああ・・・マラキャスにかけて・・・」


(ああっ、ホントに連れてかなきゃならないの? ・・・なんかメリス姉ちゃんの気持ちが少しだけ分かったような気がする・・・)


「すこしだけね」

思わず独り言が漏れる。


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(ま、なんとかなるね。なるよね)


「え? ねえさん、なんか言った?」


「何でもない、ちゃんとボクの言うこと聞くんだゾ・・・。じゃあ、行くよ!」


二人の半人前の鍛冶屋は、戒厳令下の中、職人街を抜け出したのだった。



(第6話に続く)



※使用mod


・UESP
 ・・・ストームクロークのタペストリーの画像を使わせて頂きました。

・The Elder Scrolls IV – Oblivion

 ・・・白金の塔をオープニングから使わせて頂きました。

・Alforttes Elves Followers -JP Custom Voice Follower( Nexus 78695 )
 ・・・お世話になっているアルフォートさんのフォロワ。カッコいいサルモール戦士を追加します。なんとリサさんのボイス付きです。

・BTRH Waifu( Nexus 53152 )
 ・・・お世話になっているBornさんのNPCリプレイサー。今回の歌姫リセッテさんは、このmodで美化しました。ふつくしい・・・

・TDN Followers - Necromancer Follower - ・Xavier( Nexus 54973 )
 ・・・Nightshadeさま作のカッコイイネクロマンサー、ザビエルさん。お話では悪役のエランディルさんになって頂きました。

・The Ordinary Women( Nexus 70547 )

 ・・・女性NPCの美化リプレイサーmodです。とにかくカバーしている人数が多いのが特徴。

 今回はエレンウェン第一特使を使わせて頂きました。(実際のプレーでは、リプレイサー20種ぐらいを選択マージして使って居ます。)

 しっかし、この特使とても美人ですね(゚∀゚)

・Thalmor Justiciars Headquarters Actually are Thalmor( Nexus 36081)
 ・・・サルモール本部を強化するmodです

・Interesting NPCs( Nexus 8429 )
 ・・・大量のNPCとクエストを追加するmodです。ゲームのストーリーを補完したり、幅を広げたり、第3者の生活を感じさせたりしてくれます。

 サルモール外交官のオロンディルはこのmodで追加されます。彼の台詞はなかなか聞き応えがありますよ。

・Ambriel - The Lost Princess( Nexus 78762 )

 ・・・人間とダンマーのハーフのお姫様を追加するmodです。

 今回はお姫様本人ではなく、NPCとしてはタイバー・セプティム、ロケーションとしては帝国議会を使わせて頂きました。

 アンプリエル本人もリプレイサーがたくさんあって、あなた好みのお姫様にカスタマイズできます。さらに・・・

 何と声はレコーダーの方です! 一度やってみて下さい。

・Skyrim Sewers 4( Nexus 14351)

 ・・・TESったら下水道でしょう!(異論は認めますw) 各都市の地下に遺跡や下水道を追加して「楽しく」してくれるmodです。オススメ!


※今回は長くなりすぎたので話を2回に分けました。既に後半も書き上げていますので、近いうちに公開できると思いますヾ(๑╹◡╹)ノ"



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4 Comments

フカヒレ  

毎回楽しみにしてます

もきゅサン更新お疲れ様です!
TESの世界観を大切にしつつ、フォロワーの皆様が活き活きと活躍しているという夢のような物語、いつも楽しみにしております。

スカイリム編になってからフォロワーさん達もたくさん登場してすげえワクワクが止まらない私です。フォロワーさんだけじゃなく、ベイランドやジャリー・ラなどバニラのキャラクターの魅力もまた楽しみ。特にジャリーは本来のクエストとは別の展開になったことで新鮮な印象を抱きました(兄貴風をふかすジャリーとか)。ただの乱暴者では無いなんともいえない良いキャラになってますね~。

将軍があの歌を広めたという発想もスゴイいいなぁ。インペリアルらしい情報戦で戦うわけなんすね~。対する西尾首長はあえてソリチュードで決闘することでスカイリムのノルドの血を高ぶらせるという、北の民ならではの感情を用いた戦略を使うという対比がたまらないです。

ブラッキーくん、ヴァルミエルさん、エリクール(セルジオ)さんの活躍が楽しみなのはもちろんのこと、湾岸時事務所員とか下水のオッチャンに至るまで、なにかしら役割があって世に存在してる感があって一人一人がどう動くのかとても楽しみです。

長文失礼しました。次の更新もたのしみにしておりマッスル...!

2017/09/20 (Wed) 04:02 | EDIT | REPLY |   

どくうつぎ  

やったー!下水道だ!かっこいい!

SKYRIM本編にも関わる背景描写、いつもクエスト斜め読みで本を読み飛ばす自分には勉強になってます!
使っていただいているブラッキーの冒険も勿論だけど、関わってくるキャラとのやり取りなども楽しんで見ています。メリスさん達も今はどうなっているのか…。

フカヒレさんも書いてますが例の歌を将軍が広めたって言うのは説得力ありすぎてSKYRIM本編の設定かなぁと思いながら読んでました。戦争の道具と考えると哀しいけど武器になると考えると俄然燃えてくるお話!

自分はもきゅさんが更新されてから読み終わるまで毎回時間かかってますが次回も楽しみにしてますよ!

それと私掠船のモヒカンの人達コワイ!
そしてケイドくんの腕がたくましい…。ギャップ燃え。

2017/09/24 (Sun) 17:37 | EDIT | REPLY |   

もきゅ  

To フカヒレさん

フカヒレさま、コメントありがとうございますヾ(๑╹◡╹)ノ"

Tesの魅力って、世界の壮大さなところもありますけど、そんな片隅ですべてのNPCにマイクロなドラマが設定されているところだと思うんです。この世の趨勢に関わるドヴァキンが居る横では、クマの被害に腹を立てている女性が居たり、そんな幅広さを持ったデザインの世界ってなかなかないと思います。
そんな設定を生かしながら、皆様からお預かりした大切なキャラクターをうまく融合させられたら、というのがこの小説の試みでもあります^^

ちなみにあの歌には後日談があって、ストームクロークにパクられて替え歌にされて、"迫害の時代"が生まれるという流れですw

おや…私の暗ちょこの"Cast相関図.pptx"にZurunaさんの名前がレッドガードの括りで…w

2017/09/25 (Mon) 21:20 | EDIT | REPLY |   

もきゅ  

To どくうつぎさん

どくうつぎさま、コメントありがちょです(๑╹ω╹๑ )/
ブラッキー君にはいつもお世話になっていますw
引っかき回す方が逆の立場になったらどうかな~と思って、次回には彼女を悩ませるキャラとペア組ませてみようと思ってますw

メリスたちの方がシリアス路線なので、ブラッキー君の方には彼女たちに出来ない冒険をこれからもしてもらおうと思っています^^ あ、思いつきですが、彼女にはどんどん変な武器を集めていって貰うのも面白いかな~って思いました。すでに"変な重い斧"使ってるし…一話一武器とかwww

モヒカンは私のせいじゃないです! すべてmodのせいなんです! (何のmodの影響か自分でも分かっていない(゚∀゚;))

下水道はロマンです。ですよね!

2017/09/25 (Mon) 21:22 | EDIT | REPLY |   

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